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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』 :Tomorrow Never Knows(柏レイソル・小池龍太)

ゲキサカ / 2017年12月29日 22時38分

柏レイソル不動の右サイドバック、小池龍太

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 ほとんど誰もいなくなった等々力のミックスゾーンに、ハキハキとした声が響く。最後にこれだけは聞いておきたかった。「今シーズンって楽しかったですか?」。すぐさま答えが返ってくる。「凄く楽しかったですよ。レイソルに呼んでもらって凄く感謝していますし、僕はJFLから始まったキャリアなので、こんなに緊張感のある中でプレーできることにも本当に感謝しています。ただ、その分だけタイトルを獲れなかったというのは課題なので、来年はもっと結果的に楽しいシーズンにしたいなと思います」。出場した公式戦の数は、伊東純也とクリスティアーノに続くチーム3位の38試合。今やレイソル不動の右サイドバックとして、黄色のサポーターからも厚い信頼を勝ち獲った小池龍太が、その歩みを止める気配は微塵もない。
 
 小池の存在を目の前で強く記憶に刻み込んだのは、2年前のとりぎんバードスタジアム。首位のレノファ山口が自動昇格を懸けて、ガイナーレ鳥取のアウェーに乗り込んだJ3の最終節。先制される展開の中、一度は追い付いたレノファだったが、再びガイナーレに突き放されると、勝ち点で並ぶ2位の町田ゼルビアのゲームは同点で終了。少なくとも1点を返さなければ、目標には届かない。ビハインドのままで迎えた後半のアディショナルタイムも5分を過ぎ、ほとんどラストプレーという状況で、しかし奇跡が起こる。

 右サイドで庄司悦大がボールを持つと、猛然と斜めに走り出したのは小池。スルーパスに全力で追い付き、DFの目前で折り返したボールを、平林輝良寛がゴールへ流し込む。そして数十秒後。オレンジの絶叫に包まれたスタジアムへ、タイムアップの笛が鳴り響いた。劇的にJ2昇格を手繰り寄せたレノファ。庄司のスルーパスや平林のゴールがフィーチャーされる中、個人的には「龍太が斜めに走ってくれたので『ちょっと長かったかな』と思いましたけど、頑張って折り返してくれましたね」と庄司も言及したように、90分以上に渡って上下動を繰り返しながら、あの局面でスプリントを繰り出し、アシストを記録した小柄なサイドバックが不思議と印象に残った。

 昨シーズンではアウェーのセレッソ大阪戦で大きなインパクトを残す。前半の内に右サイドでスルーパスを引き出し、豪快な先制弾を叩き込むと、圧巻は後半終了間際の後半40分。相手のセットプレーを奪ったカウンターのチャンスに、自陣のペナルティエリアにいた小池は、全速力で80m近い距離を駆け上がり、島屋八徳からのパスを冷静に相手ゴールへ突き刺してみせる。画面越しにもキンチョウスタジアムの異様などよめきが伝わってくるような、完璧なカウンターからのゴラッソ。4ゴールを叩き込み、セレッソを粉砕したレノファのこの日の主役は、結果としてリーグ戦全試合に出場し、プレー時間もチーム最多を誇るなど安定したパフォーマンスを披露。シーズン終了後には3年間を過ごしたレノファに別れを告げ、レイソルへ新天地を求めることとなる。

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