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【要注意】進学塾「当塾から合格者〇〇人!」 中学受験ママ「じゃあ、“指導力が高い”のね」…中学受験〈塾選びの誤解〉TOP5

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月13日 7時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

本稿では、指導歴25年超の受験指導専門家・西村創氏の著書『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、「塾選びにありがちな誤解TOP10」より、上位5つを紹介します。

<前回記事>

【中学受験】進学塾の「入塾テスト」を突破するには?不合格でも〈その後、入塾が認められた子〉の“意外な行動”

「塾選び」は失敗が多い

塾選びは難しいです。同じ塾であっても校舎によって講師は異なりますし、同じ校舎でも、クラスによって講師が異なります。また大手塾では、毎年のように講師の異動があり、気に入っている先生がいつまでもその校舎にいるとは限りません。

確信を持てないまま「ここならまあいいかな」と手探りで塾を決めて、合わなかったら転塾をして…と塾選びに苦労している保護者はとても多いのです。

ここでは、大手塾の比較に入る前に、そうした塾選びでありがちな誤解を紹介します。

【誤解①】低価格な塾だからコスパが良さそう

低価格に抑えられた塾を見つけたら、気になりますよね。あまり名前は聞いたことがないけれど、ホームページを見ると親身に指導してくれそうだし、コスパが良さそう…そんなふうに感じるかもしれません。

でも、教育にコスパという考えを持ち込むのは失敗のもとです。日用品ならば、失敗だと思ったらまた別の商品を買えばいいだけですが、子どもの教育は、お金よりも貴重で取り返しのつかない「時間」を失ってしまうのです。

■無名塾の指導力を測るには「塾名 講師募集」で検索

私は、知らない塾を調べるときは、ホームページを見た後に、「塾名 講師募集」で検索をかけ、その塾の講師の求人情報を確認します。そして、講師の時給が最低賃金に近い金額だったり、「未経験者歓迎」「大学生歓迎」「複数教科指導歓迎」「友達と応募歓迎」などの言葉が並んでいたりする塾の場合、指導力は期待できそうもないと判断しています。

塾講師は、アルバイトであってもそう簡単に休めませんし、授業の予習も必要です。慣れないうちは、授業時間と同じかそれ以上の時間をかけて、授業の準備が必要なのです。自腹で参考書や問題集を買って研究する必要もあります。

指導力のある、市場価値の高い塾講師は、待遇のいい塾に移っていきますから、安価な時給で求人をかけている塾では、そうした講師に出会うのは難しいのです。

低価格の塾は、指導力には期待せず、自習管理をしてもらって勉強習慣をつけるために通うのだと割り切って利用するのであればいいと思います。でも、わからなかったところを授業で理解させてくれて、勉強する気持ちも高めてくれる、その科目のおもしろさも味わわせてくれるような講師を期待するのであれば、それに見合う費用をかける必要があります。

【誤解②】いざとなったら家庭教師に頼ればいい

いざとなったら家庭教師に頼ればいい、と思っていないでしょうか? 実際には、「いざとなって」から探しても、良い家庭教師は簡単には見つかりません。この人ならという家庭教師を見つけても、すでに指導の枠が埋まっていて、担当してもらえないことがほとんどです。あまり面倒見が良くない塾、別途でフォローが前提の塾に入塾するのであれば、入塾するタイミングで、家庭教師や個別指導塾探しもしておきましょう。

【誤解③】有名でない小規模塾は検討しない

有名な大手塾のネームバリューに安心感を覚える、という親御さんの場合、名前が知られていない個人経営塾は眼中にない、検討もしていない、ということがあります。でも、SAPIXのような大手トップ塾にお子さんを通わせているご家庭ほど、意外と小規模の塾に転塾するケースが多いものです。

どこの地域にも、有名ではないけれど、昔からあってずっと潰れずに残り続けている小規模塾があるものです。そのような塾がなぜ潰れずにいるのかといえば、ニーズがあるからです。大手学習塾では成績を上げられない子の成績を上げられるからです。

■小規模塾こそ指導力が問われる

有名でない小規模塾は、指導力がなければ生徒が来てくれません。それでも生き残っているのは、中身がいいから、指導力が高いからなのです。

個人経営の塾長は、もともと大手学習塾に勤めていた人が多いです。現場が好きなのに本社勤務の管理職になるよう打診されたり、講師職にとどまっても、本部の指示と自分の理想とする指導が違ったりと、会社員では制約があると感じた人が、組織から出て、自分で塾を開くのです。

だから、個人経営塾の塾長の指導力は、大手学習塾の平均的な講師よりもずっと高いことが多いです。また、そんな塾長の考えに賛同して集まった講師たちも、やはり信念と指導力があります。

しかも、小規模塾は大手学習塾と違って、講師の入れ替わりがほとんどありません。何十年もその土地で教え続けていて、その土地で教え続けることに人生を賭けているような人ばかりです。大手学習塾のように、本社からの辞令が出たから異動してきて、任期を終えたらまた別の校舎で教えるというのとはわけが違います。

うちの子はちょっと個性が強くて、一律的な大手塾のレールに乗るのは難しいかもしれない…と思ったら、小規模塾も検討してみるといいと思います。

【誤解④】塾検索サイトランキング上位だから信頼できる

塾検索サイトのランキングは当てになりません。塾比較サイトに評価を書き込むユーザーで、いくつもの塾を実際に経験して、相対的な評価をつけている人は、いたとしてもごく少数です。

塾検索サイトは、自宅の近くにはどんな塾があるのかを一覧で知ることができるのがメリットです。信ぴょう性の低いランキングですから、評価自体は真に受けないようにして、あくまで塾を知るためのツールとして使いましょう。

【誤解⑤】高い合格実績を出しているから信用できる

「合格実績」で塾の指導力を測ることはできません。これは別のテーマでもお伝えしていることですが、「〇〇中に〇〇名合格」という合格者数は、操作可能なのです。合格実績のカウント方法は統一されていませんからね。

有名大手塾などは、もともとできる子が入塾してくるので、高い合格実績に見える数字を出しやすいのはあたりまえです。そうした塾は生徒のフォローをしない方針なので、結局、家庭教師や個別指導塾でフォローをすることが多々あります。その甲斐あって合格したとしても、塾の合格実績として合格者数がカウントされることになるのです。

■合格実績はその塾の「性格」を見抜く指標

では、各塾の公表する合格実績は意味がないのかというと、そうではありません。合格実績は見方によっては、その塾の性格を見抜く指標になるのです。

たとえば、塾生の合格した学校の中から、難関校だけを掲載している塾や、偏差値順に合格校を掲載していて、偏差値の高い学校を特に大きく掲載している塾。こういう塾は偏差値が高い学校に塾生が合格していることを売りにしている塾で、そこに惹かれて入塾してくる人が多い塾だということがわかります。

逆に、あいうえお順に合格校を掲載している塾や、塾生の進学した学校だけを掲載している塾は、偏差値至上主義ではない運営方針、指導方針だということがうかがえます。

合格実績を見ることで、どんな学校を受験する層が多い塾か、何を重視している塾かが見えるのです。「合格実績」は指導力の指標とするよりも、どんな価値観の塾なのかをうかがう指標にするといいでしょう。

西村 創(にしむら・はじめ)

受験指導専門家

早稲田アカデミー、駿台予備学校、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台予備学校ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネジャーを務める。現在はセミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信などを中心に活動。著書は『改訂版 中学歴史が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)など多数。

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