「キャリア官僚システムの改革を」国民民主党国対委員長古川元久衆議院議員
Japan In-depth / 2021年3月11日 15時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・総務省幹部接待問題は、キャリア官僚システムの弊害。
・内閣人事局がキャリア官僚システムと相まって忖度の問題になっている。
・官僚制度の改革は、安倍政権以降の忖度問題を防ぐ役割がある。
国家公務員倫理法施行から約20年が経った今、相次ぐ総務省幹部接待問題により官僚の倫理観が再び問われている。問題の本質はどこにあるのか、国民民主党国会対策委員長である古川元久衆議院議員に話を聞いた。
■キャリア官僚システムの抜本的改革必要
安倍: そもそも1998年、ノーパンしゃぶしゃぶ事件という不祥事があり、国家公務員倫理規定が細かく制定されて、研修も行われてきた。にもかかわらず、制定から20年、企業は高級官僚接待を繰り返していた。結局のところ、同規定は有名無実だった。一体なぜなのか?
古川: (ノーパンしゃぶしゃぶ事件以降、民間と官僚の接触が減り)お互いに何を考えているのかわからない状況が続いた。行政も民間の状況がわからなければ、頭でっかちになってしまう。一方の民間側も、行政の考えが知りたい。時の経過とともに気の緩みとそうしたニーズから情報交換や意見交換の場として接待の場が使われるようになっていった。接待以外で情報収集・意見交換ができる仕組みが必要だ。
もう一つは、日本のキャリア官僚システムだ。基本的に役所に入ったらずっと役所にいる。役所からしか世の中を見ないという仕組みの中でどんどん世の中とかけ離れていく。このシステムを見直す時が来ている。
これは接待問題だけにとどまらない。ブラック霞が関と揶揄されているように、働き方改革の問題でもある。若手官僚はブラックな環境での下積み時代を過ごさないと昇進できない。このままでいいのか。
官僚のキャリアは年功序列になっている。幹部になればなるほど、そのポストにいる期間が短く、2~3年就けば長いとみなされるくらい、毎年のようにポストがころころ変わる。だから上のポストに行った人は、官邸にごまをすれば来年はいいポストに就けるかもしれないという忖度につながる。
一旦役所に入ったらずっと定年まで40年近く役所にいる。若いころはブラック労働に耐え、ある程度の年齢になると毎年のようにポストが変わっていく。こうしたこれまでのキャリア官僚の仕組みそのものが、今官僚を取り巻いている問題の根源にある。
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