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8両編成になった通勤特急も未だに止まらない!?ちょっとかわいそうな阪急宝塚本線・蛍池駅 今や大阪空港の玄関口なのに…

まいどなニュース / 2024年3月3日 8時0分

宝塚本線蛍池駅と大阪モノレール蛍池駅は隣接している

蛍池駅は大阪府豊中市にあり、阪急宝塚本線と大阪モノレールが乗り入れます。大阪モノレール蛍池駅の西隣は大阪空港駅であり、大阪国際空港(伊丹空港)の最寄駅にあたります。そのようなことから、蛍池駅では阪急宝塚本線から大阪モノレールに乗り換えるビジネスパーソンをよく見かけます。

ところが、蛍池駅には特急日生エクスプレスや通勤特急は止まりません。なぜ、大阪空港の利用者が愛用する駅にもかかわらず、全種別が止まらないのでしょうか。

空への接続駅としての蛍池駅

宝塚本線の蛍池駅には普通、準急、急行が停車します。大阪梅田駅から大阪空港駅までは蛍池経由で約25分です。大阪「キタ」の梅田から30分ほどで大阪空港にアクセスできるため、蛍池駅は空への接続駅としての顔を持ち合わせています。

しかし、特急日生エクスプレスや通勤特急は蛍池駅には止まりません。過去のダイヤを見ても、全種別が同駅に停車したことはありません。

そもそも、蛍池駅が急行停車駅になったのは約20年前の2003年8月のダイヤ改正のときでした。

大阪モノレールが大阪空港に延伸した1997年以前は、蛍池駅から大阪空港行きの路線バスはありましたが、蛍池駅が「空への接続駅」という印象はありませんでした。大阪空港へはターミナル駅からリムジンバスの利用が一般的だったように思えます。

8両化になった今も通勤特急は通過

しかし、10両編成の列車は蛍池駅には止まりませんでした。通過する理由はホームの両端にある踏切道です。踏切道があるためホームを伸ばせず、8両編成が限界でした。

宝塚本線では2022年12月ダイヤ改正で10両編成での運行を取りやめました。従来、10両編成で運行されていた通勤特急も8両編成になりました。減車されたわけですが、それでも通勤特急は蛍池駅には止まりません。通勤特急と急行の違いは「蛍池駅に止まるかどうか」です。

本当に現行ダイヤでは通勤特急は蛍池駅に停車できないのでしょうか。豊中駅の大阪梅田方面のダイヤを見ると、通勤特急の3分前に発車する普通列車は曽根駅で通勤特急に抜かされます。そして、通勤特急の2分後に準急が発車します。

現行ダイヤのままで通勤特急が蛍池駅に停車すると、普通の曽根駅での待機時間が伸び、後続の準急もつっかえるので難しいのでしょう。

蛍池駅の朝ラッシュ時の時刻表を見ると、大阪梅田駅まで22分~23分で到達する急行・準急が7~10分間隔で発車します。特段の不便さは感じさせませんが、それでも豊中駅や石橋阪大前駅と比較すると、優等列車の停車本数が少ないのは現実です。

蛍池駅と他駅との差は路線バスにあり

今度は1日あたりの乗降客数を見てみましょう。蛍池駅の1日乗降客数は約34000人です。隣駅の豊中駅は約4万人、全種別が停車する石橋阪大前駅・池田駅・川西能勢口駅の各駅の乗降客数は約36000~約37000人です。蛍池駅はこれら4駅と比較すると、ちょっとだけ少ないのです。

乗降客数の差の要因として、路線バスの乗り入れの有無が挙げられます。実は蛍池駅には路線バスが乗り入れていません。

阪急バスは2023年11月のダイヤ改正にて運転手不足に伴い4路線を廃止。路線廃止に伴い、駅前にあったバス停「蛍池」は消滅しました。

駅前の小ぶりなバスターミナルには関西空港行きのリムジンバスが乗り入れるだけです。このリムジンバスも1日上下各10本以下しか停車しないので、蛍池駅の乗降客数にはあまり貢献していないように思われます。

 一方、豊中駅、石橋阪大前駅、池田駅、川西能勢口駅からは阪急バスが運営する路線バスが出発します。

次に羽田空港からの搭乗客は大阪梅田方面朝ラッシュ時の電車を利用するのでしょうか。羽田空港から大阪空港行き初発便の大阪空港到着時刻は7時30分、7時35分です。次の便は8時10分着ですから、阪急蛍池駅ホームに着くころには8時30分以降になることでしょう。

大阪空港に7時台に着陸する航空便は計2便(2月29日)に限られます。他の時間帯よりも、朝ラッシュ時に大阪梅田方面の列車に乗車する搭乗客数は少ないように思います。

利用者増の蛍池駅に特急系種別の停車はあるか

それでは蛍池駅の乗降客数が大幅減かと言われると、そうではありません。コロナ禍を別にすると、むしろ増加しています。

豊中市の資料を見ると、2013年度の阪急蛍池駅の1日乗降客数は4万人を少し下回ってしましたが、2018年度は43000人を記録しました。特に2014年頃の伸びは顕著で、大阪モノレール蛍池駅や千里中央駅も同様に増加傾向でした。増加の要因として、大阪空港の利用増や大阪モノレール沿線の開発が考えられます。

2002年度と比較すると、約1.4倍です。一方、豊中駅は緩やかな下落傾向にあり、2018年度は約53000人でした。

これらのデータを見ると、「路線バスが乗り入れさえすれば、蛍池駅にも通勤特急が停車したのでは」と思ってしまいます。今後の宝塚本線ダイヤ改正の要チェックポイントです。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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