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「妄想の塊で常識に欠ける」と人事的に大不評、Z世代の生かし方──米経営者調査

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月28日 14時40分

ポテンシャルは大きいが扱いにくいZ世代(写真はイメージです)  Ground Picture-Shutterstock.

1990年代後半以降に生まれた若者たちは世界的にZ世代と呼ばれ、入社してくる若手のかなりの割合を占めるようになった。アメリカの経営者の多くは、そんな彼らをビジネスの足を引っ張る危険な存在と見ているようだ。

電子商取引サイトのパブリックスクエアと求職サイトのレッドバルーンが発表した「自由経済インデックス」の最新版によれば、スタートアップ企業を対象にした調査のなかで経営者の68%は、Z世代は従業員の中で「最も頼りにならない世代」だと回答した。また71%はZ世代のことを、仕事が原因で精神面の不調を起こしやすいと考えていた。

Z世代は「妄想の塊で常識が全く欠けており、論理的思考もしくは基本的な分析スキルもゼロ」との声も聞かれたという。

Z世代に対する批判的な見方はそれだけではない。「企業文化によく適応できる」と評価する回答は4%に満たず、「職場に分断と害悪をもたらす可能性が最も高い」という回答は62%に上った。

経営者の1人はZ世代について「単に毎日出勤しているだけで昇進を期待する」傾向があると辛辣にコメントした。

気に入らなければ会社を訴えることもある。経営者の57%が、Z世代は最も訴訟を起こすリスクが高いと答えた。

上の世代の轍は踏まない

もっとも、人事コンサルタントで人事関連情報サイトのDanFromHR.comを運営しているダン・スペースに言わせれば、この調査結果はあくまで小規模企業のオーナーから見た印象で、偏っている可能性があるという。職種や立場を問わず、Z世代は企業選びの際に高い報酬や優れた企業文化を求めがちだが、小規模企業にはそもそもハードルが高い、と彼は言う。

「Z世代は知識と自信にあふれ、現実主義的な世代だ。彼らは自分たちより上のミレニアル世代がどんな目に遭ってきたかよく見ている」とスペースは本誌に語った。

Z世代が職場が原因で心を病みやすいというのも当たらないとスペースは言う。メンタルヘルスの問題について話し合うことをいとわない傾向にあるのだと彼は言う。

もっと規模の大きな企業であれば、Z世代は技術力を生かすなどして優れた働きぶりを示す傾向があるとスペースは言う。だが、従業員はただ従順であればいいと考えるような経営者から見れば、Z世代の特徴は当然ながら「欠点」になる。

「Z世代はミレニアル世代と違って圧力によって変えることもできないし、X世代のように無気力でもない」とスペースは言う。

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