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「ので」「けど」を多用すると話がややこしくなる…話の上手い人が頻繁に使っている"話し始めの言葉"

プレジデントオンライン / 2024年3月16日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/BBuilder

うまく話せる人と話せない人は何が違うのか。緊張しいから話し方のプロになった丸山久美子さんは「誰かに何かを話していて『で?(何が言いたいの?)』と言われたことがある人は、『話し始め』に気をつけるといい。1分スピーチやプレゼンなど、1人で話すシーンでは、つい背景事情の説明から話し始めがちだが、『結論としては』という言葉から話し始めると、シンプルにまとめやすくなる」という――。

※本稿は、丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■うまく話せない人ほど、背景事情から話し始める

朝礼で、「昨日の出来事」をテーマに1分スピーチをすることになったとしましょう。

毎日顔を合わせている同僚の前だとしても緊張しますよね。

たった1分と言えど、できることならうまく話したいものです。

例として、2種類の話し方をご紹介します。

まずは、よくありがちな、うまく話せていない人の例から紹介します。

「初めてマラソン大会に出場したのですが、スタートで出遅れてランナーの波にのまれて転んでしまったんですが、何とか立ち上がって、5kmほど走ったところで給水所が見えてドリンクを取ろうとしたのですが、手が届かず取り損ね、そのまま走ることになって、喉が渇いた……もう限界だ……とリタイアすることを考えたのですが……」

……実にまどろっこしいですね。

対して、うまく話せる人の例をご紹介します。

「初めてマラソン大会に出場したんです。結論としては、無事にゴールすることができました! でも、トラブル続出でした。まず……」

これなら、これからどういう話になっていくのか、聞いていてわかりやすいですね。

2つの話し方の大きな違いは、「話し始め」です。

うまく話せない人ほど、背景事情から話し始めます。

うまく話せる人ほど、先に結論を伝えます。

■「で?」という反応には話を即ストップし、ラッキーと受け止める

過去に、誰かに何かを話していて「で?(何が言いたいの?)」と言われたことはありますか?

話の途中で「で?」と言われると、「自分はうまく話せていないんだ」と自覚して、申し訳なさを感じたり情けなくなったりします。萎縮したり、それ以上話すのが怖くなる人もいるかもしれません。

相手からそのように言われたとき、受け止め方と挽回方法にはコツがあります。

1.「ラッキー」と受け止める

「で?」という反応を貰えてラッキーだった! と受け止めましょう。

無意識に背景情報ばかり説明していることを知らせてくれています。

今すぐ軌道修正すれば挽回できます。チャンス到来です!

2.背景事情の説明を止める

まずは、黙りましょう。

いくら説明の途中だとしても、「で?」のサインをもらったら即ストップ!

くれぐれも、ここで追加の説明をしないようにしてください。火に油を注いでいるようなものです。

あなたの説明が足らないわけでも、相手がさらなる説明を求めているのでもありません。相手はただ、結論が知りたいだけなのです。

■「結論としては」という言葉を使って話す習慣をつける

3.結論を伝える

シンプルに、結論を伝えましょう。

ここまでに色々説明したことは、一旦ストップして横に置いてOKです。

ここでは、話し始め方が最大のポイントです。

「結論としては」という言葉から話し始めると、シンプルにまとめやすくなります。

相手が「で?」と言ってくれたらサインになるので対応できますが、1分スピーチやプレゼンなど、1人で話すシーンでは、つい背景事情の説明から話し始めがちです。

「結論としては」という言葉を使って話す習慣をつけると、いざ緊張したときにも結論から話せるようになります。

あなたの話し方をわかりやすくしてくれる言葉ですので、ぜひ使ってみてくださいね!

笑顔で書類を提示するセールスマン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

■「ので」「けど」の乱用は話をややこしくする

緊張しいな人がよく使う2つの言葉があります。

1つ目は「ので」です。

「ので」は理由と結論をセットで伝えるときに使う言葉です。

例えば、「AなのでB」「緊張しいなので人前で話すのが苦手」などです。

「ので」を使ったら、結論を言うのがルールになります。

2つ目は「けど」です。

「けど」は異なる意味を伝えるときに使う言葉です。

例えば、「AだけどB」「焼肉が好きだけどお寿司も好き!」などですね。

「けど」を使ったら、異なる内容を言うのがルールになるわけです。

このように「ので」や「けど」は、使い方にルールがある言葉です。

ルール通りに使えばとても役に立つ言葉なのですが、緊張しているとルールを無視して何度も何度も意味なく乱用してしまうことがあります。

実際、こんな風に自己紹介をしている人を見たことがないでしょうか……。

「私は、もともと緊張しいな性格なので人前で話すのが苦手なんですけど、うまく話せるようになりたいので話し方の勉強をしたいんですけど……えっと……よろしくお願いします」

いくら必死に言葉を繋いでも、このようにルールを無視した「ので」「けど」の乱用は話をややこしくします。

結果的に、話している本人ですら内容がこんがらがって、何の話をしているのかわからなくなって焦った結果、緊張が高まりすぎて頭が真っ白になるのです。

同僚の前に立ってプレゼンをすることに恥ずかしさを感じる女性
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

■日常会話で訓練をして「です」「ます」を使う習慣を

なので、「ので」「けど」の他にもこれらの言葉を使ってください。

「です」「ます」です。

先ほど紹介した、「ので」「けど」を乱用したわかりにくい自己紹介も、「です」「ます」を組み合わせることでこのようにまとまります。

「私は、もともと緊張しいな性格なので、人前で話すのが苦手です。でも、うまく話せるようになりたいので話し方の勉強をしたいと思っています。よろしくお願いします」

いかがですか?

同じ内容ですが、「です」「ます」が入ることで、まとまり方が変わりましたね。

ただ、緊張するシーンでいきなり言葉の使い方を変えるのは不可能です。

だから、まずは緊張を感じない日常のシーンで訓練していきましょう。

上司や部下と仕事で会話をするときや、同僚とランチへ行ったとき、仕事だけでなくプライベートでも家族や恋人、友人と話すときにやってみてください。

「ので」「けど」だけではなく、「です」「ます」も使って話すようにするのです。

日常会話で訓練をして「です」「ます」で話せるようになれば、緊張したシーンでもうまく使える確率が上がります。

ぜひ、会議や商談のシーンでも意識してみてください。

意識すればするほど、最初は頭がグワングワンするような変な感覚があると思います。

「今まで使っていなかった脳を使えている証拠!」と前向きに受け止めてください。

早速、明日から訓練を開始してみてくださいね!

■なぜ部下を前にした朝礼でモタつくのか

「○○について話そう!」

と決めておいたのに、いざ人前に立って話し始めたら違うことを話してしまった……。

こんな経験はありませんか?

指導先の企業に、とても緊張しいな管理職のAさんがいました。

その企業では、部下に社会情勢を把握させるため、毎朝の朝礼で管理職から新聞の情報を伝えています。

Aさんは、通勤の電車で新聞に目を通し、伝えたい内容をピックアップして朝礼に挑んでいました。

しかし、その朝礼に同席させていただいたところ、何とも残念な話し方をしていました。

「えっと……あれ? どこだっけ……」とページを探すところからモタついている上に、漢字が読めなかったり、噛みすぎてオロオロしているではありませんか!

これでは、通勤電車でしっかりと準備しているがんばりが、まったく報われていません。

Aさんに話を聞いてみたところ、朝礼が始まるまでは「このページのこの記事を読もう」と覚えていて、声に出してスラスラ読めるそうです。

しかし、いざ話すとなると、読みたい記事のページ数や、どこからどこまでを読もうと思っていたかが、わからなくなってしまうとのことでした。

■プロでも記憶に頼らず、メモや台本を用意する

そこで、Aさんには、新聞記事を読みながらトークをするニュース番組の動画を見てもらいました。

丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)
丸山久美子『緊張しても「うまく話せる人」と「話せない人」の習慣』(明日香出版社)

その番組では、拡大された新聞記事がパネルに貼られていて、それをアナウンサーが読み上げながら紹介していきます。

記事の文章をよく見ると、読み上げる部分にだけ赤線が引いてあったり、読みにくい漢字にはフリガナが書いてあります。

話すプロのアナウンサーでさえ、このように工夫をしているのです。

緊張すると、記憶力は低下します。

細かいメカニズムの説明は省きますが、これには自律神経や脳が関わっているそうです。

自律神経も脳も、簡単に操れるものではありませんね。

だからこそ、プロのアナウンサーのように、記憶がとんでも大丈夫な工夫をしておくことが大切です。

話すときは、記憶に頼るのではなく、メモや台本を用意するようにしましょう。

その後のAさんは、読みたいページに付箋を貼り、読みたい記事を蛍光ペンで囲むようになりました。

読みたい部分にも線を引き、読めなくなりそうな漢字にはフリガナを書き込む習慣をつけていったのです。

さらに、会議で資料を説明するときにも、この習慣を応用するようになりました。

今では、朝礼でも会議でも、とても流暢に話しています。

まれに、メモを見ながら話すのはNGというルールが設定されている場を見かけます。

そういったルールがない限りは、緊張しながらがんばる自分を支える意味でも、メモや台本を用意してみてくださいね!

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丸山 久美子(まるやま・くみこ)
株式会社シャベリーズ代表取締役
18歳から展示会を中心としたイベント業界で従事。もともと緊張しやすい性格だが「人前で話せるようになりたい」と思いMCとして活動するも、ステージ上で頭が真っ白になったり、手が震えてマイクを落とすなど数々の失敗を経験。緊張を克服しようと試みたが、逆にストレス過多となり心身症を発症。緊張を克服するのではなく、独学で緊張と上手く付き合う方法や話し方を身につけ、年間385本の仕事をこなすMCに成長。企業のプレゼン代行、イベントや結婚式での司会進行、ラジオパーソナリティ、生放送通販番組のMCなど、人前で話す仕事を3000回以上経験する。2020年に株式会社シャベリーズを設立。現在は、人前で話せるようになりたいと願う人々へ、オンラインスクールや企業研修、行政や商工会議所でのセミナーを通じて、緊張との付き合い方や話し方のトレーニングを提供している。著書に『』(同文舘出版)がある。

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(株式会社シャベリーズ代表取締役 丸山 久美子)

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