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中国では産業用ロボットの投入数が経済原理による算出の12.5倍―米シンクタンク

Record China / 2024年3月19日 9時0分

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中国の産業ロボットの導入数は費用対効果の経済原理により算出される台数の12.5倍に達しているという。写真は中国の産業用ロボット最大手「SIASUN」の作業現場。

米国の情報技術イノベーション財団(ITIF)はこのほど、中国における産業ロボットの導入や、関連産業の「強み」と「弱み」を分析する、経済学者である同財団のロバート・デイヴィッド・アトキンソン会長の署名入りのリポートを発表した。同リポートは、中国の産業ロボットの導入数は費用対効果の経済原理により算出される台数の12.5倍に達していると指摘。また、中国のロボット産業には「弱み」も存在するが、中国企業は、解決のための戦略を持ち合わせていると指摘した。

米国のロボット分野は日本などと比べて劣勢

リポートは本文冒頭部分で、米国に多い「中国は模倣者で、改革者は米国」という言い方に警鐘を鳴らした。この言い方は技術や産業関連の「ふがいない政策」を肯定してしまう考え方であり、家電や半導体、太陽電池パネル、通信機器のように、米国の産業の地位が模倣者に取って代わられた事例は多いと指摘した。また、中国がいつまでも「鈍い模倣者」の地位に甘んじるかどうかは分からないと主張した。

リポートはまず、米国はロボット技術を発明したにもかかわらず、すでに同分野をリードしていないと指摘した。2022年には日本が世界のロボット生産量の46%、世界輸出の36%を占めたとする研究があると紹介し、一方で米国は国内総生産(GDP)が日本の3倍以上であるにもかかわらず、世界の輸出の5.4%しか占めていないと指摘。「言い換えれば、日本のロボット輸出力は米国の20倍」と表現した。

同リポートは、米国には「忍耐強い投資」をしにくい土壌があると指摘。投資家が短期的なリターンを求めるからだ。一方で、他国の企業には長期投資を好む傾向があり、その結果、ロボット分野ではドイツや日本、スイスの企業が先行し、中国企業が追い上げを図る構図が出現したという。また、米国で生産をする他国のロボットメーカーもあるが、先進的製品や研究開発の大国は本国で行っている。その結果、22年には米国ロボット輸出額が輸入額の28%にとどまる状態だったと指摘した。

リポートは、米国にはロボット関連の優秀なハードウェア技術と強大なソフトウェア開発能力もあり、同分野での革新的なスタートアップ企業も数多く存在すると主張。ただし、イノベーションがただちに生産と販売の主導権獲得につながるわけではなく、追随者が迅速に模倣することで、価格優位性も成立しなくなると論じた。

経済原理で考えれば、異常に多い中国の産業ロボット

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