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「昔は健常者のふりをしていた」聴覚障がい、トゥレット症ーー障がい当事者の“不自由な日常”を世間に発信し続けるワケ

日刊SPA! / 2025年1月11日 15時50分

うさぎ:私は、中学3年生のときでした。人権作文コンテストがあり、書くことが思いつかなかったから、自分の耳のことについて書いたんです。一気に4枚書き上げて提出したら職員室に呼ばれて、国語の先生に「あなたの作文がクラスでいちばんよかった」と褒められ、「ぜひ全校生徒の前で読んでほしい」と頼まれました。

酒井:すごいですね。

うさぎ:それまで耳を隠していたし、全校生徒の前で読むことは勇気のいる挑戦でした。でも、この4枚の作文で溜まっていた思いを全部訴え、吹っ切れました。「教えてくれてありがとう」と言ってくれる人もいて、みんなの顔色も変わった。なにかを発信することの大切さを実感しましたね。

酒井:僕が吹っ切れたのも似たような体験で、高校3年生の作文コンテストで病気のことを書いたら佳作賞をとりました。それもあって、大学に入ってから世の中に病気のことを発信する活動を始めたんです。思っているよりも、つらいことって乗り越えられるんですよね。

うさぎ:それにはコミュニケーションが重要ですよね。

酒井:そうですね! 子どもの頃、病気のことをあまり人に言わなかったことで苦しんだので、伝えることで理解してくれる人が思ったよりもいることがわかりました。

相手がそっけない態度とか嫌な顔をしてくるというのは「病気のことを知らないから、僕がわざと声を出していると思っているんだ」と考えるようになり、電車内で反応した隣の人とかには「ごめんなさい、病気なんです」とすぐに伝えます。こうしてオープンにしていると、嫌だと思う人は離れていくので、周りにはいい人しか残りません。

うさぎ:コミュニケーションをとるときに意識しているのは、相手の話を聞くことですね。聞く行為は私にとって大変な作業ですが、一生懸命聞いていると、「理解しようとしてくれているんだ」と相手が心を開いてくれます。

酒井:僕にはトゥレット症のほかに注意欠如・多動症(ADHD)の特徴もあるので、社長やパートナーの話をよく遮ってしまうのが最近の悩みですね……。

うさぎ:治らない場合は、「こういう自分なんだ」ということを事前に教えておけば大丈夫だと思いますよ。

酒井:たしかに! ちょっと悩みが消えました。ありがとうございます(笑)。

◆「障がいへの知識を深めること」がSNSで発信する意義

酒井:僕は、料理が全然できません。手が勝手に動いてしまうので、包丁を使うことがほぼドクターストップなんですよ。

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