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「昔は健常者のふりをしていた」聴覚障がい、トゥレット症ーー障がい当事者の“不自由な日常”を世間に発信し続けるワケ

日刊SPA! / 2025年1月11日 15時50分

うさぎ:おもちゃの包丁を使って動画を撮ったら面白そう(笑)。

酒井:それ、いいかもしれないですね! うさぎさんが料理をしている隣で、僕がおもちゃの包丁を振り回す(笑)。

うさぎ:酒井さんの動画で、換気扇を拭いていて声が出てしまうのを見ましたが、めちゃくちゃ面白かったです! トゥレット症で自分に突っ込むようなシリーズをTikTokで投稿すれば、登録者数が伸びると思いますよ。

酒井:あの声は無意識なので、隠し撮りをしてもらわないと出ないんです。でも、発想がさすがですね。難聴うさぎさんは、SNSのフォロワー数もすごいですよね。

うさぎ:ありがたいことにコラボが多く、そのおかげで伸びています。コラボしているのは、障がいをもっている方が多めです。

酒井:いつも見ています。ああいう感じの集まりがもっといろいろなところでできたらいいと思うので、僕も頑張って発信しようと思います。

◆選択肢がA、B、Cしかないのなら

うさぎ:私は障がいをもつ当事者とコラボするうえで、その障がいについていろいろと勉強することを意識しています。今は耳が聞こえないだけで、目は見えているし、歩くこともできるけれど、自分もいつか歩けなくなる日がくるかもしれない。

コラボする相手が歩けない人だったら、事前にその人から生活実感などをうかがって知ることができるので、歩けなくなってもポジティブに対応できるんじゃないかなと思っているんです。

酒井:僕は重度訪問介護のサービスを提供している事務所で働いているので、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどいろいろな障がいをもつ方とお会いする機会があります。病気について一緒に話したり、プライベートで食事に行くこともあるので、そういう情報をもっと発信していけたらいいですね。

うさぎ:私は小さい頃から芸能人になりたいという夢があり、いろいろオーディションを受けたんですが、落ちてしまったんです。それはおそらく耳が聞こえないことも要因としてあると思うし、テレビでは障がい者を使いにくいというのもあったと思います。

だったら、自分のSNSにフォロワーがたくさんつけば、メディアも注目してくれるんじゃないか。テレビ番組に出られないのだったら、自分の番組をつくればいいんじゃないかって考えたんです。 選択肢がA、B、Cしかないなら、別軸のDをつくればいいって考えました。

酒井:本当にその通りですね。結局、自分の限界を決めているのは自分なんですよね。僕もこの会社に入ってからいろいろな挑戦をさせてもらっていますが、それまではアルバイト募集で履歴書を送っても「病気があります」と書いた時点で断られ、諦めていました。

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