共働きで中学受験は可能なのか。不利と言われる理由とは
LIMO / 2022年8月5日 17時50分
共働きで中学受験は可能なのか。不利と言われる理由とは
中学受験の天王山は小学5年生の夏休み
中学受験に向かって頑張っている小学生にとって、勝負の夏休みも2週間ほどが過ぎました。
小学6年生になると長時間に及ぶ講習会も珍しくなく、いわゆる「塾勉」の準備が必要な場合もあり、親の負担も軽いものではありません。
中学受験をするには3年生から4年生で入塾をし、受験学年では塾代がかなりかかります。高校受験や大学受験とは異なり、小学生が全て一人で課題をこなすことは不可能に近く、親の関わりが必要と捉えられています。
さらに、送迎や学習計画のスケジュールを考えたり、膨大な量のプリントの整理をしたりと親の負担も大きいです。
一方、内閣府が2022年6月14日に公表した「男女共同参画白書 令和4年版」によると、共働き世帯が1177万世帯、専業主婦世帯が458万世帯となっており、現代では共働き世帯が主流となっています。
共働き率が増えているにも関わらず、共働き世帯は不利と考えられる中学受験。どの学年から親の負担が増えるのか、また乗り越えられる方法について考えていきます。
【中学受験】小学5年生の夏から怒涛の1年半が始まる
中学受験といっても、小学3年生や4年生の頃は比較的ゆったりとしたペース、雰囲気で学習が進んでいきます。共働き世帯にとっても「中学受験を共働きで乗り越えるのは厳しい」という雰囲気ではありません。
教育相談会やセミナーなど土日開催はすぐに予約が埋まるといった悩みもありますが、「まだ先輩たちの受験動向を見ている」「子どもの性格と成績からマッチしそうな学校を模索中」と静観の立場でいられます。
つまり、まだ親が積極的に動き回る機会が少ないので、共働き世帯も「中学受験は親の受験」と痛感するほどではありません。
しかし、小学5年生になると状況が変わっていきます。
成績と子どもの性格や家庭と学校の教育方針を踏まえ、ターゲットとする志望校も複数校に絞っていく必要があります。
気になる学校があれば学校説明会やオープンスクールに足を運び見定めていく。次年度の受験学年に向けて様々な下準備が増えていきます。
中学受験は別名「親の受験」と呼ばれるほど親の果たす役割が大きいものですが、その本領を発揮するのが小学5年生からです。
受験での天王山というと「受験学年の夏休みを有意義に過ごせるかどうか」というイメージが強いものの、中学受験の流れを考えていくと小学5年生の夏休みが天王山にあたります。
小学校6年生になるとさらに怒涛の日々がやってくる
小学校5年生では、算数を筆頭に重要単元を多く習います。小学6年では総まとめや入試の実践問題に時間を割くため、勉強の遅れや学力向上や苦手克服のために一気に巻き返すのは、実質的に小学5年の夏休みがラストチャンスです。
その際に「どのように学習計画を立てるか」がそれまで以上に重要になってきます。
「どれだけ学力を伸ばして受験学年まで持っていけるか」という命題が受験生や親にのしかかってきます。子ども丸投げで上手くいくことはほとんどありませんし、小学6年生になったら挽回するよう先送りするのはもっての外です。
小学校6年生の夏休みの講習会は日程がギッチリで毎日忙しく通塾し、本番に向けてギアチェンジし始める段階に入ります。
夏休みが終わる秋からは志望校や受験予定校の過去問題を解き、苦手克服や傾向対策に時間を費やしていきます。
塾側は豊富な中学受験の経験があるので「どういう風に取り組むか」をレクチャーしてくれますが、やはり個々の子どものスケジュールや学習計画をきめ細やかにサポートするのは限界があります。
さらに、塾の先生との教育相談会も増えるので、スケジュール確保をしたり、受験校を決めるために学校説明会や文化祭、オープンスクールの参加や願書を取りに行く、または申し込んだりすることも忘れてはいけない大切な業務です。
願書を受け取っても、単に受験生の氏名や所属学校の記入で済むことはありません。記入する志望動機など文章の推敲を重ね、願書を出しに行く、または期限日までに必ず届くように投函するなど、気の抜けない日々が続きます。
それ以外にも、受験写真の服装の準備や撮影日の予約といった細々としたことも増えていきます。
小学校5年生から徐々にスピードアップしていき、6年生になるとスポーツカー並みの速度でやることが次から次へと出てくるため、共働きで無難にこなしていくのは難しいのです。
【共働きの中学受験】親子で一緒にスケジュール管理をする
共働きで中学受験を乗り切るには、親と子どものスケジュール管理が重要になってきます。
子どもの予定を記入するだけでなく、子どもにも親のスケジュールや仕事の話をしていくことで「親子で乗り越える」という一体感を生み出していきます。
親が一方的に管理していると、子どもの方が「忙しいけど親が勝手にやってくれる」と捉えてしまい、自分事のように感じてくれない可能性もあります。
また、親が忙しいからと話し合いもせず全て子ども任せにするのも避けましょう。子どもが「自分にはあまり関心がないのかな」「合格さえすればいいのかな」と後ろ向きなことを考えさせるきっかけを与えてしまいかねません。
中学受験は子どもが挑戦することですが、親も一緒に挑戦している、サポートしているというのを前面に出すことが成功のカギです。さらに、中学受験に絡む半休や早退も、時と場合によっては起きてしまいます。
職場の上司や同僚に子どもが中学受験を予定していることを事前に伝え、理解してもらうことも共働き世帯には欠かせません。
中学受験を目指す場合、共働き世帯は不利という情報が多いです。しかし、忙しくなるタイミングを知り、その上で対策を講じていくことで「中学受験」という荒波を乗り越えていきたいですね。
参考資料
内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」(https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/pdf/r04_tokusyu.pdf)
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