「自由にやってきた40~50代」に何も残らない理由 地味でも自分に「軸」を持ち人とつながろう
東洋経済オンライン / 2023年11月16日 9時0分
ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授のリンダ・グラットン氏らが著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提唱した「100年時代の人生戦略」は、日本でも一大ムーブメントを起こし、高校生向けに『16歳からのライフ・シフト』も刊行された。
選択肢が増え、多様化する人生100年時代に、私たちは何を学ぶべきなのか。気鋭のジャーナリストであり自らも「ライフ・シフト」を実践してきた佐々木俊尚氏が『16歳からのライフ・シフト』を読み解き、人生100年時代に必要な能力を解説する。
「何を学ぶか」が急速に変化している時代
今、「何を学ぶか」は急速に変わってきていると思います。正解がある問いなら、ChatGPTに聞けばいい。すぐに答えてくれるでしょう。人間に求められているのは、こうした生成AIにでもできる「答える能力」ではなく、「課題を見いだす力」「課題に向き合う力」です。
【漫画】まんがでわかるLIFE SHIFT 100年時代の人生戦略
たとえば地球環境を良くするにはどうしたらいいかという問いには、明確な正解がありません。地球温暖化を食い止めるために脱炭素社会に取り組む、これは一つの答えでしょう。
しかし一方、安価なエネルギーを必要としている発展途上国にとって、脱炭素は貧困を解決する手段にはならず、むしろ増大させる可能性すらあります。トレードオフが生じるのです。すると、どこまで温暖化対策をして、どこまで貧困対策に取り組むのか、このバランスを考えるのが人間の仕事になります。
生成AIが今後さらに進化していけば、今のプロンプトエンジニアリングといわれる、まるでプログラミングをするかのような精緻な問いを投げかけなくても、もっと自然な形で答えてくれるようになるでしょう。しかしそれでもなお、「何を聞くのか」「どこまで問いを深めるのか」という、探究の軸となる部分の重要性は変わりません。
私はずっと、日本の20世紀はパッションの時代、21世紀はロジックとエビデンスの時代だと言ってきました。かつては、ふわっとしたパッションだけで何かを語っていればよかったんです。
よく知られているのが「風の息づかい」論です。2005年に起きたJR羽越本線脱線事故で、『毎日新聞』の社説が「風の息づかいを感じていれば(事故の原因となった突風の)気配をつかめたのではないか」と批判しました。いかにも20世紀の日本的な書きぶりです。
しかし今、特にインターネット上では、そんなパッションよりもロジカルであること、エビデンスがあることが重視されています。AIとの対話が増えれば、人間のコミュニケーションにも大いに影響を与え、今後ますますロジカルとエビデンスが重要になってくると思います。
専門性を高め、その道のスペシャリストに
この記事に関連するニュース
-
仕事辞めたい…50代女性が思う理由と対処法は?
ハルメク365 / 2024年4月26日 17時0分
-
新NISAが注目されるのはなぜ? 円安、増税の日本を生き抜くために必要なお金のルール
マイナビニュース / 2024年4月16日 9時45分
-
【介護士のストレス事情】「精神的にも身体的にもストレスがあるのに給与が低い」という声も。
PR TIMES / 2024年4月9日 16時15分
-
このままでは「ゆとり教育の失敗」を繰り返す…経営学者が「ワーク・ライフ・バランス」に警鐘を鳴らすワケ
プレジデントオンライン / 2024年4月4日 11時0分
-
こんな働き方があったのか…専門性と経験を活かしプライドも捨てずに働ける「定年後の新たな選択肢」とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月3日 7時0分
ランキング
-
1Googleの「約束破り」が示す検索市場の"危うさ" ヤフーへの技術提供制限で公取委が初の処分
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 7時20分
-
2米スターバックス、3年ぶりの減収…中東での不買運動や北米の節約志向が重荷
読売新聞 / 2024年5月1日 22時24分
-
3GWの平均予算は「2万7857円」 過ごし方の3位「買い物」、2位「外食に行く」…「海外旅行」は1%
まいどなニュース / 2024年5月2日 7時50分
-
4円下落、一時158円台に迫る 介入観測後も円安止まらず
共同通信 / 2024年5月1日 18時30分
-
5観光業で働く人のためにも「GWは廃止すべき」 こう提言しても、何も変わらなかった理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月1日 6時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください