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ドコモが海外の携帯通信見本市で放った存在感 日本の通信事業者が「海外に販売」する時代が来た

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 7時50分

MWCの会場となったFira Gran Via(筆者撮影)

2月26〜29日(現地時間)、スペイン・バルセロナで世界最大規模のワイヤレス通信関連イベント「MWC Barcelona 24」が開催された。MWCには毎年、世界中の通信事業者、通信機器ベンダー、CSP(クラウドサービスプロバイダー)、半導体ベンダーなど多彩な顔ぶれがそろう。

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以前のMWCの花形は、スマートフォンのようなクライアント端末だったが、今やスマートフォンの需要も一巡したこともあり、端末は主役の座からは滑り落ちている。話題の主役になっているのはワイヤレス業界にとって最も重要なインフラ側の通信機器で、従来の固定機能の専用機から、汎用サーバー+ソフトウエアに置き換えが進んでいる。そうしたトレンドの移行が、今日本勢にとって新しいビジネスチャンスになりつつある。

通信事業者にとって最大の悩み

携帯電話の通信事業者の回線ネットワークは大きくいうと、基地局、RAN(Radio Access Network)、コアと呼ばれる3つの部分から構成されている。

スマートフォンやタブレット、PCなどのセルラー回線に接続する機能を持つユーザーの端末は、その通信事業者が免許を持っている無線帯域を利用して、基地局と呼ばれる電波塔と接続してデータのやりとりを行なう。

この基地局は、半径数キロにわたって電波を放射して、通信可能な端末と無線通信を行う。この基地局の中で、アナログデータである無線をデジタルデータに変換して、次のRANにデジタルデータとして引き渡す。基地局の数は通信事業者によって異なるが、日本全国に展開している通信キャリアの場合は20万~30万の基地局を持っているというのが一般的だ。

RANは基地局から受け取ったデジタルデータを、コアと呼ばれる、通信事業者の局舎の中にある集中制御装置にわたす役目を果たしている。1つのRANで、2つや3つの基地局をカバーするので、基地局数の2分の1~3分の1のRANが全国に設置されている計算になる。

そしてコアは、例えばユーザー端末の契約情報などが格納されており、ユーザー端末から受け取ったデータをインターネット側に流していいのかなどの処理を行い、最終的にユーザーの端末がインターネットにアクセスすることを許可し、契約情報が適正でなければ通信を拒否する。このコアは、通信事業者の局舎に地域ごとにまとめて置かれ、日本全体で数カ所というのが一般的だ。

「ベンダーロックイン」に苦しめられていた

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