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日経平均は年前半4万2000円まで上昇の可能性 東証改革の成果は短期的に株価に織り込まれた

東洋経済オンライン / 2024年3月8日 9時30分

桜が咲く前に日本株は真っ盛りという感じだが、今後も日本株が上昇するカギは何だろうか(イメージ写真:Getty Images)

日経平均株価は2月22日に約34年ぶりに史上最高値3万8915円を更新、3月4日にはついに4万0109円と4万円台に突入した(終値ベース)。だが、この間の投資主体別の売買動向を見ると、実は昨年春の上昇時と同様、株価は海外投資家(現物+先物合計)の買いで上昇していることがわかる。現物だけで見ると、海外投資家は今年に入って、7週連続で買い越し、売り越しとなったのは2月の19~22日の週になってからだった。

一方、残念ながら、個人投資家(現金+信用+先物の合計)は、逆にこの上昇局面では売却している。これも昨年春と同様だ。個人投資家の「現金」だけに限ると、昨年春からずっと売りが続いている。やはり、平成バブル崩壊後の株価下落に苦しんだトラウマがあり、今の株価上昇をバブルだと感じているかもしれない。

今の日本株はバブルなのか

読者の中にも、今の水準を見ると「バブルではないか」と思って、買い控えている人が少なからずおられるはずだ。

では、本当に今はバブル状態なのだろうか。まずPER(株価収益率)などのバリュエーション(企業価値評価)で割高か割安かを見ると、34年前の1989(平成元)年の日経平均のPERは50~60倍と超割高だった。現在は15倍程度と、過去10年のレンジ内にとどまっている。

平成バブル崩壊前は、超割高な水準まで買われた日経平均を正当化するために、東京湾岸のウォーターフロント地域の開発が大きなテーマになった。土地の高騰が続くことを前提に、株価を簿価ではなく、時価ベースの1株当たりの純資産で計算した「Qレシオ」という新しい尺度(ものさし)まで作られたのである。

今回は、そのような状況にはなっていない。まだPERは正当化できる範囲だ。このように、今の日経平均やTOPIX(東証株価指数)など指数面から見た日本株は確かにもはや割安ではないが、過去のレベルなどから見てもまだ適正水準だと考えられる。

実際、PERが20倍超の米国株(S&P500種指数)と比較してみても、日本株はまだ割安に映る。このため、もし株価が下落したときには、個人投資家の押し目買いも入ってくるとみている。

一方、日経平均は確かに史上最高値を34年ぶりに更新したが、TOPIXは1989年12月18日の2884.80ポイントをまだ更新していない。日経平均は日本を代表する225社で構成されるが、もともと株価指数は一部の値がさ株(ファーストリテイリングや、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなどのハイテク株)の影響を大きく受ける。

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