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「恋空」のスターツ出版がスゴいことになっていた チームで作る穏やかな風土で、売上が5年で5倍超に

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 12時0分

社内の人材交流について、熱く語るスターツ出版の菊地修一社長。1時間超のインタビューの中で、20分ほど割くことになった(撮影:梅谷秀司)

2006年に出版され、大ヒットしたケータイ小説『恋空』。もともと、携帯の投稿サイト上で書かれた作品を書籍にしたものだが、当時、250万部を超える大ベストセラーとなった。

【写真】「ケータイ小説ブーム」を生み出した「スターツ出版」が、今再び、「青くてエモい本」で注目を集めている

この『恋空』を出版し、「ケータイ小説ブーム」を生み出した「スターツ出版」が今、ヒット作や話題作を立て続けに送り出して、注目を集めている。

特徴的なのが、現役中高生からの圧倒的な支持。「スターツ出版文庫」はTikTokを中心にSNSで多く紹介され、「エモくて泣ける本」の代名詞となっている。

「勃興するブルーライト文芸」と題し、新たなムーブメントの誕生を追う本連載。第3回は、このムーブメントを牽引している、スターツ出版の代表取締役社長である菊地修一氏へのインタビューをお届けする。

中高生からの熱烈な支持で、3年連続でミリオンヒット

――まず、スターツ出版の歴史について教えてください。

菊地:スターツグループは、今年で創業55周年の総合生活文化企業グループです。

グループ全体の核は不動産業ですが、創業者であり現・会長の村石久二の「ペンを持つ企業をつくりたい」という思いのもと、スターツ出版は、文化事業を担う会社として41年前に創業しました。グループ93社の中では3番目にできた歴史がある企業ですね。

もともとは、スターツ創業の東京都江戸川区で発刊した地域情報誌「アエルデ」から始まり、女性誌「OZmagazine」や、東京メトロ駅構内で無料配布しているフリーマガジン「メトロミニッツ」などを発刊して現在に至っています。ですから、当時は書籍をあまり作っておらず、編集者も数人しかいなかった。

一方で、これから出版は厳しくなると思い、レストラン・トラベル・ビューティサロンがWeb予約できる「OZmall」という女性向けサイトを自社開発し、運営しています。

――現在のように、さまざまな文芸作品を出すようになったきっかけはなんだったのでしょうか?

菊地:21年前に『Deep Love』というケータイ小説を出版しました。作家さんからの持ち込みだったのですが、これがミリオンヒットになった。次の年に出したのが『天使がくれたもの』で、これもミリオンヒット。その次が『恋空』ですね。これは他社の小説投稿サイトに書かれていた作品を書籍化したのですが、これが大ヒットして、なんと3年連続でミリオンヒットが出た。

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