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AI技術で「人が死なない時代」が来ることの"暗雲" 診察室は無人に、誤診は限りなくゼロに近づく

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 19時0分

これからは、病気の原因そのものを断って病気にかからなくする「予防医学」が発達していきます(写真:metamorworks/PIXTA)

2023年1年間に生まれた子どもの数は、外国人なども含めた速報値で75万8631人。で、前の年より4万1097人減少と8年連続で、統計開始以来、過去最少になったことが報道されました。 少子化と表裏一体の課題が「超高齢化社会」です。

医療の発達により、いわゆる不治の病が少なくなり、なかなか「死ねない」時代がもうそこまでやってきています。

一般的な定年の年を過ぎても長く生きなければならないこれからに備え、何をどのように準備しておけばいいのか――医療、お金、住まい、相続など、さまざまなジャンルの専門家8名の著者による『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)から、一部抜粋・編集してお届けします。

「死なない時代」を後押しする

これからは、致死的な病気を治すだけでなく、病気の原因そのものを断って病気にかからなくする「予防医学」が発達していきます。その分野で大きな役割を果たすのが、「遺伝子解析技術」です。

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遺伝子解析技術と個々の病気の知見を組み合わせて遺伝子の異常を調べ、早期に特定の病気を察知し、予防につなげることがすでにできるようになっています。

アメリカ人俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、乳がんと卵巣がんの発生率が高くなるとされる、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の原因遺伝子であり、かつ、がん抑制遺伝子でもあるBRCA1に変異が見つかり、今後乳がんになる確率が87%と診断されました。

母親が56歳の若さで卵巣がんによって亡くなっていることもあり、ジョリーさんはまだがんになっていない両側の乳房切除を決断し、実際に手術を受けています。

患者さんの遺伝子を解析することで、将来がんを発症する人にはどんな遺伝的な特徴があり、実際に発症した場合は、どんな大きさでどのくらいのスピードで病気が進行するかまでわかるようになっているのです。

オーダーメイドの病気予防が可能に

「エピゲノム」の研究も、病気の予防に大きく貢献すると考えられています。

エピゲノムは食事、運動、生活リズムなどによって遺伝子(ゲノム)の働き方をコントロールする仕組みです。現在、世界中でエピゲノム研究が進んでいますから、2030年ごろにはオーダーメイドの病気の予防が可能になると考えられます。

つまり「あなたはこういう病気になりやすいので、こういう食事をしたほうがいい」といったことが個人単位でわかるようになり、それを病気の予防や健康維持に生かせるようになります。

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