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ひたちなか海浜鉄道、社長が明かす延伸計画の姿 乗客は何人増える?新駅から公園への移動は?

東洋経済オンライン / 2024年3月26日 6時30分

同社の名物車両キハ20形 (205)。旧国鉄色の姿で活躍(筆者撮影)

茨城県ひたちなか市にある常磐線・勝田駅。ひたちなか海浜鉄道の湊線はこの駅からおさかな市場で有名な那珂湊を経由して、海水浴場のある阿字ヶ浦まで運行する。

【写真】ひたちなか海浜鉄道の阿字ヶ浦駅。この先が延伸予定だ

全長14.3kmという非電化路線で、もともとは茨城交通が運行する路線だったが、利用者減少による赤字を理由に廃線が検討された。しかし、存続を願う住民らの声によって、第三セクター法人ひたちなか海浜鉄道が設立され、運営が引き継がれた。

コロナ禍で計画を見直し

三セク化をきっかけに、業績が回復し続けている。そして今日注目すべき話題は、2021年1月15日に認可された、現在終点の阿字ヶ浦駅―ひたち海浜公園中央口まで3.1kmの延伸計画である。

この延伸計画の開始には大きな壁が立ちふさがった。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で建設用の機材や材料の価格が高騰するなど、計画の見直しを余儀なくされたのだ。しかしながら、関係者たちは前向きかつ地道に足元を固めてきた。目的の実現へと結びつけるために、2023年12月12日、ひたちなか市は市議会に説明を行った。延伸計画を2段階に分けて行い、まずは「ひたち海浜公園南口」付近までの1.4kmを先行開業することとした。新駅も整備する。なお3月4日には延伸計画の変更が国に認められた。全体総事業費は126億円、うち先行区間は59億円と見込んでいる。

今回の経緯に関して、同鉄道の代表である吉田千秋社長にインタビューを行った。計画が見直されたのは、コロナ禍による物価高騰などマイナスの要因だけではなかった。途中区間にJX金属の工場進出が決定し、新たに通勤などで同鉄道を利用する見込みが発生したこと、また、地方交通活性化法の改正など、政府の地方交通に対する考え方が、前向きになったというプラスの要因もある。また、延伸開業によって、どのくらいの収益を見込めるのか。輸送人員などはどのくらい増加するのかも聞いてみた。

2億円の収入増が見込める

吉田社長は「現時点では工事の施工認可を受けておらず、数値は出せない」としながらも、「あくまでも営業的見地として、年間200万人の国営ひたち海浜公園の来場者のうち10%が鉄道を利用すれば、約20万人。1人あたり1000円の収入があったとして2億円の収入を見込める」と話した。この10%という数字について根拠はないが、吉田社長が体感的に想定した数字とのことだった。

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