自律神経の乱れが整う「音読」意識したい4つの点 コロナ禍で声出す機会が減少、疲れやすい体に
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 13時30分
「音読で疲労が回復する」と聞いたら、どう思いますか?にわかには信じがたい話だと思うかもしれません。でも実は、科学的根拠がちゃんとある話なのです。自律神経研究の第一人者小林弘幸氏の著書『1日1分で自律神経が整う おとなの音読』より、疲労回復や不眠の改善に効果的な「大人のため」の音読のコツを4つご紹介します。
音読は小学生の勉強のためだけ?
「いつも自分だけ疲れている」「寝ても疲れが抜けない」「なんとなく不調が増えた」。いずれも日々診察する中でよく耳にする声です。このような悩みを持つ患者さんに私が薦めている健康法、それが音読です。
【写真】『1日1分で自律神経が整う おとなの音読』(小林弘幸)では、自律神経を整えるための音読のコツを紹介する
音読と聞くと、「小学生がお勉強のためにやるもの」というイメージが強いかもしれません。でも実は、音読によって声を出すこと、自分の声を聞くこと、リズムのよい自然な呼吸をすることは、意識的に自律神経を整え、疲労・不眠といった心身の不調を改善するのにとても効果的なアプローチです。
具体的な音読のコツをお伝えする前に、なぜ私が今、音読をこんなにもおすすめしているのか、お話しさせてください。
2020年から長らく続いたコロナ生活の影響で、多くの人が「声を出す」機会を失ってしまったことは、みなさんもご存じの通りです。
これによって何が起きたか。うつ病の増加です。もちろんほかにも要因はありますが、「声を出す」という行為は、私たちが心身のバランスを保つために非常に重要な行為です。 数年単位でこの機会が失われれば、私たちの体は容易にバランスを崩してしまいます。
「声を出さないだけで大げさじゃない?」と思うかもしれませんが、声は心と体のバロメーターの役割を担っています。心と体が整っているときは、スラスラとよどみなく話せますし、乱れているときはぎこちなくなります。そして、声を出さなければ、自分がバランスを崩していることにさえ気づけず、徐々に平衡感覚を失ってしまうのです。
私自身、コロナが明けた直後は、大学での講義や講演会で思うように声が出せず困惑してしまいました。言葉の歯切れも悪ければ、息継ぎもうまくできない。自分でも気づかぬうちに、心身のバランスが乱れていたのです。
コロナを通じて、「声を出す」ことがいかに私たちの健康を支えているか再確認させられました。ではなぜ、「声を出す」ことで、疲労や不眠、ひいては体の不調全般を改善することができるのでしょうか。
疲れやだるさは自律神経の乱れが原因かも?
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