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道長が「試験官を監禁」改ざん迫る呆れた行為 兄である道兼の息子たち3人も次々とやらかす

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 7時50分

えさし藤原の郷(写真: chaprin-y / PIXTA)

NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたることになりそうだ。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第14回は、藤原道兼の3人の子どもと、道長のエピソードを紹介する。

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「偏執的な性格」だった藤原道兼

大河ドラマ「光る君へ」では、これまで広く知られていなかった、藤原道長の父である藤原兼家や、道長の兄である藤原道隆と藤原道兼にもスポットライトがあたることとなった。

【写真】復元された式部省跡。道長は式部省で働く試験官に試験結果の改ざんを迫る。

とりわけ異彩を放っているのが、藤原道兼である。ドラマ上では、初回から「藤原道兼がまひろ(紫式部)の母を殺す」というショッキングな展開が繰り広げられて、話題となった。

歴史物語においても、道兼の評判はよろしくない。『大鏡』や『栄花物語』では、道兼のことを次のように評している。

「容貌は悪く、剛腹で片意地なところがあり、偏執的な性格」

道兼は花山天皇を出家させて退位させるために、自分も出家するフリをして騙す……という汚れ役を担った。そんなエピソードからも、今回の大河ドラマでは、ヒール役に選ばれたのだろう。

しかし、実際に凶暴だったのは、道兼の子どもたちのほうだった。

『大鏡』では、長男の福足君(ふくたりぎみ)について、はっきりと「いとあさましう、まさなう、あしくぞおはせし」と書いている。現代語訳すれば、次のようになる。

「あきれるほど行いがひどく、見苦しく、悪い子でいらっしゃった」

「をさなき人はさのみこそはと思へど」ともあり、小さい子はそういうものなのかもしれないが、それを踏まえてもなお、悪童だったらしい。

道兼の長男は蛇をいじめて夭折

藤原兼家が60歳を迎えて、その祝宴が行われるときのことだ。福足君に舞を舞ってもらおうと、祝宴にそなえて習わせていたという。

「やりたくない」と何かと抵抗する福足君の機嫌を取りながらも、舞を身につけさせて、なんとか当日に間に合わせた。

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