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【株価はどう動く?】日経平均4万円を達成、バリュー株、グロース株共に上がる

財界オンライン / 2024年3月15日 20時0分

日経平均4万円突破も、今後の見通しは…

「多数決の原理」と「非多数決の原理」

 最近の株価の動きを解説します。2023年4月から、新しい株高が始まっています。日本が30年続いたデフレからインフレに転換した年が23年だったのです。この流れ、デフレからインフレへの転換を買う相場は24年も続いています。

【あわせて読みたい】菅下清廣・スガシタパートナーズ社長 「今の相場は日経平均4万円を目指している。2024年も大企業株の底上げが続く」

 23年の相場は前半、6月19日に3万3772円で一番天井、9月15日に3万3634円で二番天井と付けました。その後、10月4日と30日に3万円ギリギリのところで二番底を入れ、その後新しい上昇相場が始まっています。

 昨年10月から上昇した株価の短期サイクルの目標値は3万9000円から4万円という水準です。この3万9000円は、すでに2月22日に達成しています。

 これをボックス相場で言うと、昨年後半は3万円から3万5000円で動いていましたが、3万5000円が壁となり、抜けませんでした。年末近くの11月20日に3万3853円を付け、昨年の最高値となりました。

 つまり23年は6月、9月、11月のトリプルトップとなったのです。24年の年初から、これを上に「窓を開けて」突破してきたわけです。非常に強い相場の波動だと言えます。

 それは昨年10月の二番底で底入れしていること、直近の高値を年初から突破したことからわかりますが、さらにトリプルトップをも超えてきました。その後も、日々高値を更新するような動きになっています。

 相場の波動の定石では、株価上昇には3原則があります。それは二番底、三番底で底入れするのが「ホップ」、直近の高値を抜くのが「ステップ」、上に窓を開けて新高値を更新するのが「ジャンプ」という3つです。今の相場は、この3つが全て揃っています。

 そして昨年後半は3万円から3万5000円のゾーンだったものが年初から3万5000円の壁を突破して、今は3万5000円から4万円のゾーンに入っています。

 3月4日の週明けに、この4万円の壁を突破して4万円から4万5000円という前人未到のニューブルマーケット(新しい強気相場)に突入しました。私の予想通り、4万円の大台を早々に達成したのです。

 年初から証券会社を含む金融業界、財界のほとんどの人が株高を予想していました。相場の世界には「多数決の原理」と「非多数決の原理」とがあります。

 株価上昇局面の比較的初期は「多数決の原理」に従います。多くの人が今後株価は上がると思っている時にはついていくということです。この相場が熱狂的になって、誰もが「株を買わないと損だ」となった時には、今度は逆張りで「非多数決の原理」を応用する必要があります。

 今の状況であれば「多数決の原理」に従って大丈夫ではないかと思っています。新しいゾーンに入った上昇相場は、まだ始まったばかりです。証券大手社長のほぼ全員が、今年の高値を4万3000円と予想していますが、そこをさらに上回っていくものと予想しています。

 89年12月の3万8915円を突破したということは、この先1年後か3年後かはわかりませんが、日本経済が「大バブル相場」に向かっているということです。

 昨年から本連載で指摘してきた通り、昨年4月からの賃金インフレ、円安によって「資産インフレ相場」が始まっています。その中では過去30年間のデフレで株価が上がらなかった大企業を中心にバリュー株の底上げ相場が続いています。


日本の株式市場は「二段ロケット」

 日本経済は「失われた30年」の修正局面にありますが、この後はデジタル、DX革命を前進させて社会を変えないと、次なる上昇相場はやってきません。

 今回の日本の株式市場は「二段ロケット」で、一段目はデフレ時代のリベンジ相場でバリュー株の底上げが行われ、二段目はデジタル、DX関連で業績がいい企業が出てきます。ですから今年はバリュー株もグロース株も上昇するということです。

 多くの日本企業の業績は好調です。昨年1年間は、長いデフレの中で失ったものを取り戻す相場が続きましたが、ここから先は新しい富を生み出す企業を狙って株を買っていく局面になると思います。

 その下支えとなっているのが、24年1月から始まった「新NISA」による新たな資金です。今は国内外の指標に投資するインデックスファンドに資金が流れていますが日本の個人金融資産は約2100兆円、そのうち現金・預金は約1100兆円という国です。これが動き出せば当分、株価の底上げは続きます。

 また、いずれ日本株は米国株に関係なく上がるようになると見ています。日本がデフレを脱却し、デジタル革命に前進するならば、米国の動きとは関連性が薄くなります。

 私は今の相場を、戦後7回目の大相場だと見ていますが、20年3月のコロナショックの安値、1万6000円台から始まっています。戦後の大相場では多くが出発点から5倍以上になっており、この相場が7回目ならば目標値は出発点から5倍の8万円となります。

 長期の波動でも09年が7054円で大底でしたが、ここまで20年下落しました。この09年から20年上げると29年になるわけですが、重要な年になる可能性があります。

 日本株の大底から20年、さらに言えば1929年の大恐慌前にNYダウが大天井を付けてから100年目という年でもあります。

 株価上昇のピッチが早すぎるという声もありますが、30年ぶりの株高ですから、それ以前の常識では測れない面があります。ただ、5月のGW前後はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策次第では、急落局面があるかもしれませんから要注意ですし、年後半は11月に米大統領選挙がありますから、どの候補が当選してもリスクがありますから、選挙前の10月は注意が必要です。

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