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「Galaxy S23 FE」は高性能を8万円台で実現したお財布にも優しいスマホ

ASCII.jp / 2024年3月6日 12時0分

 auが2月9日に販売を開始した「Galaxy S23 FE」は、同社のフラッグシップモデル「Galaxy S23」シリーズのデザインや性能などを可能な限り取り入れながらも、若い世代を狙ってより手頃で購入しやすい価格を実現したモデルだ。従来のGalaxy S23シリーズとどのような点が違っているのか、その実機から確認してみよう。

「Galaxy S23」より大画面、角ばった側面がやや気になる

 まずは外観を確認すると、ディスプレーサイズは6.4型で本体サイズは約76.5×158×8.2mm、重量は約209g。一方のGalaxy S23はディスプレーサイズが6.1型で本体サイズが約70.9×146.3×7.6mm、重量が約168gとなっている。

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「Galaxy S23 FE」の前面。画面サイズやボディーは「Galaxy S23」よりも大きい

 Galaxy S23 FEの方が画面サイズも本体も大きめなのは、画面サイズを重視する傾向が強い、若い世代を狙ったことが大きく影響しているからだろう。ベゼルがやや太めとなっているが、一方で有機ELを採用しており、指紋認証はディスプレー内蔵型で、120Hzのリフレッシュレートに対応するなど、可能な限り上位モデルの機能・性能を実現しようとしている様子がうかがえる。

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価格を抑えたモデルでは電源キー一体型の指紋センサーを採用する傾向が強い中にあって、Galaxy S23 FEはディスプレー内蔵型の指紋センサーを採用している

 背面を確認すると、デザインはGalaxy S23シリーズに非常に近く、カメラが3つ並んでいる以外は、フラッシュとFeliCaマーク、サムスン電子のロゴのみと非常にシンプルだ。背面はガラス、側面はアルミ素材を採用しており、安っぽさは感じられない。

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背面のデザインはGalaxy S23シリーズを踏襲しており非常にシンプル。ただ手にすると素材感や触感は違う印象を受ける

 ただ、上位モデルと比べれば素材感に違いがあるのに加え、側面がより角ばっていることからGalaxy S23と比べると触感はいまひとつ、という印象だ。とりわけ角ばった触感は長時間ゲームプレイしていると気になってくる印象があっただけに、長時間使用するならケースを装着した方がよいかもしれない。

 なお、側面のインターフェースは、右側面に音量キーと電源キー、底面にUSB Type-C端子、上部にSIMスロットがあるのみ。Galaxy S23シリーズと同様、非常にシンプルだ。

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右側面には音量キーと電源キーが備わっている
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底面にあるのは充電に用いるUSB Type-C端子のみ。ターゲット層を意識してかイヤホン端子は備わっていない

カメラ性能は上位モデルに近く暗所に強い

 続いてカメラを確認すると、背面のメインカメラは5000万画素/F値1.8の広角カメラと、1200万画素/F値2.2の超広角カメラ、800万画素/F値2.4で光学3倍ズーム相当の望遠カメラの3眼構成となっている。Galaxy S23と比べた場合望遠カメラの性能はやや抑えられているものの、最大30倍のデジタルズームが可能な点は共通しているなど、性能面はかなり近しい部分がある。

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背面のメインカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成。広角カメラの性能はGalaxy S23と変わらず、充実度は高い
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Galaxy S23 FEの広角カメラで撮影した写真
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超広角カメラで撮影した写真
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望遠カメラで撮影した写真

 広角カメラの性能自体はGalaxy S23と同じなので、暗い場所でも明るく撮影できるなど、日常使いからちょっとこだわった撮影まで十分対応できる性能を備えている。Galaxy Sシリーズのカメラは元々暗所での撮影に強いだけに、その性能を引き継いだGalaxy S23 FEも暗い場所での撮影にはかなり強い印象だ。

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夜にGalaxy S23 FEの広角カメラを使い、ナイトモードをオフにして撮影した写真。周辺はかなり暗いがナイトモードがオフでもかなり明るく撮影できる
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ナイトモードをオンにして撮影した写真。一層明るく撮影できているのが分かる

 実際夜の暗い場所で、ポートレートモードでセルフィーを撮影してもしっかりボケ感のある写真を撮影できる。セルフィーに重点を置く人にも満足感が得られるだろう。

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広角カメラでポートレートモードを用い、セルフィーを撮影したところ。ナイトモードはオフにした状態だが背景のボケ感もしっかり実現できている
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もちろんナイトモードを使えばより明るくなるが、撮影に数秒かかるのでブレないよう本体を動かさないよう注意が必要だ

 一方でフロントカメラは1000万画素/F値2.4で、こちらもGalaxy S23(1200万画素/F値2.2)と比べるとやや性能は抑えられている。ただ、それでもミドルクラスなどと比べれば高い性能を備えていることは確かで、夜景モードの活用により暗い場所でもセルフィーを明るく撮影することは可能だ。

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フロントカメラは標準的な性能で、パンチホールタイプとなっている
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フロントカメラでナイトモードを用い、セルフィーを撮影したところ。かなり暗い場所でも顔を明るく写し出せている

 ほかにもGalaxy S23 FEのカメラには、広角カメラの5000万画素をフルに活用した撮影モードや、メイン・フロントカメラで同時に動画を撮影できる「ディレクターズビュー」、撮影した被写体の中の不要なオブジェクトや写り込みなどをAI技術で消すことができる「オブジェクト消去」など、豊富な機能が備わっている。こうした性能を実現できるのもベースの性能が高いからこそといえ、ミドルクラスとは一線を画していることが分かる。

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生成AIではないが、AI技術を活用した「オブジェクト消去」。選択したオブジェクトを簡単に消すことができる
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実際にカメのオブジェクトを1つ消してみたところ。よく見ると違和感もあるが、ぱっと見には分からないレベルだ

チップセットは2世代前だがゲーミングには強い

 その性能について確認すると、チップセットにはクアルコム製の「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載し、メモリーは8GB、ストレージは256GB。今となっては2世代前でリアルタイムレイトレーシングには非対応であるなど、上位モデルと比べれば性能が落ちるとはいえ、十分高性能だ。

 その性能を主要なゲームで確認してみると、グラフィックはいずれも一般的なハイエンドモデルに匹敵する設定が可能。上位モデルと比べれば描画の緻密さには欠けるが、その分描画も早いのでチップセット性能の不足を補い、最新モデル並みの快適な動作を実現している。

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「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「ウルトラHDR」、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能。一般的なハイエンドモデルと同等だ
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「原神」のグラフィック設定も、標準設定はやはり一般的なハイエンドモデルと同等の「中」。もちろん最高設定に上げても十分快適に動作する

 気になるゲームプレイ中の発熱も、1時間程度連続してプレイして温度を測定してみたみた限りでは40~41度くらいに抑えられていた。先に触れた通り、角ばっている側面がホールド感の面で不満ではあるものの、それ以外の部分においてはゲーミングに関する満足感はかなり高いといえる。

 もう1つ、性能面で気になるのはバッテリー容量だが、Galaxy S23 FEは4500mAh。サイズが違うとはいえ、Galaxy S23が3900mAhであることを考えれば十分な大きさといえる。ワイヤレス充電に加え25Wの急速充電にも対応しているので、超高速ではないとはいえバッテリー不足時の安心感は高い。

 モバイル通信機能についてだが、SIMは物理SIMとeSIMのデュアルSIM構成。5Gにも対応するが対応周波数帯は執筆時点では公表されていない。ただ、Galaxy S23 FEを販売するのはauのみなので、それを考えればauの周波数帯に準じたものになるだろう。

 最後に、グーグルがGalaxyシリーズの「クイック共有」への統合を打ち出したAndroidのファイル共有機能「ニアバイシェア」の扱いについてだが、Galaxy S23 FEは海外ではその発表前に発売されたモデルということもあって、まだ共通化がなされていないようだった。今後のアップデートで変わる可能性はあるが、従来のGalaxyシリーズと同様、クイック共有とニアバイシェアの2つが併存している点には注意したい。

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気になる「クイック共有」と「ニアバイシェア」の扱いだが、Galaxy S23 FEに関しては、執筆時点では少なくとも双方が共存している状態から変わっていないようだ

【まとめ】“性能”と“節約”を両立できる満足感は高い

 まとめると、Galaxy S23 FEは大画面で高いチップセット性能とカメラを備えるなど、若い世代が必要とするニーズをうまくキャッチアップした内容に仕上がっている。一部カメラの性能など随所にコストダウンを図ることで低価格化を図っており、auでの販売価格は8万8000円とハイエンドモデルとしてはかなり安価だ。

 この値段であれば、2023年12月末に一部改正された電気通信事業法の値引き上限をフルに適用でき、(番号ポータビリティでの転入など条件は付くだろうが)4万4000円にまで値引くことができる。それだけに高い性能は欲しいがお金は節約したいというニーズにうまくマッチするスマートフォンといえるだろう。

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