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「エマニュエル」自らの快感を求める女性、人間同士が触れ合えないポストセックス社会も描く オドレイ・ディワン監督&湯山玲子対談

映画.com / 2025年1月11日 20時0分

ディワン:余談になりますが、私の次回作のプロデューサーはランティモスのプロデューサーなんです。今回は、音楽そのものでというより、五感をサウンドで表現しようと試みました。その匂いや色、触感を感じさせるサウンドを用いたのです。エマニュエルがマスターベーションをする時も、彼女のため息が漏れるときは音楽をカットして、それが終わったら音楽を再開する――そのように感じてもらうことを目指しました。

▼日本人が得意なイマジネーションの性の快楽が描かれる

湯山:驚いたのが、作品に描かれた性の快楽が、ものすごく日本的だということ。エマニュエルが愛する男性が日本人という件はともかく、寝取られ、のぞき、行為を見せあったりだとか。マスターベーション的なセックスは、日本人は大得意で、AVがこんなに広く深く流通している国は他にないほどです。江戸時代の春画もそういう役割だったという説があります。他人とのコミュニケーションではなくて、自分の快楽だけのセックスで、イマジネーションだけが好き、そんな感じ。

ディワン:そうなんです。私もこの映画が完成した時に、これは日本映画だなと思ったんです(笑)。あなたがそうおっしゃってくださったのがとても面白いのですが、実は私のルーツはレバノンなんです。地中海に面した中東のレバノンは日本とは真逆な文化を持つ国です。でも私は日本人の考え方もよくわかるのです。

湯山:なるほどね。世界の趨勢はそっちに行ってる気もしますね。特に若い世代が。

ディワン:そう、もう他人に触れたくないという。

湯山:そうそう、特にコロナ禍後は。最後に少しだけファッションのことをうかがいます。エマニュエルのドレスは背中が空いてましたよね。

ディワン:我々の文化ではデコルテ(胸元)の前開きを大事にしますが、逆に背中を開けました。

湯山:なるほどね。それがね、すごくノエミが演じる、スクエアな仕事人のエマニュエルの建前とホンネみたいで、効果的でしたね。

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