「終の住処は?」シニアの住み替え4つのケース 住まいの再検討は60歳前後が良いタイミング
東洋経済オンライン / 2024年3月9日 7時30分
仕事や子育てに一区切りがつく60代は、その後の「第2の人生」について考える時期。特に寿命が延び、長い老後を過ごす現代社会においては「お金と住まいの問題」がその人の幸福度を大きく左右します。
そこで住宅ジャーナリストで、マンショントレンド評論家・日下部理絵さんの著書『60代から終の住処を考えるための住まいのエンディングノート』から一部を抜粋し、自身が幸せな老後を送るため、また家族にも迷惑をかけないための「住まい計画」について考えます。
住まいの再検討のタイミングは60歳前後
人生100年時代と言われるようになった昨今、60代は気力・体力ともにまだまだ充実している人が多い印象です。
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趣味や再就職など社会的活動をする一方で、老後はどこに住むのが望ましいのか、所有している自宅はどうしたらいいのか、いろいろ模索し始めるタイミングでもあります。
新築・中古を問わず、初めて家を購入することを一次取得というのに対して、現在すでに家を所有していて、新たに買い替えることを二次取得といいます。
国土交通省が公表する「住宅市場動向調査(令和4年度)」で住宅取得時の年齢を見ると、一次取得者はすべての住宅について30代が最も多いという結果が出ています。
興味深いのが、二次取得者は、注文住宅、分譲集合住宅(マンション)、中古戸建住宅、中古集合住宅において、60歳以上がいちばん多いという事実。
そのなかでも、建て替えを除く注文住宅は55.9%で最多、次に分譲マンションが52.6%と続きます。二次取得者の平均年齢は、注文住宅で59.9歳、分譲マンションで58.1歳とまさに60歳前後で買い替えをしている人が多いのです。
60歳といえば、定年退職して退職金が入ったり、子どもが独立して使わない部屋がでてきたり、住宅ローンが完済もしくは完済間近だったりと、さまざまなタイミングが重なる時期です。
住宅の買い替えを検討するのが60歳前後というのは、「長寿国日本」の新常識なのです。60歳前後の住み替えには、一戸建てや分譲マンションへの買い替え以外にも、UR賃貸住宅や、老人ホームなどへの入居の選択肢もあります。
今の家に一生住み続けるか、住み替えるか。今の家に住み続けるなら、大がかりな設備交換やリフォーム、もしくは建て替えなどの検討が必要でしょう。
住み替えるなら、持ち家か賃貸住宅か、戸建てかマンションか、わが家は売却するのか、貸すのか、資金はどうするかなど慎重に検討する必要があります。
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