投資初心者が知らない「投資と投機」の決定的な差 今から投資しても間に合うのかを考える
東洋経済オンライン / 2024年3月15日 15時0分
日経平均株価は3月4日に史上初の4万円台に到達するなど株式市場は好調に推移してきました。株価が上がってくると、投資でお金を増やした人の話も耳にしますし、「自分も投資してみようかなぁ」と思われるかもしれません。
【図表でわかる】日経平均株価を使って、実際のROEとPBRの関係を見る
今回は“投資”をする際に、必ず頭の片隅にいれておくべき、一丁目一番地のお話をします。そして足元の株価はすでに高水準に達しているとの見方もありますので、今から投資しても間に合うのかを、PB”R”OEモデルを使って考えましょう。
投資と投機はいったい何が違うのか
まず、投資の際の一丁目一番地は「投資と投機の違い」をキチンと把握することです。証券用語辞典を使って投資と投機について調べると、投機は値段が上がりそうなタイミングを狙って売買するもの(”機”会に”投”じるから”投機”)、投資は長い目で見て利益を見込んでお金を投じること、といった説明もされます。
このように“短期で利益を狙うのが投機、長期で狙うのが投資”と言うように期間の違いで説明すると、確かに聞いている方にとってはイメージしやすいとは言えます。しかし実は、投資と投機の違いの本質は期間ではありません。別のところにあります。
正解は、投資は“投じたお金で価値の創造を期待するもの”、投機は“価値の創造を期待しないもの”です。もうすこしわかりやすく説明しましょう。例えば、ある友人がクラフトビールの製造・販売会社を作るとします。その会社に出資(投資)するケースを考えてみましょう。
出資したお金は、原料の購入や設備投資などに使われてビールという価値のあるものが生まれます。企業がビール販売により得られる利益は価値を金額でわかるように評価し直したものとも言えます。毎年積み上がっていく利益が、将来、出資額を上回る見込みがあるなら、この会社への出資は投資となります。
少々説明が難しかったかもしれません。もう一方の“投機”の説明がわかれば、投資のこともより深くわかります。投機は“価値を創造しないもの”です。代表的な投機は、商品相場でよく行われたりします。
例えば、アメリカで干ばつが深刻な年には、小麦の収穫が減ります。供給不足を見込んで、事前に小麦を買っておけば、将来価格が上昇するので、もうけが期待できるというものです。小麦を買った人は、投じたお金が何かの生産活動で価値を生むことを期待しているわけではありません。単純に小麦の供給不足で値上がりを期待するというものです。
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