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「札幌ドーム」と「日ハム新球場」の残酷な明暗 ネーミングライツの応募もなく苦戦が続く

東洋経済オンライン / 2024年3月17日 9時0分

札幌ドーム(写真:筆者撮影)

2023年から北海道日本ハムファイターズの本拠地となった北広島市の「エスコンフィールド北海道」を運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントは、売り上げが251億円となり、札幌ドーム時代の前年より91億円の増収となったと発表した。

【写真】周辺開発が進むエスコンフィールド北海道

入場料収入、広告収入に加え、試合のない日の来場者による飲食、物販収入もあり大幅な増収となった。関係者からは「もっと早く移転すればよかった」という声も聞かれる。

「ネーミングライツ」の応募もない札幌ドーム

対照的に札幌ドームは苦境を伝える報道が相次いでいる。ファイターズが去った昨年、ドーム側は新たな需要を喚起するためドーム内を半分に仕切った「新モード」を発表。場内を仕切る高さ30mの暗幕などの設備に約10億円を拠出したと言われるが、この新モードは札幌ドームが主催したパブリックビューイングなどに使われただけで、実質的に利用者がなかった。

ファイターズ人気でついていたスポンサー看板はすべて撤去された。当然ながら、稼働日数は激減した。ファイターズの撤退に加えて、毎年コンサートをしていた人気アイドルグループ「嵐」の活動休止も痛かったと思われる。

さらに、こうした苦境を脱するために札幌ドーム側は「ネーミングライツ」を募集した。年間2.5億円で複数年という条件だったが、問い合わせた企業はあったもののこれまで応募はなし。2月29日を締め切りとしていたが、ドーム側は「応募があるまで受け付ける」とした。

筆者は、日本ハム球団と打ち合わせをするために、何度か札幌ドームに足を運んだ。一昨年まで、球団事務所は札幌ドームに隣接するビル内にあったのだ。冬季、雪を踏み分けて事務所に入ったこともある。

札幌ドームには、地下鉄福住駅を降りてから徒歩で十数分だが、地下通路の両側には北海道日本ハムファイターズと、コンサドーレ札幌というこの施設を本拠とする2つのプロチームの選手や球団のチームや選手の装飾がきっちり50%ずつの割合で表示されていた。

札幌を代表する両チームの本拠であることを表現していたのだろう。お役所的にはそれでいいのかもしれないが、球場使用料は1日約831万円と言われる。単純計算すれば、年間71~72試合を行う日本ハムはこれだけで5.9億円を支払っていることになるが、コンサドーレは17試合だから1.4億円にすぎない。一説には日本ハムは全部含めれば13億円を札幌ドームに支払っていたという話もある。

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