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寒い日ほど「いい天気ですね」と言うべき理由

プレジデントオンライン / 2020年2月8日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/joka2000

■ますます寒くなる負のスパイラル

今冬は暖冬傾向と言われながらも寒い日本列島。北風に吹かれて「寒い寒い」と言っていると、余計に寒くなる、そう実感する人もいるでしょう。「『寒い』と言うから寒くなる」、この理論は果たして本当なのでしょうか。

まず前提として「状況」と「解釈」は異なると認識してください。例えば「晴れているけれど、空気が冷え込んだ冬の休日」という状況があるとします。寒いという状況は変わらない中、「今日は寒いですね」「いいお天気ですね」と言うのとでは、発言者の解釈が異なります。解釈は人間の思考・感情・行動に深く結びつきます。

「今日は寒いですね」は「嫌」な感情を引き起こし、「出かけようと思っていたけどやめよう」といった行動に結びつきます。一方、「いいお天気ですね」は「心地いい」感情を引き起こし、「ジョギングでもしようか」といったポジティブな行動に結びつきます。

つまり「『寒い』と言うから寒くなる」とはその通り。「寒い」と認識すると寒く感じるだけではなく、さらにネガティブな行動に結びついてしまうのです。

私たちを苦しめているのは状況ではなく、状況をネガティブに解釈すること。誤って思考をマイナスな方向へ導いてしまうことです。「寒い」を「いいお天気」に切り替えると、否定的な感情ではなくなり、前向きな行動へと連動して、結果的にパフォーマンスも良くなる、というのは知っておくと役立つと思います。

私はアスリートのメンタルトレーニングをお手伝いしています。今は引退した某女子陸上選手は肯定的な言葉しか使わない人でした。ある年の冬、彼女の地元に行くと、朝雪が降っていました。薄いトレーニングウエアを着た彼女を見て、思わず「今日は雪が降って寒いですよね」と言うと、それには答えず笑顔で「遠方から来てくださりありがとうございます」と労ってくれて、その後の会話の中でも「寒い」とは一切言わないんです。

代わりに言うのは「動いているとそうでもないんですよ」「雪があがっていい天気になりましたね」など。「寒い」「辛い」と口にすると感情や行動が変わって、動けなくなるとわかっているので、あえて言わないわけです。

■「寒い」と言わなければ冬を快適に過ごせる

ちなみに「寒いですね」と言う人がいたら、「そう? 暖かいですけど?」と否定するのはNG。「寒いですね」はスルーして「今日お召しのコートすごく似合っていますね」「そのセーターおしゃれですね」など、何かしら褒めましょう。すると相手はテンションが上がります。

「寒い」に関連した何かを褒めることで、寒い冬が相手の中でプラスに転化していきます。

これを心理学用語で「プラスのストローク」と言います。ネガティブな状況にプラスの要素が結びつくと、解釈がガラリと変わるのです。「寒いけど、冬のおしゃれを褒められてうれしい」というように感情も変化します。その後の行動が変わるのは前述の通りです。

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浮世 満理子(うきよ・まりこ)
アイディアヒューマンサポートアカデミー学院長
メンタルトレーナー、プロフェッショナル心理カウンセラー。著書に『LINE上手』ほか。

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(アイディアヒューマンサポートアカデミー学院長 浮世 満理子 構成=池田園子)

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