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青くてエモい「ブルーライト文芸」大ブームの理由 「田舎の夏、ヒロインが消える」物語なぜウケる?

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 7時0分

青い表紙でエモい内容の「ブルーライト文芸」が今、中高生を中心に人気を集めている。「田舎」「夏」「ヒロインの消失」と、内容面にも共通する要素がある。なぜ、若者に支持されているのだろうか?(編集部撮影)

「ブルーライト文芸」という言葉をご存じだろうか。

【写真で見る】書店に並ぶ、青くてエモい小説たちの一例

「青い」キラキラした、エモいイラストが表紙になっている文芸作品のことで、近年、複数の出版社を中心に、そうした文芸作品が多く刊行されている。

特に中高生を中心に絶大な人気を博しており、実写映画化される作品も急増中。

面白いのは、こうした作品群は表紙イラストが似ているだけではなく、その内容にもいくつかの共通点があることだ。

文芸ファンを中心ににわかに注目を集める「ブルーライト文芸」とはなにか?

短期連載の初回となる今回は、そのジャンルの名付け親でもあるぺシミ氏(@pessimstkohan)にお話を伺った。

ブルーライト文芸の共通点「田舎」「夏」「ヒロインの消失」

ぺシミ氏は2020〜2021年ぐらいに、本屋の一角がやけに「青い」ことに気が付いたという。

「そうした青い表紙を持つ作品にいわゆる『ライト文芸』が多かったので、『ブルーライト文芸』と名付けたんです」

「ライト文芸」は、「ライトノベルのように、表紙にイラストを使った文芸作品」のことだとペシミ氏は説明する。内容的には、ライトノベルと一般文芸の中間にあり、『ビブリア古書堂の事件手帖』などが代表作だ。

「それから、こうした作品が出てきた2010年代は、電子書籍が勃興した時期でもあったので、電子機器が発する『ブルーライト』にもかけています」

ペシミ氏がこのように名付けると、文芸ファンの間でこの名称が話題となり、にわかに「ブルーライト文芸」が一つのジャンルとして認知され始めるようになった。

ブルーライト文芸に分類できる作品を出版しているレーベルは、KADOKAWAメディアワークス文庫やスターツ出版文庫、集英社オレンジ文庫など多様だが、表紙の類似性だけでなく、話のパターンも似ていることにペシミ氏は注目している。

「ブルーライト文芸には典型的な話のパターンがあります。ヒロイン(や恋人、想い人)と出会い、最後に消失するということです。また、最近の作品ではそこまで露骨ではありませんが、『田舎』や『郊外』の『夏』を舞台にしがちであるという共通点もありました」

中高生を中心に人気となり、ライト文芸コーナーでもよく見かける『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』のあらすじを簡単に紹介しよう。

主人公の輝彦は、ある日、クラスの人気者である香織から自分の専属カメラマンになるように言われる。突如として始まった撮影生活は香織の自由な性格もあって大変なものになる。しかし、あるとき、輝彦は彼女が重い病と闘っていることを知り……。

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