特集2017年12月4日更新

ロシアW杯組み合わせ決定!日本に勝算はある?

2018FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会の抽選会が12月1日に行われ、日本はポーランド、セネガル、コロンビアと同じグループHに入りました。日本代表の対戦相手となる3チームの情報に加え、各グループの展望なども簡単に紹介します。

目次

ロシアW杯の組み合わせが決定

日本はグループH 6月19日にコロンビアと初戦

グループステージ組み合わせ

グループA
ロシア 2大会連続11回目
サウジアラビア 3大会ぶり5回目
エジプト 7大会ぶり3回目
ウルグアイ 3大会連続13回目
グループB
ポルトガル 5大会連続7回目
スペイン 11大会連続15回目
モロッコ 5大会ぶり5回目
イラン 2大会連続5回目
グループC
フランス 6大会連続15回目
オーストラリア 4大会連続5回目
ペルー 9大会ぶり5回目
デンマーク 2大会ぶり5回目
グループD
アルゼンチン 12大会連続17回目
アイスランド 初出場
クロアチア 2大会連続5回目
ナイジェリア 3大会連続6回目
グループE
ブラジル 21大会連続21回目
スイス 4大会連続11回目
コスタリカ 2大会連続5回目
セルビア 2大会ぶり12回目
グループF
ドイツ 17大会連続19回目
メキシコ 7大会連続16回目
スウェーデン 3大会ぶり12回目
韓国 9大会連続10回目
グループG
ベルギー 2大会連続13回目
パナマ 初出場
チュニジア 3大会ぶり5回目
イングランド 6大会連続15回目
グループH
ポーランド 3大会ぶり8回目
セネガル 4大会ぶり2回目
コロンビア 2大会連続6回目
日本 6大会連続6回目

日本が入ったグループHの展望や注目選手

まずは日本が入ったグループHの詳細を見ていきましょう。

グループHの試合日程

日付 対戦カード 開始時間(日本時間) 会場
6月19日(火) コロンビア vs 日本 15:00(21:00) サランスク
ポーランド vs セネガル 18:00(20日0:00) モスクワ・スパルタク
6月24日(日) 日本 vs セネガル 20:00(25日0:00) エカテリンブルク
ポーランド vs コロンビア 21:00(25日3:00) カザン
6月28日(木) 日本 vs ポーランド 17:00(23:00) ヴォルゴグラード
セネガル vs コロンビア 18:00(23:00) サマーラ

このように、日本代表(FIFAランキング55位)は初戦で2大会連続の対戦となるコロンビア(13位)と激突し、2戦目にセネガル(23位)、3戦目にポーランド(7位)と対戦することになりました。

日本代表の移動距離は2400キロ

初戦のサランクスから第2戦のエカテリンブルクからは直線距離で約1000キロ、エカテリンブルクから第3戦のヴォルゴグラードは約1400キロ離れており、グループリーグでは約2400キロの移動となる。

続いては日本の対戦相手となる3カ国をそれぞれ紹介していきます。
ちなみにFIFAランクを見てもわかるとおり、いずれのチームも日本より格上で、グループリーグ突破は簡単ではありません。したがって、山ほどある日本にとってのネガティブな要素は一旦横に置いておき、それぞれのチーム紹介の最後には「(日本にとって)前向きな展望」を紹介しておきます。

第1節はコロンビア(6月19日21時キックオフ)

前回大会8強 日本とは過去2勝1分けで負けなし

監督はホセ・ペケルマン(アルゼンチン)。W杯過去最高成績は8強(14年)。南米予選は7勝6分け5敗(21得点19失点)。前回大会をケガで欠場したエースFWファルカオ(モナコ)がフランスリーグで“完全復活”。今季レアル・マドリードからバイエルン・ミュンヘンに移籍したMFハメス・ロドリゲスも健在。前大会に続いて指揮をとる智将の手腕には要注意。日本とは過去3戦し2勝1分けで負けなし(W杯では1勝)
ハメス・ロドリゲスをトップ下に置く4―2―3―1を基本に、状況に応じた柔軟な対応を見せる。一方、同予選18試合19失点と乱れたC・サパタ(ACミラン)を中心とする最終ラインが不安要素か。
▽日本との対戦成績
対戦成績(日本側から見て):1分2敗
2014.6.24 ●1-4 ブラジルW杯[クイアバ(ブラジル)]
2007.6.5 △0-0 キリン杯 [埼玉]
2003.6.22 ●0-1 コンフェデレーションズ杯 [サンテティエンヌ(フランス)]

日本にとっては前回大会のリベンジマッチ

運命の第1戦の相手は、“因縁”のコロンビアになった。
前回のブラジルW杯グループリーグ最終戦。日本はわずかに決勝トーナメント進出の可能性を残してコロンビアと対戦したが、1-4で惨敗し、1分2敗のグループ最下位で敗退が決まった。

初戦の対戦相手となるコロンビアとは前回大会で対戦し、エースのハメス・ロドリゲスにループシュートを決められるなどして惨敗。今大会でも対戦相手に決まったことで、各記事には「因縁の相手」「雪辱」「リベンジ」といった文字が踊っています。
また、日本代表のDF長友佑都も自身のTwitterでコロンビアへの「リベンジ」に言及しています。

注目選手その1 MFハメス・ロドリゲス

前回大会の得点王。今年はドイツ・ブンデスリーガの強豪バイエルンに移籍して復調の兆しを見せています。

J・ロドリゲスは前回のブラジル大会で5試合に出場し、日本戦での華麗なループシュートを含む6ゴールを挙げて得点王に輝いた。決勝トーナメント1回戦のウルグアイ戦で決めた豪快なボレーシュートは、ファン投票による大会最優秀ゴールに選ばれていた。
ブラジルW杯後にレアル・マドリーにステップアップを果たしたハメス・ロドリゲスだが、その才能を発揮した期間もあったものの、思うように出場機会を得られず、今夏バイエルンにレンタルで旅立った。そのバイエルンではケガの影響で出遅れたが、持ち味の攻撃センスや左足のテクニックを武器に本来の輝きを取り戻し始めている。

注目選手その2 FWラダメル・ファルカオ

2014年1月に左ヒザ前十字じん帯を損傷する重傷を負い、前回大会を欠場したエースストライカーのファルカオ。ケガの影響でしばらく低迷していたものの、昨シーズンは所属するモナコ(フランス)で公式戦43試合30ゴールを記録し、「完全復活」を遂げたといわれています。

前回大会を左膝じん帯断裂のため欠場したFWファルカオ(モナコ)は、マンチェスターU、チェルシーでの低迷期を乗り越えて全盛期の決定力がよみがえった。昨季公式戦43戦30得点、欧州CLは10戦7ゴールを挙げてモナコの13季ぶり4強入りの原動力となった。

コロンビア代表監督、警戒する選手は「本田圭佑」

ペケルマン監督は「W杯出場国を相手にするのは簡単なことではないと心得ている。大きな喜びはない。同グループの国はそれぞれの特徴を持っている」とコメントした。日本で警戒する選手には「本田圭佑」の名前を挙げている。

ハリル監督「南米独特のスタイルを持ちレベルが高い」「キーとなるのは初戦」

「南米独特のスタイルを持ちレベルが高い。フィジカルが強く、厳しいデュエルで戦ってくる。本当に素晴らしいチームだ。こちらもアグレッシブなデュエルの質が求められる。ファルカオとかロドリゲスなど何人かワールドクラスの選手もいる」
「コロンビア戦がキーとなる。本当に偶然なのだが、数日前に(コロンビア戦の)映像を見た。日本にとっては前回大会のリベンジのチャンスだ」

前向きな展望…「隙がある」「南米予選では苦労」

初戦であることと、相手が日本戦を4年前に経験していることにコロンビアにとっての“魔物”が潜む。
日本は、リベンジという高いモチベーションを持てるが、コロンビアには、「日本はこんなもの」という余裕という名の油断が生まれ、しかも、グループリーグ突破の先を見据えるチームだけに開幕戦にはチーム状態をコンディションも含め100パーセントに仕上げてこない可能性が高い。
そこに隙がある。
3年前の結果からハリルジャパンに自信満々で臨んできそうであるけれども、油断してくれたほうがつけいる隙はあるかも。南米予選では結構苦労していて、ストレート突破できるギリギリの4位通過。5位通過のペルーと最終戦で直接対決し、敵地で1-1と引き分けて滑り込んでるのです。

第2節はセネガル(6月25日0時キックオフ)

FIFAランクはアフリカ勢トップ 日本とは過去3戦して負けなし

監督はアリウ・シセ(セネガル)。W杯最高成績は8強(02年)。アフリカ最終予選では主審八百長疑惑による異例の再試合制し突破(3勝2分け)。FWマネ(リバプール)とFWケイタ(モナコ)が形成する両ウィングは破壊力抜群。DFクリバリ(ナポリ)とDFカラ(アンデルレヒト)のCBコンビも強力。日本とは過去3戦して2勝1分け(W杯では初対戦)。
▽日本との対戦成績
対戦成績(日本側から見て):1分2敗
2003.9.10 ●0-1 キリンチャレンジ杯[新潟]
2001.10.4 ●0-2 国際親善試合 [ランス(フランス)]
1987.5.27 △2-2 キリン杯 [広島]

アフリカ最終予選を無敗で突破 伸びしろ十分のタレント軍団

現役時代にパリ・サンジェルマンやイングランドの複数クラブで活躍してきた41歳の若き指揮官の下、[4-3-3]の攻撃的なフットボールを志向するチームは、アフリカのチームらしい、雑さはあるものの高い身体能力とテクニックを併せ持つ若手プレーヤーを中心に伸びしろ十分のチームだ。

注目選手 FWサディオ・マネ

セネガルの注目選手筆頭は、イングランド・プレミアリーグのリヴァプールで活躍するマネ。驚異的な身体能力とスピードに加えてテクニックも備えていて、2016-17シーズンのプレミアリーグ年間ベストイレブンにも選出されたトッププレイヤーです。

2016年に加入したリバプールで持ち味の快足、創造性溢れるテクニックを武器に攻撃の主軸を担う。昨季終盤からはややケガに悩まされているものの、アフリカ最終予選では絶妙なアシストでゴールを演出するなど、さすがの活躍を披露している。
▽リバプールではコウチーニョやサラーと共に“使う”、“使われる”という形をうまく織り交ぜられているが、いまひとつメンバーを固定し切れていない代表チームでは、ケイタやニアン、サールといった後輩たちを生かすためによりゲームメーカーとしての役割を担っている。

なお、マネは2014~16年にサウサンプトンに所属していて、日本代表のDF吉田麻也とチームメートでした。

ハリル監督「非常に身体能力が高い。空中戦は注意」

前回大会では同じアフリカ勢のアルジェリアを率いていたハリルホジッチ監督は「セネガルはよく知っている」として次のように語っています。

「非常に身体能力が高い、スピードもパワーもあり、2メートル近い選手もいる。特に空中戦は注意だ」

前向きな展望…「リズムを乱せば空中分解も」「アフリカ勢とは相性が良い」

一度、調子に乗せると、手がつけられなくなる。しかし、チームとしての組織力、統率力には欠ける。彼らをイラつかせ、そのリズム、テンポを乱せば、空中分解してしまうこともあり得るのだ。
中盤でボールを奪うことができれば、ショートカウンターのチャンスは作ることができるだろう。コロンビア戦よりも、その時間は多いと思う。そのワンチャンスを決めきらねばならない。FW大迫勇也(ケルン)の出来がカギを握る。またFW浅野拓磨(シュトゥットガルト)らのスピードもうまく使いたい。
勝ち点「3」の勝算は立つ。
エースストライカーのマネは、DF吉田とサウサンプトン時代の元チームメートなので対処法は熟知しているはず。またアフリカ勢とはW杯本大会で通算3戦2勝1敗と比較的相性が良いのも心理面で自信となりそう。

第3節はポーランド(6月28日23時キックオフ)

W杯では3位が2回の実績 日本とは過去2戦2敗

監督はアダム・ナバウカ(ポーランド)。W杯最高成績は3位(74年、82年)。欧州予選は8勝1分け1敗(28得点14失点)。予選最多16得点を挙げたFWレバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)が大黒柱。MFブワシュチコフスキ(ボルフルスブルク)とDFピシュチェク(ドルトムント)がいる右サイドは強力。日本とは過去2戦して2敗(W杯では初対戦)。
▽日本との対戦成績
対戦成績(日本側から見て):2勝
2002.3.28 ○2-0 国際親善試合 [ウッジ(ポーランド)]
1996.2.19 ○5-0 カールスバーグ杯 [香港]

FIFAランク7位 攻守にバランス取れた好チーム

[4-4-2]、[4-2-3-1]のシステムを併用するバランス型のチームは、組織的な守備と素早い攻守の切り替えを軸としたトランジションスタイルのフットボールを志向している。

下の記事では、ポーランド人とのハーフでEURO2016の予選からポーランド代表の公式戦すべてを観ているという記者が、ポーランド代表の中心選手の特徴からチームの「一番の穴」までガッツリと紹介しています。

ポーランドでプレーする元代表・松井大輔「過大評価されているチーム」

今季ポーランドリーグでプレーしている元日本代表MF松井大輔は、FIFAランク7位のポーランドについて「過大評価されているチーム」と分析しています。

現在のFIFAランクについても「7位ですか。高いと思うが、ポーランド国内でも『7位じゃないでしょ』という雰囲気はたぶんある」としたうえで
「過大評価されているチームだと僕は見ている。個々のポテンシャルはすごく高い。だから(欧州予選を)勝ち上がってきた。簡単ではないと思うけど、勝てないことはないと僕は感じる」
と日本の勝機を示した。

注目選手 FWロベルト・レヴァンドフスキ

「ポーランド史上最高のプレーヤー」「世界屈指のセンターFW」「ゴールマシン」などと称されるレヴァンドフスキは、185cmの長身と足元のテクニックを兼ね備え、両足から放つ正確なシュート、味方を生かすポストワークとパスが持ち味の万能型FWです。

チームをけん引するのはFWレバンドフスキだ。欧州予選では最多の16得点をマークし、10月のアルメニア戦ではハットトリックを達成。同国代表通算最多得点を上回る51得点をマークした。
スピードだけでなく、足元のプレーも上手く、右足でも、左足でも正確にシュートを打てる。高さがあるから、ヘッドも使え、ポストに入ると、ディフェンスラインの裏も取れるという厄介なオールラウンダーである。それだけにディフェンス側は、どこをどうケアするかが、絞りにくい。ディフェンスを最も悩ませるタイプのストライカーだ。

なお、レヴァンドフスキは2010~14年に所属していたドルトムント時代に日本代表のFW香川真司とチームメートでした。ポーランド代表の中心選手には、ほかにも香川のチームメートや元チームメートがいます。

右サイドのMFブワシュチコフスキ、DFピシュチェクのサイドアタックからエースFWレワンドフスキが決めるのが必勝パターン。3人はMF香川真司とともにドルトムント(ドイツ)で10―11、11―12季の連覇を成し遂げた。

元代表GK「日本はよくわからない」と日本を蚊帳の外に

現役時代にフェイエノールトやリバプール、レアル・マドリーでプレーした元ポーランド代表GKのイェルジ・デュデク氏がロシア・ワールドカップ(W杯)のグループステージ組み合わせに言及した。
抽選結果について、次のように言及。日本を蚊帳の外に置くかのような発言を残した。
「我々はまだ日本のことをあまりよくわかっていない。我々にとって、重要な2試合が待っている。セネガルとコロンビアは難しいライバルだ。その2試合(の結果)が勝ち上がりを左右するだろうね」

一方、地元メディアは「侮れない相手」「予測できない相手」などと紹介しています。

ハリル監督「非常に厳しい相手」

「個人の能力としては、レワンドフスキは世界でも有数の選手。キャプテンでもありゴールゲッターでもある。彼に左右されるチームだ。チームとしてはパスをつなぐ技術もあるし良いゲームをする。セットプレーにも注意が必要だ」
「世界でもNo.1と言われるゴールゲッターのレワンドフスキを用いて、また別のスタイルのサッカーを見せる。非常に厳しい相手」

前向きな展望…「守備に不安あり」「マッチアップ経験者は豊富」

ポーランドは欧州予選10試合で14失点とディフェンスに不安を持つ。ドルトムントでプレーしているディフェンダーのウカシュ・ピシュチェクは32歳で、前には強いがスピードがなく右膝を故障している。日本の攻撃陣が連動して揺さぶれば、得点チャンスは作れるだろう。
ドイツでプレーしている選手が多く、日本の海外組で最も所属先が多いのもドイツ。日本代表にとってブンデスリーガは第2の地元リーグみたいなもので、欧州NO1ストライカーの1人とされるレワンドフスキ(バイエルン)とのマッチアップ経験者は豊富。すごいストライカーですけど。ま、他の選手も同様で、先日のブラジル戦のように“立ち合い”で驚かされるようなことはないはず。

グループリーグ各組の展望

グループA

グループA
ロシア 2大会連続11回目
サウジアラビア 3大会ぶり5回目
エジプト 7大会ぶり3回目
ウルグアイ 3大会連続13回目

ウルグアイが頭一つ抜ける

このグループではウルグアイが頭一つ抜けている。就任12年目を迎えるオスカル・タバレス監督の下、過酷な南米予選を2位で突破。過去2大会は2010年にベスト4、2014年にベスト8の成績を残しており、FWルイス・スアレス(バルセロナ)、FWエジソン・カバーニ(パリSG)の2枚看板が実力を発揮できれば、決勝トーナメント進出は堅い。

「最も“死の組”ではない」グループ

強豪がひしめく「死の組」をFIFAランクの平均値から判断する記事がいくつかあります。その基準で考えると、開催国のロシア(65位)がトップシード扱いで入って平均が45となり、「最も“死の組”ではない」組になったのがグループAです。

ちなみに、開幕戦の「ロシアvsサウジアラビア」はFIFAランク“最下位”対決となります。

開幕戦は、開催国のロシア代表とサウジアラビア代表に決定。FIFAランキングはそれぞれ65位と63位で、出場32カ国の中で最下位2チームによる対決となった。

グループB

グループB
ポルトガル 5大会連続7回目
スペイン 11大会連続15回目
モロッコ 5大会ぶり5回目
イラン 2大会連続5回目

“隣国のライバル”ポルトガルとスペインが初戦で激突

注目の対戦カードはポルトガルvsスペイン。FIFA最優秀選手賞5度受賞の「世界最高の選手」クリスティアーノ・ロナウドを擁してEURO2016を制したポルトガル(FIFAランク3位)と、2008~12年にかけてのEURO連覇とW杯優勝という実績、そこからの一時の低迷期を乗り越えつつある“無敵艦隊”スペイン(6位)。このイベリア半島のライバル同士が初戦で激突します。

最初に会場がざわついたのは、ポット(シード)2のスペインがB組に入った時だった。ポット1のポルトガルが既に決まっており、隣国同士が同居することになった。欧州王者ポルトガル、2大会ぶりの優勝を目指すスペインが大会2日目に激突する。

グループC

グループC
フランス 6大会連続15回目
オーストラリア 4大会連続5回目
ペルー 9大会ぶり5回目
デンマーク 2大会ぶり5回目

優勝も狙えるフランスの首位通過が濃厚

FWアントワーヌ・グリーズマン、オリヴィエ・ジルー、MFポール・ポグバ、DFラファエル・ヴァラン、GKウーゴ・ロリスといったタレントが各ポジションにそろい、1998年大会以来のW杯制覇も視界に入るフランスが「一強」と呼べるグループです。

グループCはフランスの首位通過が濃厚で、2位をFIFAランキング10位のペルーと、序盤でつまずいたもののプレーオフを含めた予選の最後の9試合を無敗でしのぎ、プレーオフ第2戦でアイルランドから5点を奪い本大会の切符を手にした同ランク19位のデンマークが争う展開となる。

一方で「死の組」という見方も

先述したように、FIFAランクの平均値を参考にして「死の組」を判断する記事ではグループCが「最も過酷」と評されています。

数字だけを見て“死の組”を決めるのであれば、グループCがそれに相当するかもしれない。フランスを筆頭に、ランキング20位以上の国が3カ国もあり、2位争いは熾烈を極めそうだ。

グループC
・フランス(9位)
・オーストラリア(39位)
・ペルー(11位)
・デンマーク(12位)
最も過酷なのはC組。初優勝した98年の自国大会で主将を務めたフランスのデシャン監督(49)も苦笑いした。南米のくせ者ペルー、欧州予選12試合11得点のMFエリクセン(トットナム)擁するデンマークは難敵。1位突破が保証されているわけではない。
フランスの大会になる可能性もある。06年ドイツW杯からの3大会は「死の組」を1位突破したチームが優勝している。

グループD

グループD
アルゼンチン 12大会連続17回目
アイスランド 初出場
クロアチア 2大会連続5回目
ナイジェリア 3大会連続6回目

首位通過を狙いたいアルゼンチンだが…

ポルトガルのC・ロナウドと並び称される「世界最高の選手」リオネル・メッシを擁し、前回大会では準優勝の好成績を収めたアルゼンチン。1986年大会以来の優勝を狙うには、決勝トーナメント1回戦での強豪との激突は避けたいところ。隣のグループCで同じく優勝候補のフランスが首位通過濃厚とされているだけに、アルゼンチンも首位で通過したいところですが…

最終戦のメッシのハットトリックにより南米予選をなんとか突破したアルゼンチンがグループリーグを首位通過するのは容易ではない。
その初戦の相手は初出場アイスランドだ。
アイスランドは同じく初出場したEURO2016で、東京都新宿区と同程度の人口の小国でありながらイングランドを破るなど、堂々の8強入り。今大会の台風の目になる可能性を十分に秘めている。

もはや運命か…ナイジェリア、6大会中5回アルゼンチンと同組

これまでW杯本大会に6回出場しているナイジェリア代表は、そのうち5回も同じ代表国と同じグループに入っているという。その国とは、アルゼンチン代表だ。1998年のフランス大会をのぞき、強豪国であるアルゼンチン代表と何度もグループリーグでしのぎを削ったのだ。(1994年、2002年、2010年、2014年、2018年)

グループE

グループE
ブラジル 21大会連続21回目
スイス 4大会連続11回目
コスタリカ 2大会連続5回目
セルビア 2大会ぶり12回目

6度目の栄冠に向けて視界良好なブラジル

地元開催となった前回大会でFWネイマールを欠いて臨んだドイツとの準決勝で1-7と惨敗したブラジルにとって、今回は雪辱を期す大会。グループリーグ突破は確実視されている一方、気を抜いて勝ち点を取りこぼしてしまうと、決勝トーナメント1回戦でドイツと当たってしまう可能性も。

今回の南米予選でも序盤は苦戦したセレソンだが、チッチ監督の就任により復調し、首位でのW杯一番乗りを決めた。注目はもちろんネイマールだが、MFコウチーニョやFWガブリエル・ジェズスなどタレントが揃い、グループリーグ突破は確実とみられている。
グループEでスイス、セルビア、コスタリカと同組のブラジルは、6度目の栄冠に向けて視界は良好だが、万が一2位になった場合、決勝トーナメント1回戦でドイツと戦う可能性が高くなる。

グループF

グループF
ドイツ 17大会連続19回目
メキシコ 7大会連続16回目
スウェーデン 3大会ぶり12回目
韓国 9大会連続10回目

もうひとつの「死の組」ながらもドイツが大本命

グループFも強豪ぞろいである。FIFAランク1位のドイツはもちろん、中南米の強豪であるメキシコと、W杯欧州予選プレーオフでイタリアを下したスウェーデンも同居している。

グループF
・ドイツ(1位)
・メキシコ(16位)
・スウェーデン(18位)
・韓国(59位)
このグループが今大会の“死の組”かもしれない。前回王者のドイツは、コンフェデレーションズ杯で若手を起用し、初優勝を果たした。その後もヨアヒム・レーブ監督のもと、代表常連組と若手の融合が進められ、着実に戦力アップしてきている。グループリーグ突破は確実とみられているが、『コンフェデ杯王者はW杯で優勝できない』というジンクスがあるだけに、どこまで勝ち進めるか注目が集まる。

韓国にとっては「最悪の組」

グループFは、最後の2択で日本が入る可能性もあった組。韓国の地元紙では「最悪の組」などと呼ばれているようです。

第4ポットの抽選で最後に残った2カ国は韓国と日本。元イタリア代表DFのカンナバロ氏が引いたくじが、両国の運命を大きく分けた。最初に選ばれた韓国はF組に入り、朝鮮日報(電子版)は「死の組」と表現。中央日報(同)は「韓国は“いばらの道”、日本は“幸運の組”」と、残りくじとなり最後のH組に入った日本との対比を伝えた。
『スポーツソウル』は「(ドイツ、スペイン、ボリビアと同組だった)1994年大会に匹敵する、『最悪の組』に入った」と報道。「1分2敗だったが、ロシア、アルジェリア、ベルギーと同組だった前回とは180度違う、最悪で険しい道のりが予想される」と悲観的に伝えている。

グループG

グループG
ベルギー 2大会連続13回目
パナマ 初出場
チュニジア 3大会ぶり5回目
イングランド 6大会連続15回目

「2強2弱」か…ベルギーとイングランドの突破が有力

複数の記事でベルギーとイングランドのグループリーグ突破が当たり前のことのように書かれていて、「2強2弱」の構図になっているようです。

グループリーグ突破はベルギーとイングランドの2か国が有力だろう。
アメリカを上回ってW杯初出場をつかみ取ったパナマ、3大会ぶり出場のチュニジアにとっては厳しいグループとなった。だが、ベルギーとイングランドに善戦すれば、前回大会でイングランドを敗退に追いやったコスタリカのように、台風の目になる可能性はある。