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ChatGPT登場後に仕事急増も単価はダウン? 買いたたかれる「ビデオ編集」スキルの今後

ITmedia NEWS / 2024年5月2日 9時23分

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 ChatGPTをはじめとするAIの登場で、メディアではなくなる仕事・なくならない仕事といった特集が組まれた。だが昨今はこうした記事を見かけないのは、まだ具体的にAIの影響が観測できないからだろう。

 そんなAIの爆心地ともいえる米国で、フリーランス500万人に対して、生成AIの登場がフリーランスの労働市場にどのような影響を与えたかといった調査が発表された。リサーチしたのは、労働市場動向などの分析を得意とするBloomberryで、元データは世界最大級のアウトソーシングサイトUpworkが公開した求人データである。

 ChatGPTのリリース1カ月前の2022年11月と、普及した2024年2月を比較した調査となっている。詳細はオリジナルサイトを見ていただきたいが、パッと見て圧倒的に仕事量が減っているのが、「ライティング(文筆)」だ。それに「翻訳」や「カスタマーサービス」が続く。これは言語系の処理がまず大きな影響を受け、続いてカスタマーサービスの入り口がAIチャットに変わっていったという様相を表している。

 その反対に、「突出」といった格好で増えているのが、「ビデオ編集・制作」だ。39%という大幅な伸びを見せているが、分析でもなぜChatGPTの登場でビデオ編集・制作が伸びたのか、はっきりとした因果関係は示されていない。

 ビデオ編集とAIという事では、Adobe Premiere ProにAI機能が搭載され、動画の中のトークを文字起こししたり、文字を編集すれば映像も編集されるといった機能が登場した。これの影響かとも考えたが、文字起こし機能が搭載されたのは2021年である。さらに文字起こしベースで編集できるようになったのは2023年10月のことで、2022年12月からの需要増加とはタイミングが一致しない。

 そもそもこの機能はChatGPTによってもたらされたものではなく、AdobeのAI技術によるものだ。ChatGPTの実装については、4月のNAB 2024で発表されたばかりであり、この調査段階ではまだ発表されていない。

 もともと映像コンテンツの需要増は、2020年初頭の世界的パンデミック発生後、同年夏ぐらいには発生していた。これまで面会や訪問による営業活動ができなくなり、ライブストリーミングで営業を行うというスタイルに変わっていったからだ。

 そしてこうしたオンラインによるプレゼンやミーティングは長期化、あるいは定着すると分かってきた翌年2021年には、ライブではとてもやりきれない込みいった解説や、毎回使い回せる説明は、別途動画を作って共有するようになっていた。ライブではないビデオ編集・制作の需要も、すでに2021年頃には増加傾向にあった。

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