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NHK大河『光る君へ』の平安のモテ男役に33歳のLDH俳優が抜擢されたワケ。容姿だけではない資質とは/2024年2月トップ5

女子SPA! / 2024年3月26日 15時47分

 そんな感じだから、女子からの恋文を読んで、「歌はうまいが、顔がまずい」と平然と言ってのける。

 この公任役に導かれながら、さらなる妄想が豊かに広がる。公任と町田、両者のファンである筆者は、町田扮する公任こそが、大河ドラマ史上最強なのだという説を唱えたくなった。

 よし、勢いづいた。こうなればチャンス到来。今こそ、一矢報いることができようぞ。さまざまな和歌集で名歌が紹介されている公任だが、例えば、『新古今和歌集』に収められたこの一首はどうだろう?

◆公任がモテる秘密

「ほどもなく覚めぬる夢のうちなれどそのよに似たる花の色かな」

 これは藤原兼家(段田安則)の策略で、在位2年の短期政権に終わった花山天皇(本郷奏多)のことを歌った一首。まるで夢のような政権だったけれど……と、その治世と天皇に対する同情を込めている。

 人の心を叙情的に表現する公任がもし作詞家だったならこの令和でもきっとミリオンヒットを飛ばすに違いない。公任が編纂した『和漢朗詠集』はさながらベストヒット歌謡アルバムみたいな感じか。しかも公任、作詞ばかりか管弦の才にも優れた楽器奏者だった。

 当時は、漢詩(からうた)をリズムに合わせて歌う朗詠が、歌謡として流行っていた。この朗詠の音楽的感覚が公任の和歌に流れ、それが何よりモテる秘密。広く人々の琴線にふれる公任の歌に共感した多くの女性たちが、こぞって恋文をしたためたのだ。

◆『光る町田君へ』と改題

 ただやっぱり、こうした公任の音楽的感覚ですら、塚本の批評眼の前では、「それ以上の面白みはない」という評価になってしまう。ならば、公任その人を語るのではなく、町田啓太フィルターをかけた公任を徹底的に見つめることに方向転換しようと思う。

 平安貴族がほんとうに町田のようなイケメンだったかはよくわからないが、すくなくとも本作の公任役には町田しか考えられない。今や劇団EXILEの代表的な俳優だが、もともとはGENERATIONSのメンバー候補でもあった。

 同グループ時代に磨いたダンスや音楽(管弦)、『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』(NHK総合)での博学な超解説ぶり(知識人)、天性のモテをにじませるつややかさは、うまい歌を詠めなければモテなかった平安貴族の必須能力も軽やかにクリアする。

 平安貴族が持つべき素養や才能が、令和を生きる町田にもそのまま備わっているのだ。町田が演じることで公任の完全無欠さが強調される。まさに最強説が強化。

 光源氏役に適役だと評判なわけだし、本作のタイトルをもはや「光る町田君へ」と改題したらどうだろう?

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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