視聴率・満足度は? 2018年秋ドラマ中間チェック

2018年11月22日更新

2018年10月にスタートしたばかりと思っていたら、すでに後半戦に突入している2018年の秋ドラマ。視聴率が好調な作品や逆に不調な作品、低視聴率ながらネットで話題になっている作品などをピックアップして紹介します。

『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)

本作は、弁護士資格を剥奪された小鳥遊翔子(米倉)が、ペーパー弁護士の大学教授に法律事務所を開かせ、スカウトしたワケあり弁護士やパラリーガルをこき使いながら、様々な訴訟に身を投じる姿を描く。

秋ドラマ視聴率トップ

第5話までの平均視聴率は16.2%

天才外科医から元弁護士に役どころが変ったが、やはり米倉涼子は強かった。きのう15日(2018年11月)放送の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系木曜よる9時)は前回よりも下がったが、全話視聴率で16・2%と秋ドラマのトップに躍り出た。また、2話目の18・1%はいまだ最高視聴率だ。

ただこの記事では、20%超えを連発していた『ドクターX』シリーズを引き合いに出して「16%台では物足りない」としています。
なお、第1話からの視聴率推移は15.0%、18.1%、15.9%、16.5%、15.4%となっています。

高満足度の要因は「安心感」と「スピード感」

『ドクターX』を踏襲しているからこその安心感

テレビの視聴状況を調査しているエイト社「テレビ視聴しつ」の10月度満足度調査によると…

「ドクターXとかぶる部分もあるが、テンポもよく面白い」(55歳女性)、「THE米倉涼子。大門未知子とキャラは同じでも違和感がなく、もちろん内容も面白い」(48歳男性)、「米倉さんは期待を裏切らない」(56歳女性)など、「ドクター…」の良い部分を踏襲しているからこそ安心感が生まれ、満足度は4・00(5段階評価)と高満足度の基準3・7を上回る高数値を記録している。「スピード感があっていい」(52歳女性)、「一話ごとにガンガン進んでいく感じが爽快」(48歳女性)など、スピーディーで爽快なストーリー展開も高満足度の要因となっている。

一方で『ドクターX』との“違い”が新鮮な印象に

『リーガルV』は、『ドクターX』で一匹狼として巨大組織と戦ってきた米倉さんが、今度は「自らチームを作って巨大組織と戦う」という差別化の意味も見逃せません。視聴者にとっては、「弁護しない元弁護士」に加えて、「チームで戦う」というダブルの差別化があるため、新鮮な印象があるのです。

「弁護士ドラマなのに主人公が弁護しない」異色の作風

米倉さんの演じる役柄は、『ドクターX』が外科医だった一方、『リーガルV』は“元”弁護士という設定。大門未知子は外科医として手術を見せ場にしていましたが、元弁護士の小鳥遊翔子は見せ場であるはずの法廷で弁護するシーンはありません。その代わりに、弁護士の青島圭太(林遣都)や京極雅彦(高橋英樹)、パラリーガルの馬場雄一(荒川良々)、伊藤理恵(安達祐実)、茅野明(三浦翔平)を操って問題解決に挑む姿が好評を博しているのです。
つまり、「弁護士ドラマなのに主人公が弁護しない」という異色の作風がウケているということ。

第4話の放送延期で大騒ぎ

プロ野球日本シリーズの中継延長で放送休止に

11月1日に放送予定だった第4話が、プロ野球日本シリーズ第5戦の中継延長のため放送延期となり、視聴者からは悲しみの声や怒りの声が上がりました。

放送中止を受け、ネット上では怒りの声が続出。ツイッターのトレンド1位に入るほどの反響を呼んだ。野球の試合延長で後番組の放送時間がずれ込むことは珍しくないが、中止というのはファンにとってはショックだろう。
「久しぶりに迷惑な野球中継で、野球って嫌いだわって再認識した。お休みが悪いんじゃなくて、延長、延長で待たせておいて、結果、放送ないってとこにみんな怒ってるんじゃないの? 最初から野球の枠取っとけよ」
「録画したの観ようと思って楽しみにしてたのね、けど仕事終わってTwitter開けて飛び込んできた休止という事実に…。プラスにね、考えればもう一週間延びるって…けどね、今生きる唯一の楽しみが…悲しみ」

放送休止の告知が遅すぎた?

テレ朝から野球の延長によりドラマ中止が発表されたのは21時45分のこと。
遅すぎる中止宣告と、そもそもプロ野球中継に延長は付き物であることから、リーガルVファンによるクレームと不満の書き込みがネットニュースやツイッターにおいて凄まじい勢いで氾濫する事態となった。
21時45分に伝えたことで、45分間にわたって“リーガルVファン”に野球中継を鑑賞させることに成功したという意地悪な解釈もできますね。実際、ネット上でも『楽しみにして待ってたのに』『視聴率主義のダサい手段。休止なら予め知らせるべき。やり方が姑息すぎる』『急に休止って言われてもドラマを待ってたファンに失礼では?』『リーガルVを早々と野球中継で中止にしたらチャンネルを合わせる人がいなくなるので期待を持たせておく手段でしょ』という反発の声が続々と集まっていますよ

「テレ朝の絶妙な戦略」という見方も

「日本シリーズの放送延長後に放送されたTBS系の『中学聖日記』や日本テレビ系『獣になれない私たち』などは、いずれも前週より視聴率がダウンしています。『リーガルV』も放送していれば、大幅に視聴率がダウンする可能性もありました。テレ朝が放送しなかったのは、“高視聴率ドラマ”の肩書きを維持したいという思惑もあったのではないでしょうか」(芸能記者)

『相棒 season17』(テレビ朝日系)

前シーズンで放送300回を突破した看板刑事ドラマの第17弾。4シーズン目となる杉下右京(水谷)と冠城亘(反町隆)の相棒コンビに2人を恨んでいる青木年男(浅利陽介)が加わった“新生”特命係が難事件解決に挑む超人気シリーズだ。

視聴率は『リーガルV』に続く2位

第6話までの平均視聴率は16.0%

第6話の平均視聴率が16・4%だったことが22日分かった。
初回は17・1%で好発進し、第2話も17・9%、第3話15・6%、第4話15・2%、第5話は13・6%と推移。今回は2・8ポイントアップし、高視聴率をキープした。

第6話までの全話平均視聴率は16.0%で、『リーガルV』との差はわずか。テレ朝の2作による激しいトップ争いとなっています。

序盤は秋ドラマ1位

初回視聴率17.1%は秋ドラマの中でトップ。11月12日配信の記事ではまだ「トップ」でしたが、その後、失速気味に。ただ、第6話では2.8ポイントアップと大幅に盛り返しているので、今後のトップ争いに注目です。

10月スタートの民放連続ドラマが概ね折り返し地点を迎えた。ここまでの全話平均視聴率トップは、4話平均で16.6%となっている水谷豊主演の『相棒 season17』(毎週水曜21:00~)、2位は16.4%の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(毎週木曜21:00~)と初回視聴率に引き続き、テレビ朝日のドラマがトップ2を占めた(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区 ※以下同)。

「シャブ山シャブ子」が大きな話題に

「トラウマになる」「ヤバすぎ」とネット騒然

11月7日に放送された第4話に「シャブ山シャブ子」という強烈なキャラクターが登場し、「演技が怖すぎて話の内容が全く入ってこない!」「これはトラウマになる…」とネット上が騒然となりました。

シャブ山シャブ子は名前の通り覚醒剤中毒者で、髪はボサボサ、目の焦点があっておらず、服もタンクトップに短パンと明らかに異様な雰囲気の女性だ。番組終盤に登場し、日中の公園で電話している生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)にフラフラと近づいてきて、右手に持っていたハンマーでいきなり百田を襲撃する。何度も殴って百田を殺した直後、発狂したように「ワハハ!」と奇声を発しながらうろついた。

放送後「シャブ山シャブ子」がトレンド入り

取り調べでは43歳の主婦なのに「シャブ山シャブ子です! 17歳です!」と絶叫。幻覚に取り憑かれたかのように髪を振り乱す怪演が《パンチが強すぎて怖い》《とにかく強烈》とTwitter上でも話題を呼んだ。Twitterではトレンド1位にもなり、多くのネットニュースでも取り上げられている。
放送直後から「ジャブ山シャブ子死ぬほど怖かった…」「シャブ山シャブ子のせいで最後のほう全然頭に入ってこなかった」「出演自体は1分くらいなのに、絶対に忘れられない」など反響が続々。トレンドワードの上位にも入り、角田課長役で出演する山西惇も「シャブ山シャブ子、トレンド入り!?」とつぶやくなど、大きな盛り上がりを見せている。

「偏見を助長する」「人権侵害」といった批判も

ネットが盛り上がった一方で、シャブ山シャブ子による薬物依存症者の描写について専門家などからは異論や批判の声が上がっています。

精神科医の斎藤環氏(57)はTwitterで《リアリティは欠片もなくただのゾンビ風演技》《露骨なヘイト表現》と批判。同じく精神科医の松本俊彦氏(51)もFacebookで《こんな患者に出会ったことはない》《偏見と差別意識を強化している》と強く非難した。
放送後には「こんな薬物依存症者はいない。間違った印象を植えつけるし、薬物依存症者に対する人権侵害」と「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏がツイッターに投稿。ネット上には同様の書き込みが医療関係者から多数あがった。

ついには衆議院の厚生労働委員会で取り上げられるまでに。

14日に開かれた衆院厚生労働委員会で、根本匠厚労相が薬物依存症患者について「正しい理解の普及に努めたい」と言及する一幕があった。テレビ朝日の人気刑事ドラマ「相棒」シリーズで、薬物依存症の女性が人を殺害するシーンが放映されたことに関連した野党議員への質問への答弁。

『ドラえもん』との異色コラボに大反響

『ドラえもん』世界で『相棒』が劇中劇として展開

2018年11月9日、テレビ朝日系で放送された「ドラえもん」(毎週金曜、19時)に、同局の人気ドラマ「相棒」の杉下右京(役=水谷豊さん)、冠城亘(役=反町隆史さん)が登場した。
「番組宣伝」(=番宣)としては、異色のコラボ。これが、ネット上でも話題となっている。
9日放送の「ドラえもん」は、なんと「相棒」とのコラボが実現。タイトルは「あい棒」で、ドラえもんやのび太がテレビで「相棒」を観るシーンがあり、おなじみ右京さんと冠城くんが登場。声は水谷豊さんと反町隆史さんが演じるという豪華なもの。「あい棒」でのび太とスネ夫が相棒になるというストーリー。こちらも当然のように「ドラえもん」「相棒」「右京」といったワードが『Twitter』でトレンド入りしていたようである。

『下町ロケット』(TBS系)

池井戸潤氏のベストセラー小説を原作に、阿部演じる主人公・佃航平率いる町工場「佃製作所」が困難を乗り越える様を描き、2015年10月期に平均視聴率18・6%を記録するなどヒットした連ドラの新シリーズ。
安田顕(44)、竹内涼真(25)、立川談春(52)ら佃製作所のメンバーは健在。新キャストとして尾上菊之助(41)、古舘伊知郎氏(63)らが登場する。今回、佃製作所はトラクターの部品作りに挑戦する。

視聴率は6話連続2桁キープ

秋ドラマで3番手の好調さ

第6話が18日に放送され、平均視聴率が13・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが19日、分かった。
初回は13・9%で、第2話は12・4%。第3話はプロ野球・日本シリーズ「広島×ソフトバンク第2戦」(フジテレビ、後6・30~9・54)、宇野昌磨(20)が逆転優勝したフィギュアスケート「GPシリーズ第2戦・カナダ大会」(テレビ朝日、後9・00~11・05)に挟まれ苦戦も予想されたが、両番組を上回る14・7%をマーク。その後も第4話13・3%、第5話12・7%と好調をキープしていた。

第6話までの全話平均視聴率は13.4%と、秋ドラマの中で3番手に位置しています。

安定の“濃い”出演陣

畑違いの異色キャストの配置が絶妙

阿部寛さんはじめ演技派の個性豊かな重鎮キャストが金太郎飴状態で次々と出てくるから、何だかちょっと胸焼けしちゃう時がない?
でも『下町ロケット』にはお笑い芸人さんやキャスター陣など、畑違いの異色キャストがたくさん出演していて、その辺りの配置が絶妙よね。今クールではイモトアヤコさんが重要な役で出演し始めたし、古坂大魔王さんも登場。阿部さんと互角に対峙している姿を見て、「内心はハラハラしてるんだろうなぁ」なんて思ったり。他にも今田耕司さんや恵俊彰さん、芸人さんから俳優へと転身した今野浩喜さんや中本賢さんたち。落語家の立川談春さんには毎週、泣かされるし、キャスター陣の福澤朗さんや古舘伊知郎さん、ミュージシャンの吉川晃司さんらがズラリと顔を揃えていて凄いものね。

物語を彩る“芸人バイプレイヤーズ”

多彩な登場人物が繰り広げる群像劇が見どころの本作を盛り上げる原動力となっているのは、意外にもバラエティーや舞台でおなじみの芸人たちだ。
2015年放送の第1シリーズから佃社長(阿部寛)の右腕として数々の窮地を救ってきた殿村。第4話では彼の“大きな決断”が視聴者の涙を誘った。殿村を演じる立川談春は、言わずと知れた落語立川流を代表する噺(はなし)家の一人。同じく第1シリーズからドラマのキーパーソンとして登場する弁護士・神谷を演じるのは、近年は情報番組の司会としてもおなじみの恵俊彰(ホンジャマカ)。このほかにも第1シーズンには今田耕司や春風亭昇太、バカリズムらが出演し、バイプレイヤーとしてバラエティー番組とは一味違う妙演を見せてきた。

黒い人物がゾロゾロ

今回の面白いところは、黒い人物がゾロゾロ出てくるところ。弁護士の中川(池端慎之介)、同じく金に目がくらむ弁護士の末長(中村梅雀)、ダイダロス社長の重田(古舘伊知郎)、帝国重工の曲者次期社長の的場(神田正輝)、佃製作所技術開発部の冷ややかな軽部(徳重聡)など。特にヒステリックな池端慎之介が抱腹絶倒である。

視る者の心を熱くする佃社長の名台詞

視聴者を引きつける要因のひとつに、主人公の佃製作所社長・佃航平の名台詞が挙げられそうです。その一部を紹介します。

「いつの間にか、俺は足元ばっかり見て、これはできる、これはできないって勝手に線を引くようになっちまってた。俺はまだ、夢を見ていいんだ」(第1話・佃)
「身の程知らずもいいところだ。大バカかも知れないよ。けどな、時代の先を行かなきゃ、いずれ時代に取り残される。世の中は変わるんだ。だから俺たちも変わらなきゃいけないんだ」(第2話・佃)
「世の中には理解できないことも、思うようにならないこともある。でもね、それが面白いところだし、それはそれで受け入れていくしかないんじゃないですか」(第6話・佃)

イモトアヤコの好演が話題に

上でも少し触れられているお笑い芸人のキャスト陣について、特にイモトアヤコの演技に多くの反響がありました。

1分近い長台詞や涙を流す迫真の演技

イモトはベンチャー企業、ギアゴーストの副社長・島津裕という重要な役柄を演じる。14日の初回放送では1分近い長台詞や涙を流す迫真の演技をこなした。
番宣番組によると、この涙は台本にないイモトのアドリブであることも明らかになり、ネット上には「涙のアドリブ、すごい」といった書き込みが見受けられる。

「いい味出してる」「引き込まれる」などの声

今回は天才エンジニア役でイモトさんが出演。その演技に注目が集まったが「イモトさんの演技が素晴らしく、思わずこっちも、もらい泣きしました」「イモトの演技力が何か凄い」「引き込まれる演技をする女優イモトに今後も注目だな」といった声が多数投稿されている。
2話でもイモトさん演じる天才エンジニア・島津が物語の重要なキーパーソンとなるのだが、前回に続き今回も「イモトいい感じ出してるなー」「いい味出してんなぁ」「これしかない配役」などの声がSNSに続々投稿されており、イモトさんの“女優開眼”に多くの視聴者から熱い注目が集まっている。

第6話の「TEAM NACS」共演にファン大興奮

新キャストのリーダー森崎博之と安田顕が同じ画面に

今話からスタートする「ヤタガラス編」では、無人農業ロボット研究の第一人者・野木役として、森崎博之が出演。佃製作所の技術開発部長・山崎役で出演中の安田顕との“TEAM NACS”の共演に「リーダーと安田さんが同じ画面に。胸アツ」「全国区でワンツー共演。あまりに嬉し過ぎ!」と大きな反響を集めた。
野木役の森崎は、大泉洋らが所属する演劇ユニット“ ”のリーダーとして、演劇ファンを中心に高い人気を誇る俳優だ。しかし、舞台や故郷の北海道での活動も多く、全国区のドラマに出演するのは珍しく、「全国放送で森崎さんの顔がドーンと映る時が来た!うれしい!」「我らがリーダー!!!! 初出演の今回からいきなりハラハラドキドキした…!」「かなり重要な役で出演されていて、同じチームの安田顕さんと一瞬同じ画面に映ったりして…ああ大興奮」とファンが喜びを爆発させた。

北海道では瞬間最高視聴率21.3%をマーク

北海道で人気が高い演劇ユニット「TEAM NACS」のリーダー・森崎博之(47)演じる無人農業ロボット研究の第一人者・野木博文が初登場。瞬間最高は午後9時44分~45分、野木が佃航平(阿部)に説得され、新規事業に協力することを決意する場面で21・3%をマークした。

…と、ここまでは秋ドラマ視聴率ベスト3の好調な作品を紹介してきました。4位はテレビ朝日系の『科捜研の女 season18』ということで、テレビ朝日の強さが目立ちます。
そして次のブロックからは「視聴率が思わしくなくて話題」「視聴率はともかく話題」といった作品をいくつかピックアップして紹介します。

『中学聖日記』(TBS系)

有村架純が主演を務める「中学聖日記」は、かわかみじゅんこによる同名漫画が原作。片田舎の中学校を舞台に、年上の婚約者がいながらも勤務先の学校で出会った10歳年下の中学生・黒岩晶(岡田健史)に心惹かれていく女教師・末永聖の“禁断の恋”を描くヒューマンラブストーリーだ。

視聴率は上昇傾向?

新章突入で自己最高視聴率を獲得

第7話までの視聴率推移は、6.0%、6.5%、6.2%、5.4%、6.5%、7.0%、6.3%。新章に突入した第6話で自己最高の7.0%を記録し、続く第7話では0.7ポイントダウンしたものの、サッカー日本代表の試合中継のため20分遅れでスタートしたことを考慮すると、視聴率は上向きとも言えそうです。

評判も徐々に上向きに?

序盤は酷評の嵐

中学校の教師が10歳年下の生徒と恋に落ちるという“禁断の愛”を描く作品であるため、放送開始前から厳しい声が聞こえていた本作。いざ放送がスタートしてからも悪評を伝える記事が目立ちました。

スタート時から「中学校の教員と生徒の恋愛は犯罪にならないのか」と物議を醸し、「生徒役の岡田健史くんがとても中学生には見えない」といった人物設定に対する不満や、「タイトルがAVを連想させる」という違和感まで議論百出。
有村架純主演ドラマ「中学聖日記」が爆死寸前だ。何しろ初回視聴率6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)、第2話も6.5%と絶不調。同枠前クールで綾瀬はるかが主演した“ぎぼむす”が、最終回に19.2%を記録した直後だけに低迷ぶりが際立っている。
視聴者のSNS上のコメントも酷評ばかり。第1話放送後は〈有村架純は可愛いけど、さすがに中学生と大人は気持ち悪い〉〈男女逆のパターンだったら犯罪行為でしょ〉、第2話後は〈これはもうAVじゃん〉〈地上波でAV流してるのかと思った〉と、設定や演出に対する批判が相次いだ。

有村架純がミスキャストだった?

どうやら人気女優の有村を起用したことが、裏目に出てしまったようだ。
「有村はNHKの朝ドラ『ひよっこ』でヒロインを演じ、紅白歌合戦の司会まで務めました。CMにもたくさん起用され、健全なイメージが定着しています。今回の教師役に正直、違和感を感じている視聴者は少なくないはず。はっきり言ってミスキャストです」(芸能ライターの弘世一紀氏)
『中学聖日記』で今主役を張っているのは「国民的清純派女優」と呼ばれている人。よけいに視聴者の目は厳しい。主役の聖について「あざとい」「あまりに浅はか」「可愛くない」「煮え切らない態度にイライラ」「嫌い」と、有村さんのイメージと重なりながら評価は急転換しつつあります。

厳しい意見の一方で10代から高い支持

刺激的な内容から「教師と生徒の恋愛はよくない」(41歳男性)、「中学生と教師の恋愛など、見ていて気分が悪くなる」(43歳女性)など、“大人視聴者”に否定的な意見もある一方、「絶対毎回見たくなる。切なくて最高」(19歳女性)、「なんかドキドキして一人じゃ見られない」(19歳女性)など、10代視聴者からの支持が多く、同世代の視聴数は2位となっている。

「なんだかんだ見ちゃう」という固定ファンも獲得

第6話の平均視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高を記録し、「なんだかんだ見ちゃう」という固定ファンも獲得しつつある。
負けなし状態だった有村の黒歴史になるかと思いきや、意外にも現在、視聴率が盛り返してきているという。
「現在、第6話にして7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高記録を叩き出しています。設定が設定だけに、食わず嫌い状態の視聴者が多かったようですが、内容の面白さと主演の有村さん、生徒役の岡田健史さんの魅力に、口コミ状態で視聴率が上がっているようですね」(テレビ局関係者)
ネットでも「有村架純が色っぽくなった」「架純ちゃんの色気がヤバイことに」など、インモラルな恋愛に苦悩する有村の姿に骨抜きになっている声が続出。

過去の“禁断の愛”ドラマとの比較も

「教師と生徒の恋愛ドラマ」といえば、1993年の『高校教師』、99年の『魔女の条件』など視聴率20%超えのヒット作もあり、それらと『中学聖日記』は何が違うのかについて触れている記事も散見されます。

脚本が今ひとつ。この手のドラマの肝は、倫理上はNGでも、それでも愛さずにはいられない人間の弱さ・悲しさなのに、それが伝わらない。かつて『高校教師』や『魔女の条件』に僕らが感情移入できたのは、そこが描けていたからなんです。

男子生徒・晶役の岡田健史に注目集まる

本作がデビュー作となる新人

酷評を伝える記事が大量に目につく一方で、本作がデビュー作となる新人で男子生徒・晶を演じる岡田健史に向けた賛辞を伝える記事も同程度に多数配信されてきています。

肯定的な評判も、もちろん無いわけではありません。例えば、大型新人としてデビューした男子生徒・晶役の岡田健史さんについて「超新星」「次回作が楽しみ」「ちょっと前までシロウトとは思えない演技派」といった賛辞が多く目につきます。端正なその顔だち、スラリとした身長、立ち姿が美しく役者向きでしょう。

「かっこよすぎ」と悶絶するファン急増中?

「最近、岡田健史に関する記事が目につくな~」と思っていたので、改めて記事検索してみて、タイトルからそれとわかる記事をざっと拾って古いものから並べてみました。
こうして並べてみると、第1話からすでに好評の声があり、回を重ねるごとに評判が評判を呼んで加速度的に記事も増えていき、“岡田健史フィーバー”的な状況になっている様子が見て取れます。

『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)

「大恋愛~僕を忘れる君と」は、若年性アルツハイマーにおかされる医師・尚(戸田)と、彼女を明るく健気に支え続ける真司(ムロ)の10年にわたる愛の軌跡を描くラブストーリー。“ラブストーリーの名手”といわれる「セカンドバージン」などの脚本家・大石静による完全オリジナル作品で、演出はドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」などの金子文紀らが手掛けている。

満足度は秋ドラマ1位

オリコンによる調査では3話目でトップに

オリコンによるエンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』のオリコンドラマバリューの調査では『大恋愛~僕を忘れる君と』の視聴者満足度は初回74pt、第2話89pt、第3話92ptと上昇し、2週目まで首位だったNHK連続ドラマ小説『まんぷく』を抑え全ドラマの中で最も高い数値となった。

「テレビ視聴しつ」の10月度調査でもトップ

テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(東京・エイト社、調査対象960人)の10月度調査によると満足度は4・12(5段階評価)とドラマ部門(朝ドラから23時台のドラマ)トップ。

視聴率は10%前後で推移

第6話の平均視聴率が7・6%だったことが19日分かった。
初回は10・4%で2ケタ発進し、第2話は10・6%、第3話は番組最高の10・9%、第4話は9・6%、第5話は10・4%と推移。今回はサッカー国際親善試合「日本×ベネズエラ」(後7時)が放送された影響で30分遅れの午後10時半から放送開始され、2・8ポイントダウンした。

急落した第6話までの全話平均視聴率は9.9%となっています。

好調の理由はキャスティングの新鮮さ

「ムロツヨシの2枚目役が思っていたよりしっくり」

好調の理由はキャスティングの新鮮さ。戸田演じる若年性アルツハイマー病を発症した主人公と、運命的に惹かれたムロツヨシ演じる小説家の恋愛劇だが、女性側からの積極的なアプローチによって盛り上がっていく展開は面白い。視聴者からは「ムロツヨシの2枚目役が思っていたよりしっくりきている」(32歳女性)、「ムロさんかっこいい」(27歳女性)など、これまでコメディ系の役が多かったムロの新境地が満足感を高めている。
自由記述による視聴者の感想をみると「主役2人のキャスティングがいい」(23歳女性)、「ムロツヨシさん…あんなに色気のある俳優さんだったんだと驚き」(48歳女性)など、戸田とムロツヨシという意外なキャスティングに対する高評価

テンポの良さも高評価の理由に

高満足度となった理由は“テンポの良さ”にある。
「すぐに引き込まれてしまった。これは最後まで見たい」(44歳女性)、「一話で急接近しこれから二人の関係が見逃せない」(32歳女性)、「展開が早く、この先どうなるのか興味をもった」(50歳女性)、「急展開とも感じられたが、次々と起こる展開が興味深い」(25歳女性)、「テンポがいい。今後の展開のためかもしれないけれど、それがいい」(21歳女性)など、ドラマの“テンポ”について触れたポジティブなコメントが多かった。

大石静氏の直球ラブストーリー

このドラマの脚本は、NHK朝ドラ『ふたりっ子』(96年)や、NHK大河ドラマ『功名が辻』(06年)、最近では『家売るオンナ』(16年、日本テレビ系)などを手掛け、ヒット作を多く持つ大石静氏。大石氏は、映画化もされ不倫ドラマ再燃のきっかけを作った『セカンドバージン』(11年、NHK)以降、
(中略)
不倫や年齢差だけでなく、叔父、義理の息子、殺人犯などあらゆる “禁断”を用いた激しく濃厚なラブストーリーを描いてきた。今作は“若年性アルツハイマー”という重たいテーマを扱ってはいるが、恋愛の部分は直球なラブストーリーに仕上げており、これまでとは違うシンプルな作りも視聴者の好感度を高めたのだろう。

「大石静、完全復活」

正直、恋人がアルツハイマーで記憶を失っていく設定は使い古された感があり、さほど期待されていなかった。『大恋愛』というタイトルも何だか古臭い。
ところが――これもフタを開けてみないと分からない。面白いのだ。往年の大石静サンの会話劇のクオリティが戻ってきた感。そこに、金子Dのハートウォーミングな演出が加わり、メインの2人――戸田恵梨香とムロツヨシが絶妙の掛け合いを見せる。居酒屋で2人が従業員を肴にアテレコするシーンは、最高に笑った。視聴率も初回10.4%を皮切りに、安定して10%前後をキープ。
大石静、完全復活である。

戸田恵梨香の演技力に反響

「ストレートな芝居が胸に響く」「迫真の演技に見入ってしまう」

同ドラマは、コメディイメージの強いムロツヨシの恋愛ドラマという面が多く話題に上がっているが、“主演”の調査項目が回を追うごとに点数が高まっており、戸田恵梨香が高い評価を受けていることが分かる。
「尚役の戸田恵梨香の演技がインパクトがあり、とても印象的でした」(30代男性/東京都)、「戸田恵梨香の切ない表情や声にグッとくる」(10代男性/東京)、「駆け引きではなく、ストレートな芝居が胸に響く」(30代女性/東京)、「戸田恵梨香の迫真の演技に見入ってしまう」(40代女性/北海道)「戸田恵梨香が演じるヒロインの一途な思いが素敵で、見ると切なくなる」(20代女性/埼玉県)、「今まで出演した作品の中でも今回が一番魅力的」(50代男性/千葉県)と、広い世代から戸田の芝居を評価する称賛のコメントが多く寄せられている。
元々、戸田恵梨香という女優は演技がうまい。彼女の場合、役に憑依するタイプで、今回は等身大の役だけに、表情の作り方などが抜群にいい。居酒屋のムロツヨシとの掛け合いでは、素で笑っているようにも見えた。なかなか、このレベルの演技ができる30代の女優はいない。

『獣になれない私たち』(日本テレビ系)

本作は、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の脚本家・野木亜紀子が、新垣と再びタッグを組んで贈るラブストーリー。誰からも好かれ愛されている30歳の深海晶(新垣)と、エリート会計士・根元恒星(松田)が、仕事終わりのバーで偶然出会い、ぶつかり合いながらも、自分らしく人生を踏み出す姿を描いていく。

期待は高かったものの…

視聴率はほぼ1桁台

人気女優の“ガッキー”こと新垣結衣と大ヒットした『逃げ恥』の脚本家が再びタッグを組むという点で放送開始前から期待が高まっていた本作。フタを開けてみると、視聴率は初回と第6話を除いて1桁台というイマイチな数値になっています。
第7話までの推移は11.5%、8.5%、8.1%、6.7%、8.3%、10.0%、8.6%で、第7話までの平均は8.8%。ちなみに、第4話の6.7%はプロ野球日本シリーズの放送延長で午後11時15分という深夜ドラマ並みの遅いスタートになった影響があると思われます。

放送前の期待を基準にすると視聴率が苦戦していると言えますが、秋ドラマ全体から見ると、明らかに良いとも悪いとも言えないポジションにいる『けもなれ』。したがって、良い点と悪い点を指摘している記事をそれぞれ取り上げておきます。

“イライラ”が逆に視聴意欲を誘起

登場人物たちのさまざまな人間模様を深く掘り下げながら、先の読めない“イライラ”が逆に受け入れられている。「展開が読めないので早く続きが見たい」(46歳女性)、「イライラしっぱなしだけどなぜか見てしまう」(44歳女性)など、ネガティブな感想が視聴意欲をより高めているというのも独特だ。
「イライラするけど続きは気になる」(40歳女性)、「ちょっとイラつく部分もあるけど、これからの展開が楽しみ」(53歳女性)など、イライラする…けど気になるストーリーという相反する評価によって高い満足度にはなっていない様子だ。

演出陣に問題アリ?

演出と脚本のたすきの掛け違い

ソーシャルトレンドニュースのコラムでは「演出と脚本のたすきの掛け違い」と指摘しています。

ずばり、僕は演出陣に問題があると思う。特に演出チーフの水田伸生サンだ。
もしかしたら――今回、水田サンは坂元裕二作品と同じ感覚で演出したのではないだろうか。ざらつきのある絵で、会話のディテールを淡々と掘る――みたいな。
だが、2人の脚本家はまるで作風が異なる。坂元サンはいわば“雰囲気ドラマ”の人で、一方、野木サンは“伏線と回収”に命をかけるエンターテインメントの人。そして何より見落としてはいけないのは――この『けもなれ』はコメディなのだ。
はっきり言おう。水田演出と野木脚本――そのたすきの掛け違いが、同ドラマの視聴率とお茶の間の違和感に結び付いているのではないだろうか。

今後の展開に期待

「どんでん返しを期待」「ガッキーには幸せになって欲しい」

これまで何度か取り上げた「テレビ視聴しつ」満足度調査には、今後の展開に期待する視聴者の声が寄せられているようです。

「晶ちゃん(新垣)が良い人過ぎ、どんでん返しを期待」(54歳女性)、「ガッキーには幸せになって欲しい」(29歳女性)など、今後の期待感をもっている視聴者は多く、高い満足度を得られるかはこれからの展開次第だろう。

伏線と回収 後半から野木ドラマの真骨頂へ突入か

ORICON NEWSでは伏線の回収など後半の展開への期待に言及しています。

前半は、その仕事と恋愛、周囲の人間関係から追い詰められる彼女の姿がリアルに描かれることで、観るのがしんどくなることもしばしば。本作の視聴者層はF2層がボリュームゾーンになるが、実生活の延長のようであり、ともすれば疲労感が増すようなところが、いまひとつドラマに入り込めなかったようだ。
しかし、中盤に差し掛かり、そのリアルのなかに男女関係のダークサイドも映し出されるようになると、それまで丁寧に描かれてきた登場人物のキャラクターとそれぞれの人間関係が、サスペンスのように見えてくる。そして、呉羽(菊地凛子)の結婚相手・橘カイジなど、これから明かされるであろう謎への伏線も張られ、野木ドラマの真骨頂へと突入する気配を見せている。

また、オリコンの満足度調査でも「ストーリーの展開が読めない。どうなるか続けて観たいと思う」「だんだんスカッとするシーンが増えてきて、おもしろくなってきた」など、これからの展開に期待を寄せる声が多く寄せられているようです。