新入社員以外も要注意! 今からできる五月病対策

2018年5月2日更新

新生活といった4月の急激な環境の変化のあと、連休が明けたらなんとなく心と体が重い、というのが五月病です。今や新人だけでなく幅広い年代になる可能性があり、さらに四月病や六月病というものまであるとか…。自分だけでなく、家族や同僚、部下が五月病にならないために今からできることを探してみました。

五月病ってどんなもの?

どうして五月病になるの?

大きな環境の変化の疲れが一気に出る

五月病とは環境が大きく変わった4月から気を張った状態で全力疾走してきたものの、約1カ月が経過して疲れが一気に出てしまい、気分が落ち込み、疲れやすくなっている状態を指します。 そして、精神的な症状だけでなく、食欲不振や動悸、頭痛などの身体的な症状を伴う場合もあると言われています。

環境の変化が影響するということで、新しい環境に飛び込む新入社員が五月病になることが多いとされてきました。しかし、職場は変わらなくても、新しいメンバーが加わることや業務内容が変化するなどして新しい刺激が加わり、五月病になる可能性があると伝える記事もありました。

年末年始や年度替わりに次いでストレスフルな5月

マーケティング会社のインテージが実施したストレスに関する調査では、ストレスを感じる時期について、年末年始と年度替わりに次いで5月と8月の数値が高いという結果が出ています。

年の変わり目である「12月」(37.0%)、「1月」(31.1%)と、年度替わりである「3月」(35.5%)、「4月」(33.8%)が高い結果となりましたが、それに次いで「5月」(30.6%)と「8月」(30.2%)も高くなりました。その理由を聞いてみたところ、5月は、いわゆる“五月病”といわれる「新環境適応へのストレス」のほか、「季節変化や花粉症による体調への影響」や「ゴールデンウィーク疲れ」、各種税金の「出費」などの声があがりました。

この記事で挙げてられている理由「季節変化や花粉症による体調への影響」については、気象予報士の長谷部愛さんも「カラダや肌への負担」として同様の指摘をしています。

「四月病」「六月病」もある?

環境変化に対応すべく努力をするもののストレスをため込んでしまい、その反動で連休明けころから無気力状態に陥ってしまう5月病。だが、今どきの新大学生たちは5月を待たずに4月病が深刻化しているという。

大学に入学する前からSNSでつながりを作る今どきの学生は、入学式前にすでにグループが出来上がっているそう。それに乗り遅れてしまうと4月の時点で落ち込んでしまうと記事では伝えています。

「6月病」とは、この「5月病」の症状が少し遅れて6月にあらわれること。新入生や新入社員だけでなく、配属転換や転勤、結婚、引越しなど原因はさまざまなので、誰にでも起こりうる可能性があります。梅雨のジメジメした気候も関係しているのだとか。

5月下旬から6月にかけて疲れの出る「新五月病」があるという記事も。

五月病(四月病・六月病)のまとめ

五月病や四月病、六月病をまとめると、新しい環境に適応するためにエネルギーを使う時期が季節の変わり目や梅雨の時期と重なり、疲れがたまってしまう…ということのよう。新入社員、新入生に限らず、誰でもなり得るという点でも共通しています。

どんな症状が出たら五月病?

五月病は軽いうつ症状

五月病の症状を精神科医の奥田弘美さんは次のように解説しています。

五月病というのは軽いうつ症状で、何に対してもやる気がおきず、集中力や決断力、頭の回転も鈍ってしまっている状態です。

医学的には適応障害と診断されるケースが多いという記事もありました。

五月病の症状例

身体がだるくて、できれば寝ていたい
他人と話すのも面倒に感じる
気持ちが沈んでマイナス思考に
集中力が低下しミスが増え、仕事もはかどらない
どうしても、やる気が起きない
頑張ろうとするものの、頭痛や腹痛など具合が悪くなってしまう
肩こり・背中の痛み・腰痛が目立つようになってきた
めまい・耳鳴りがする
動悸や息苦しさを感じる
眠れないなど睡眠の問題が出ている
食欲が無い、食べても胃が重い、お腹が張るなど胃腸の不調がある
ちょっとしたことでイライラしたり、怒りっぽくなったりする

これまで見てきたように、五月病は正式な病名ではないのですが、上記のような症状が現れたら要注意。このほか、首の痛みや背中の痛み、腰痛が五月病のサインとなるケースもあるそうです。

五月病にならないためには?

五月病にならないためにできる対策

五月病になってしまうリスクを知っておくことで、未然に防ぐことができるかもしれません。大きな要因である「環境の変化」と一言でいってもその内容はさまざま。ひとつずつ見ていきましょう。

気象の変化による疲れを認識する

前出の気象予報士・長谷部さんは次のように語っています。

「気象的にも、春は一年でもっとも変化のある季節」と語る長谷部さん。春にカラダや肌の調子を崩しやすいのは、春特有の気象条件も大きく関わっています。
・気温差……一日ごとの気温差だけでなく、 朝晩と昼の気温差が一年でもっとも大きいのが4月。気温差によって、風邪や頭痛、倦怠感などの不調が起こりやすくなります。

もともと春は疲れがたまる季節であることを知っておくと、そのあとの5月には「ちゃんと休もう」と意識できそう。ゴールデンウイークなど余裕のある予定を立てることで、その後に疲れが一気にふき出すことを抑えることができるかもしれませんね。

新しい環境では「交感神経」が優位になる

自律神経は交感神経・副交感神経がシーソーのように対になって体のバランスを取っています。簡単に説明してしまうと、交感神経は興奮・戦闘態勢の神経、副交感神経はリラックス・休憩モードの神経と言えるでしょう。
新しい環境に身をおいて適応しようとするとき、「交感神経」が優位になり、結果として、血圧が上がり、脈は速くなり、汗をかき、筋肉は緊張して体がこわばります。交感神経の高ぶりが続くと緊張状態が継続し、知らず知らずのうちに気持ちだけでなく身体も疲労していきます。

副交感神経がカギに

そしてこの緊張を解くカギは副交感神経にあります。新生活の疲れを取るためには過敏になっている交感神経の働きを抑え、副交感神経を刺激して心身を休ませてあげることが大切なのです。

職場環境がキツいときはどうすれば…

季節や自分の体の調子に敏感になっても、働いている環境がストレスフル…。そんな場合は、どうすればいいのでしょうか?

東京大学付属病院分院神経科勤務、立教大学コミュニティ福祉学部教授などを経て東京・江戸川区の町沢メンタルクリニック院長を務める町沢静夫氏は次のように語ります。

「たとえば、上司からの注文が常にきつい場合は、一度上司としっかり話し合う必要があります。個々の能力には限界があるのですから、限界であれば『限界です』と言う勇気が大切です。また、上司のほうも、それを理解しなければ次々と部下が潰れ、そのうち部下がいなくなるということを理解すべきです」
町沢氏の話を総合すると、メンタルを病まずに仕事で成果を挙げるには、まずは疲労を蓄積しないことが肝要だ。そして、疲労や精神的な重圧が限界に達してしまう前に、ギアチェンジしてスローペースで働くようにする。

「限界です」の前に「困ってます」と伝えてみる

「わからないことがあったら、聞いてね」と言われても、「どこがわからないのがわからない」のが新入社員。
八方ふさがりで困ったときは、「困ってます」、「指示通りの時間にはできない」と、仕事の締め切りや納期前、就業時間中にSOSを周囲に出すことが大事です。そうすることで新入社員のほうがびっくりするほど周囲が助けてくれるケースもよくあります。

厚生労働省の調査によると過去3年間にパワハラを受けたことがある人は3人に1人で、さらに新入社員はパワハラの対象になりやすいといいます。プレッシャーをかけられてキツいと感じている方は、自分のペースで働けるように勇気を出して相談してみるといいかもしれません。

身近な人を五月病にしないためには?

自分が部下を追い込んでいないか確認するには

これまでは自分が五月病になるリスクを見てきましたが、逆に自分が誰かを精神的に追い込んでいないかを知ることもリスク管理のひとつ。自身が部下を追い詰めてしまったという方の記事が参考になりそうです。

「私はダメ出しされることで成長してきたから」と、それに耐えられた精神力の強い上司が後輩や部下にダメ出しをしてしまった結果、どうなったかというと…

部下からの信頼を失い、退職を選ぶ人もいましたし、私自身、その会社に残れなくなるような状況に追い込まれることにもなりました。理由は明白で、私の感覚でやっていたことが、他の人からすれば異常と感じられてしまったり、耐えられないと受け止められてしまったからです。
こうなると、自分自身もそうですが、周りを不幸にしてしまいます。

では精神力が強い人が上司や先輩という立場になった場合、いったいどうすれば良いのでしょうか? 記事は次のように続きます。

自分自身の感覚のまま人と関わったり、物事を進めていいかは、必ず確認する必要があります。
「自分はこのやり方で良かったけれど、他の人は大丈夫か?」
「新人さんにこの進め方で果たして本当に通用するか?」
そうした確認を、自分自身でも、また周りに聞いてでもできているかどうか? 「自分と他人の感覚は必ず違う」ということを念頭に置いて、人と関わっていきたいですね。

夫の愚痴や子供の「学校行くの嫌」への対処法

夫の愚痴は(「それって違うのでは」「情けないなぁ」などと思ったとしても)まずはひたすら聞き、話し終わったら最後に「それは大変だったね」など、気持ちに共感する言葉をかけてあげましょう。
たとえば子供が「学校行くのやだな」と言ったとしても、必ずしもそれが「学校が嫌い、学校をやめたい」ということとイコールなのではありません。話すことによって安心したい、学校へ向かう気持ちをあと押ししてほしいという気持ちの裏返しなんてこともよくあります。
子どもの話をよく聞いてあげて、最後は「大丈夫」「なんとかなるよ」「心配しないで」「いつも味方だからね」といった、安心させる言葉をかけてあげましょう。この声掛けは、同じ話を何度もしてくる高齢者の方にも効果的です。

愚痴を聞いて自分がつらい気持ちになってしまったら…

もし愚痴を聞いているうちにだんだんつらい気持ちになってきたら「これは私の問題ではなくて相手の問題。私にできること、求められていることは話を聞くことで一緒に悩むことではない」と心の中で自分に言い聞かせることをおすすめします。

今からできる五月病対策

五月病の理由を把握してキッチリと休んだのに、それでも心や体が重い…という時にすぐに試せる対策や方法を探してみました。ご自分に合いそうな方法があったら、ぜひ試してみてくださいね!

食べ物や飲み物で気分を明るくしよう

セロトニンで体と心を安定させる

無理にやる気を起こそうとする前に、まず食事を見直してみましょう。「体は食べたものからつくられる」とよく言いますが、実は心も食べたものからつくられます。体と心を安定させるのは脳内のセロトニンという物質。セロトニン不足は不眠やイライラを引き起こします。
セロトニンの材料はトリプトファンというアミノ酸です。また、セロトニンづくりのサポーターとなるのがビタミンB6、炭水化物です。
・ トリプトファンが豊富:ヨーグルト、チーズ、バナナ、納豆、米、そば
・ ビタミンB6が豊富:まぐろ、かつお、牛肉、卵、納豆、きなこ、ピスタチオ
・ 炭水化物:米、パン、麺類、芋類

上記のような食材をとる際の簡単な方法として、朝ごはんの工夫が紹介されています。

簡単でオススメな方法は朝ごはんのひと工夫です。パン食の人は納豆ごはんや卵かけごはんにチェンジしてみてはいかがでしょうか。どうしてもパンを食べたい場合にはチーズトーストにしたりツナサラダを付け合わせたりしましょう。
朝は時間がない!という人はバナナヨーグルトやきな粉入りミルクなど、ぱぱっと食べて胃腸に負担をかけにくいメニューはいかがでしょうか。

ショウガで気力・体力を高める

「しょうが」は、英和辞典で引くと、(名詞)意気、軒昂、元気、ぴりっとしたところ(動詞)元気づける、活気づける、鼓舞する、と書いてあるほど、辛味成分の「ジンゲロン」「ジンゲロール」「ショウガオール」が気力、体力を高めてくれる。すりおろししょうがをみそ汁、納豆、豆腐、煮物、醤油に「旨い」と思われる量入れて食べる「しょうが三昧」の生活をされるとよい。また、熱い紅茶に「ハチミツまたは黒糖」と「すりおろししょうが」を「旨い」と思う量入れてつくる「しょうが紅茶」を1日3杯をメドに飲まれるのもおすすめ。

5月の旬の野菜を意識して食べる

五月病の予防や改善に効果がある食材としては、タイミングよく“5月に旬の野菜”が良いとされています。 たくさんある中で、野菜ソムリエの筆者がまず思い浮かぶのは、次のものです。
●新キャベツ、新玉ねぎ、ピーマン、アスパラ、竹の子、さやえんどう、いんげん豆など

疲労回復食材で「疲れ知らずカレー」

人が生きていくうえで重要な活力源となるのが「気」。目に見えるものではありませんが、「血」と共に身体を巡っていて、中医学的には非常に重要な位置づけとなっています。

「気」を補うおすすめ食材として、次のようなものが挙げられています。
ジャガイモ、かぼちゃ、インゲン、カレー粉、干ししいたけ、しめじ、米、もち米、粟、くるみ、牛乳、卵、豚肉、牛肉、羊肉、黒豆、えび、ナマコ、すっぽん。

筆者の薬膳インストラクターがおすすめする薬膳レシピは「和風根菜カレー」だそう。

(1)カットした鶏肉をゴマ油で炒める。
(2)(1)にジャガイモ、かぼちゃ、玉ねぎ、ごぼう、レンコン、人参を入れて軽く炒める。
(3)(2)に干ししいたけを戻しただし汁を入れ、インゲン、干ししいたけ、しめじを入れて煮込む。
(4)カレー粉、醤油を入れて味を調える。
(5)器にごはんを盛り付け、(4)をかけたらできあがり!

飲むと気持ちがラクになる? おすすめドリンク

(2)イライラに効果のある「カルシウム」
→牛乳
なるべく穏やかでいたいと思っていても、時には、気持ちとは裏腹についイライラしてしまうことも。そんな時こそカルシウム量が100g中約110mgと豊富に含まれている牛乳が味方になってくれます。さらに気持ちを落ち着けたい場合はホットにして飲むのがおすすめ。
(3)気分をしゃっきりさせて目覚めを良くする効果のあるハーブ
→ミントティー
清涼感のある香りによって気持ちをしゃっきりさせてくれるミントを使ったミントティー。特にペパーミントティーはメントールの含有量が多く、爽快感が強いので気持ちを切り替えたい時にはペパーミントティーを。

なお、カルシウムは吸収率が低い栄養素なので、吸収をサポートするビタミンD(キノコ類や魚類に多い)やビタミンK(緑黄色野菜に多い)と一緒にとるといいという記事もありました。加熱しても栄養価は変わらないそうなので、料理に取り入れてみてもいいかもしれませんね。

ストレッチ・ヨガなどで体を動かす

心地よさを感じる程度に体を動かす

運動も心地よい程度にするといいですね。ジムでガンガン体を動かすとか、マラソンを長距離走るとか、激しい運動は逆に疲労を増強してしまうので、軽いウオーキングやストレッチ、ヨガがいいと思います。ほどよく体全体の筋肉がほぐされて心地よさを感じる程度にとどめていたほうがいいですね。

首まわりのストレッチ

首の中でも、前方の喉のまわりはストレスですぐに固まってしまう場所。首前方の左右にある筋が凝り固まってしまうと浅い呼吸になってしまうので、ここをほぐすストレッチをしましょう。
「深い呼吸がしやすくなり、リフトアップや小顔効果もありますよ」(沖さん)
1. 胸の中心に手を当てて肩を下げる
2. あごを上げる。甲状腺まで伸ばすようにすると◎
3. あごをゆっくり左右に動かす
リラックスした状態で、ゆっくりと鼻呼吸を繰り返しましょう。首周りはとてもデリケートなので、決して無理をしないこと。

モチベーションが上がらない朝に「本気でジャンプ」

「小さなきっかけ」と「ちょっとした見方の変え方」のヒントを紹介するアメリカの2人組「ザ・ミニマリスト」の提案とは?

■身体的な状況を変える
どうしてもやる気が出ないとき、彼らは"あえて身体に思い切った変化を与える"とのこと。例えば、散歩に出ることや、クレイジーな人のようにジャンプしたり(本気で)、腕立て伏せをするとか、呼吸の仕方を変えてみる(意識して深い呼吸をする)とか、30秒全力でダッシュするとか、その方法は様々。ポイントは身体に変化を与えることなのです。

「腕立て伏せ、スクワット、ストレッチなど、短時間で筋肉に刺激を与える運動」を勧めている医師による記事もありました。

ボールを使って腹と胸の筋肉を緩ませる

ボールを使って「深層筋整体法」は、野球ボールやゴルフボールを使用した整体法。床に仰向けになり、野球ボールやゴルフボールを2個、タオルに包み、カラダをそらしつつ、お腹や胸の筋肉を手でもんでゆるませていく。
ポイントは胸や肩、腰、背中など、背中を中心に左右別々におこなうこと。左右合計で3分が目安だ。

引用文だけでは少々わかりにくいのですが、上図の左側にある番号1から5までタオルで包まれたボールを移動させながら、手は右の図のように腹や胸の筋肉を揉むということのよう。ボールを使った方法は一般的な方法のようで、他サイトに自分の体重を使ったコリのほぐし方があったので併せてご紹介します。

呼吸をコントロールして気持ちを整える

呼吸法で自律神経のサイクルを戻す

交感神経と副交感神経のサイクルが乱れてバランスを崩してしまうのも五月病の原因なのだそう。
「自律神経のサイクルを元に戻すには、片鼻交互呼吸法がおすすめ。片鼻から交互に呼吸をしてサイクルを整えます。呼吸は吐くときに副交感神経が刺激されるので吐く息が吸う息の2倍くらいの長さで行うのがポイントです」(沖さん)

1. 片方の小鼻を指で押さえて、逆の小鼻から息を吐く
2. 吐ききったら、同じ小鼻から息を吸う
3. いったん息を止めて指で押さえる小鼻をチェンジ
※1~3をゆっくり繰り返す

リラックスした状態で深呼吸

なるべくリラックスした姿勢で(布団に仰向けになる・リクライニングチェアにもたれるなど)目を閉じ、深呼吸をゆっくりと繰り返しましょう。息を吸うよりも、吐く方を意識すると自律神経のバランスが調整されやすくなります。5~10回を目安に行いますが、「身体の力が抜けた」「心地良い」と感じるまで行ってもOKです。

そのほかの対策…睡眠・温泉・辛いもの・アロマなど

8時間睡眠で体も脳も休ませる

五月病の症状ではないかと思ったら、できるだけ規則正しい生活を心掛けて、疲れた心と体を休ませなくてはいけません。心の疲労をとるのと体を休ませるのを別に考える人がいますが、心というのは脳の働きで、その脳は体の一部なので、体を休ませないと脳も休まない。まずはしっかり睡眠をとる。理想としては8時間は必要だと思います。

本調子になるまで“ゆるめモード”で生きる

気力、体力が底をついているので、気が進まないことは無理にしないほうがいいですね。仕事は、頑張りすぎず、もし許されるなら先延ばしするとか人に手伝ってもらうなど、残業せずに帰れたらベストです。夜遊びやおつき合いも一旦やめて、本調子になるまで全体的にゆるめモードで生活するのがいいと思います。

うつ状態に温泉が効く?

過日の鉱泉分析法指針の見直し、および環境省自然局長通達で、温泉の一般的適応症には「ストレスによる諸障害(睡眠障害、うつ状態など)」が明示され、単純温泉、塩化物泉、硫酸塩泉の適応症(いわゆる効能)には「うつ状態」が明示されることになった。

温泉の効能に「うつ状態」があるとは不思議な気もしますが、この記事の著者は自身がうつ状態の時に温泉へ行き、効果を感じたそうで…

温泉がうつに効く、その医学的なからくりに関しては、僕は医者ではないのではっきりとはいえないが、体験的には温泉の「浮力効果」がいいように思う。
湯に浸かると体重は約10分の1になる(感じられる)とされ、湯にプカプカと浮いて、こぽこぽと湯が流れる音に耳を澄ませていると、頭の中が空っぽになる。 この「ナンにも考えない」状態が、どうやらいいような気がする。
うつ状態の思考は、答えのでない堂々巡りの考えが頭の中を駆け巡っているもので、そういう思考から解き放たれて、ただボー然と湯に浸かるという感覚は、温泉に浸かっていると手に入れやすいと思う。

筆者のおすすめは38度前後の「ぬる湯」だとのこと。のんびり長く浸かっていられるので頭空っぽ状態が継続できるのだとか。

唐辛子や薬味をたっぷりかけて食べる

七味唐辛子、タバスコ、生姜、ネギ、山椒などの薬味も、アドレナリンの分泌を促すので、うどん、そば、パスタ、ピザ、ウナギなどに存分に振りかけて食べる。

体も心も疲れている時には余計に疲れてしまいそうですが、体は元気なのに心がシャキッとしない時などには良さそうですね。ちなみに、上の写真の豆腐にかかっている赤いタレは「麻辣醤(マーラージャン)」。唐辛子の辛さと山椒のピリッとした痺れが利いた中国の辛味調味料だそうですよ!

入浴時にアロマオイルでリラックス

アロマセラピスト・長澤さゆりさんがおすすめするエッセンシャルオイル(精油)を使ったリラックス方法は…

お風呂でアロマを楽しむ際は、血行をよくする「塩」や肌の保湿力を高める「砂糖」に染みこませるか、美肌効果のある日本酒(5ml程度)に数滴溶かしてから、お湯に入れてみてください。入浴がおっくうな時には、洗面台にお湯を張り、バスソルトを加えて手浴するだけでも、気持ちのよい眠りを誘ってくれるでしょう。
おすすめの香りは、深い眠りを誘うラベンダー。一般的に「真性ラベンダー」が有名です。
ラベンダーには深い鎮静作用があり、ストレスでこわばった心や身体をリラックスしてくれる効果があります。ラベンダーの種類はたくさんあるので、エッセンシャルオイル専門のお店に行って好きな香りを探してみるのもよいでしょう。

緊張してしまう会社や学校でアロマに癒される方法も紹介されています。

持ち歩きが簡単なアロマは、1滴のエッセンシャルオイルをティッシュに染み込ませハンドタオルに挟んで持ち歩くもよし、かばんの中に忍ばせておくのもよし!

心理カウンセラーが勧めるネガティブ感情コントロール法

1から10まであるのですが、1~5はこれまで紹介してきたものと似たようなものなので省略します。

6.心の中や頭の中にあるネガティブ思考を書き出し、ポジティブな考えに書き直す。または、前向きな気持ちで書き直す(論理的な方法が好きな方に向いていて、根本の変化につながります)
7.「ごめんなさい、許してください、ありがとう、愛しています」を繰り返す(深く考えず唱えるだけで効果大です)
8.鏡を見て笑顔をつくり口角を上げる(外側から変えることで内面も変わります)
9.自分を褒めるようにする(褒めることができない人は、普段から褒める練習をしてみてください)
10.怒りを向ける相手を自分だと思う(人は自分の投影です)

「本当に効果あるの?」と思う人もいるかもしれませんが、どの方法も多くのビジネス書や脳科学などの書籍に書いてある有名なもの。試してみる価値はあるかもしれませんよ。

何をしても体調が戻らずやる気も出ない…そんな時は

できれば、さらに次の3点も早めに実践してもらいたい。特に専門家と交流を図ることは、ものの見方を変えられる大きなチャンスとなって気分が楽になりやすい。
・自身の気持ちを誰かに打ち明ける。
・地域の相談室や電話相談に相談する。
・専門医に相談する。

病院に行ったほうがいい目安は?

不眠や非常に思い倦怠感、憂うつ感、夜眠れない、食欲不振などの症状が2週間前後続くようでしたら要注意。一度、精神科か心療内科に相談したほうがいいと思います。

心も体も疲れてしまった時には、やっぱり休むことが一番。六月病もあるということなので、最近疲れを感じている人は、しばらくはマイペースで緩やかに過ごすように心掛けるといいかもしれません。自分や周囲の人が五月病にならないように気を付けていきたいですね。