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バンコク国際モターショーレポート いずれ日本へ導入するクルマも? 日本では見られないタイのクルマをピックアップ!【特集・コラム:イベント・モーターショー】

CORISM / 2015年5月10日 5時3分

バンコクショー

日本では見られない右ハンドル車がいっぱい! いずれ日本に来るクルマも?

 第36回バンコク国際モーターショーがバンコク郊外のインパクト・コンベンションセンターで開催された。東南アジアのローカルなイメージながら、世界中の自動車メーカーが出展する国際ショーであり、毎年多くの来場者を集めている。バンコクショーはトレードショーの性格も備えていて、毎年会場で大量の受注を集めることでも知られている。

 今年で36回目だが、バンコクショーは毎年開催されているので、今年で44回目の東京モーターショーはいずれ開催回数でバンコクに抜かれることになる。現在の東京モーターショーは、隔年開催であるからだ。

 東南アジアで最大のショーとはいえ、バンコクショーはあくまでもローカルショーで、世界初公開となる“ワールドプレミアム”のクルマが出品されることはほとんどない。トラック系の車種やアジア専用車などがときどき世界初公開となる程度だ。

 ただ、バンコクショーには世界中の主要な自動車メーカーが出展していて、日本では見かけない珍しいクルマもいろいろある。あるいはヨーロッパの自動車メーカーが、日本よりも先にバンコクで右ハンドル車を初公開する例は多い。ヨーロッパで発表済みであっても、右ハンドル車についてはワールドプレミアムになる。日本では販売されないクルマや、日本ではまだ発売されていないクルマを中心に今回のバンコクショーを見ると、けっこういろいろなクルマが出品されていた。

 外国メーカーも最近は、バンコクモーターショーに力を入れるようになっていて、今回のショーでもダイムラー(メルセデス・ベンツ)やBMWが会場のブースの設営に多額の予算を使うなど、積極的な姿勢を示している。

スズキ シアズ

 インド、中国に続いてタイでの生産・販売を発表したシアズ。比較的コンパクトなセダンボディに1200ccエンジンを搭載する。

 日本の自動車メーカーの中で、今回のバンコクモーターショーに力を入れていたのはスズキだ。インドや中国で先行発売しているモデルではあるが、ミドルセダンのシアズを強力にアピールしていた。日本ではコンパクトクラスからミドルクラスのセダンの売れ行きが良くないため、スズキもこのクラスにセダンをラインナップしていない。シアズが日本に導入される可能性はなさそうだ。

三菱トライトン

 タイにピックアップトラック用の新工場を建設したばかりの三菱は、昨年暮れにフルモデルチェンジしたばかりのトライトンと、ミラージュベースのセダンであるアトラージュを出展していた。トライトンも新世代のクリーンディーゼルを搭載していて、動力性能と静粛性を大きく向上させている。アトラージュはミラージュベースのコンパクトセダンで、セダンニーズの高い市場であるだけに、一定の販売が見込めそうだ。

 三菱は1t級ピックアップトラックのトライトンの生産をタイに集約し、タイから全世界に供給する仕組みにしている。昨年暮れにフルモデルチェンジを受けたばかりの新型車だ。欧州ではクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを発表している。

三菱アトラージュ

 ミラージュをベースにしたコンパクトクラスの4ドアセダン。実用性は十分な印象だが、日本に導入する予定はないという。

マツダ2セダン

 マツダもデミオベースのセダンであるマツダ2を訴求していた。これも昨年発売されたばかりのモデルである。アトラージュなどと違って、やや上級のクルマとして位置づけられているため、販売ボリュームはあまり大きくなりそうにないが、マツダの需要層を広げるクルマであるのは間違いない。日産や三菱などがタイ製のクルマを日本に輸入しているので、マツダも同じような戦略を取る可能性もある。

 マツダ2セダンは、デミオをベースにしたコンパクトセダン。低価格の経済的なクルマではなく、やや上級のセダンに位置づけられている。これも現時点で日本への導入予定はない。

いすゞ ミューX

 いすゞは、SUVのミューXを出展していた。日本では乗用車系の車種の生産・販売を止めてしまったいすゞだが、タイではピックアップトラックをベースにしたSUVを生産している。いすゞは三菱商事と合弁で早くからタイ市場に参入して、ディーラー網を拡充したこともあり、トラックに関しては非常に高いシェアを持っている。

 日本では乗用車メーカーであることを止めてしまったいすゞだが、タイではSUV系のモデルを生産・販売している。

日産ナバラ

 日産は、ピックアップトラックのナバラの新型車を出展していた。日産は昨年、タイに第二工場を建設し、トラックの生産に力を入れる姿勢を見せているが、新工場にタイミングを合わせた新型車の投入になった。新世代の直噴ディーゼルターボを搭載している。

 日産がタイの第二工場で生産しているピックアップトラックのナバラ。新世代の直噴ディーゼルエンジンを搭載する。

ホンダ モビリオ

 ホンダは、アジア専用ミニバンともいえるモビリオを出展していた。これはインドネシアで先行して発売されているモデルだが、ブリオというアジア専用のコンパクトカーをベースに3列シート車に仕上げたモデルだ。インドネシアと違って、タイでは必ずしもミニバンタイプのクルマが人気を集めているわけではないが、多人数乗車のクルマも一定の支持を得ている。

 日本では絶版車になったが、東南アジアではブリオ/アメイズをベースにした3列7人乗り仕様のコンパクトなミニバンがモビリオとして販売されている。

ホンダHR-V

 タイでは、SUVのヴェゼルがHR-Vの名前で販売されている。ハイブリッド車の設定はなく、ガソリン車だけの設定だ。

トヨタ アルファード/ヴェルファイア

 タイで圧倒的な市場シェアを持つのはトヨタだ。だが、トヨタは、意外にも今回は目新しいクルマはなかった。日本での発売から間もないアルファード/ヴェルファイアが出品され、技術力を象徴するミライが展示されていたのが目立つ程度だった。ほかにカムリやカローラアルティスなどもあったが、特に話題になるクルマではなかった。

 アルファードはハイブリッド車、ヴェルファイアは2.5Lのガソリンエンジン車が輸入されている。3.5L車はラインナップされていない。

BMW X5 eドライブ(プラグインハイブリッド)/ミニ クラブマン

 同様に、BMWもX5のプラグインハイブリッド車を公開していたが、これも日本ではまだ発表していないもである。さらにミニブランドでも、日本より先にクラブマンの右ハンドル車を公開していた。今回のクラブマンは右ハンドル車を5ドアになり、クラブドアではなくなる。

メルセデス・ベンツGTS GLE Vクラス

 今回はメルセデス・ベンツが特に熱心で、スポーツカーのGTS、SUVのGLEクラス、ミニバンのVクラスという具合に、まだ日本では発売していないクルマを3車種も出展していた。いずれも右ハンドル車は、世界初公開であり、ダイムラーのタイ市場に対する力の入れ方が分かるというものだ。

タイラング

 タイラングというという現地メーカーが、ハマー風のSUVモデルを展示していた。なかなか迫力のある外観で、それなりに人気を集めている部分があるのだという。

■バンコクモーターショー事務局、ジャトロン・コモリミス事務局長インタビュー

---今年のバンコクショーも盛況のようですね。
「年々盛況を重ねている。今年は特に欧米のメーカーがモーターショーに力を入れ、会場の設営から出展車両に至るまで、いろいろな新趣向を取り入れるなど、これまでにない取り組みを見せている。これはバンコクショーが国際的に評価されてきたことの証明だと考えている」

---東南アジアのモーターショーにも影響をあたえているようです。
「アジア各国のモーターショー主催者がバンコクを参考にしているようだ。カンボジアから協力の要請があり、われわれも直接協力している。今回のショーにもカンボジアからディーラー関係者が見学にきている。またインドネシアでも同様の動きが出ている」

---タイの自動車市場は政治の混乱の影響が尾を引いているほか、ファーストタイマー・インセンティブの後遺症などもあって、回復が遅れているように見受けられます。
「確かに一時に比べると数字的には落ちている。ただ、タイではまだ自動車が一部の高所得層を中心に売れている状態で、こうした層に向けた高級車・高額車は影響を受けていない。エントリーユーザーの需要が戻るにはもう少し時間が必要だろう」

---軍事クーデターから民政への移行が遅れている印象ですが、政治的な影響はまだ残っていますか。
「政治的には落ち着いていて、特に自動車業界への影響は出ていない。ただ、自動車税制について増税の動きがあり、それに対応した駆け込み需要が発生する可能性があると見ている」

---そのような状況の中で今年のバンコクショーではどれくらいの販売を見込んでおられますか。
「昨年は3万7000台を販売した。今年もこれを超える販売を見込んでいる。台数だけでなく中身も重要だが、VIPデーの初日だけで、ロールスロイスが3台、アストンマーチンが2台、メルセデス・ベンツやBMWはそれぞれ50台以上を受注している。順調な滑り出しと見ている。メルセデス・ベンツだけでショーの期間中に3000台以上を販売する見込みだ」

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