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アラジン実写版に北欧の王子が登場 「白人のために作られた役」と批判殺到

ニューズウィーク日本版 / 2017年9月11日 19時33分

<マイノリティーの役者がキャスティングされにくいハリウッド。製作会社の責任を指摘する声も>

『美女と野獣』のヒットに続けとばかりに現在、ディズニーアニメ『アラジン』の実写版が撮影中だ。クランクインは8月。しかしここにきて、白人キャストが登場することが明らかになり、物議を醸している。

【参考記事】【再録】スター・ウォーズから始まったハリウッドの凋落

今回、論争を呼んでいるのは主要4役のアラジン、ジャスミン、ジーニー、ジャファーではなく、実写版独自の新たなキャラクター「アンダース王子」。ディズニーによるとアンダース王子は、北欧出身で、アラジンの恋敵としてヒロインのジャスミンに思いを寄せる。演じるのはアメリカ出身の俳優ビリー・マグヌッセン。母方の祖父母はリトアニアからの移民という。

アンダース王子という役柄のバックグラウンドを説明されれば、キャスティング自体に納得はできるものの、世の疑問は解消できていない。ネット上では、中東を舞台にしたストーリーに白人キャラクターを登場させる必要性が論点に。「白人俳優を出すためにわざわざキャラクターを作った」と批判するコメントもあった。

THEY WILL BEND OVER BACKWARDS TO INSERT A WHITE CHARACTER OUT OF THIN AIR.#Aladdin #BillyMagnussen https://t.co/hnSmTfOSTb pic.twitter.com/WkzQP12pI5— Jenny Yang (@jennyyangtv) 2017年9月6日


(ビリー・マグヌッセンがアンダース王子役に抜擢されたニュースを批判するツイートも)

【参考記事】ハリウッドの人種差別は本当だった



ジャスミン役も違和感が残る

ガイ・リッチー監督のもと、撮影にこぎつけた同作品はアニメ版の人気が高い作品だけに、実写版の製作が発表されると注目を集めた。ただ、残念ながら注目される所以は、つい最近までジャスミン役のキャスティングで揉めていたところにもある。

ことの発端は今年3月に、ツイッタ―上で実写版『アラジン』のアラジン役とジャスミン役を探しているという告知が拡散されたこと。条件には年齢のほか「キャラクターは中東系」と明記されていた。

ところが、最終的にジャスミンを演じることになったのは、イギリス出身で母親がインド系の女優、ナオミ・スコット。これに対し「なぜ中東系の女優でないのか」と、批判の声が上がった。中東情報サイト「stepFEED」は、「(ディズニーは)ジャスミンを演じる中東系女優を見つけることができなかったという事実から目を逸らしている」と指摘する。

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