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「DV・売春・クスリ」彼女がどん底から見た"光と影" 不適切にもで話題、河合優実主演「あんのこと」

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 12時30分

『あんのこと』は6月7日より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほかにて全国公開 ©2023『あんのこと』(東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら)

香川杏、20歳。シャブ中でウリの常習犯。希望も知らず、かといって絶望も知らず。ただ一家の暮らしを支えるためだけに無為な日々を過ごしていた。そんな彼女がひとりの刑事との出会いによって更生の道を歩み出すが、そこにやってきたコロナ禍の猛威が彼女の心を少しずつむしばんでいった――。

【写真】『あんのこと』多々羅(佐藤二朗)と記者の桐野(稲垣吾郎)に救われた杏(河合優実)だったが…

『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』などで知られる気鋭の映像作家・入江悠監督が、2020年に実際に起こった事件をモチーフに描き出した衝撃作『あんのこと』が6月7日より新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほかにて全国公開となる。

「不適切にも」でも話題の河合優実が主演

主人公の杏を演じるのはテレビドラマ「不適切にもほどがある!」をはじめとした話題作に次々と出演する河合優実。「この役と、主人公のモデルとなった女性を自分が守る」思いで、この役に真っ正面から向き合った。

本作の主人公である杏は、狭い団地の中に、ホステスをしている母(河井青葉)と、祖母(広岡由里子)と3人で暮らしていた。

部屋の中はまるでゴミ屋敷のようになっていたが、母親はそんなことはお構いなしに男を連れ込んでいる。

そんな母親からの暴力は、杏が子どもの頃から日常だった。一緒に住む祖母は足が不自由で、杏の母親の暴力を目の当たりにしてもなすすべもなく、ただぼう然としているだけだった。

小4で不登校になったため、漢字はほとんどわからない。母親に強要されて身体をはじめて売ったのは12歳のことだった。

だが身体を売って稼いだなけなしのお金も、母親が根こそぎ持っていってしまう。薬物中毒で腕には無数のリストカットの跡がある。

本作の物語は、身体を売った男がホテルの中でオーバードーズで失神してしまい、警察に逮捕されてしまった杏が、刑事の取り調べを受けるところから始まる。

取り調べを担当したのはベテラン刑事の多々羅(佐藤二朗)。最初は「令状を持ってこい!」と反抗的な態度をとっていた杏だったが、そんな彼女に対して多々羅は「ヨガがいいんだよ、シャブを抜くには」と言いながら、いきなりヨガのポーズを披露するような風変わりな大人だった。

「とりあえず売春はやめろ。薬を抜くためにはまず自分を大切にするところからだ。夢中になれることを探せ」と諭す多々羅は、自身が運営する「サルベージ赤羽」という薬物更生者の自助グループに杏を誘う。

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