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大逆事件「真実語り継いで」市民奔走 岡山県井原市で来年サミット

共同通信 / 2024年5月2日 7時3分

森近運平(上段右から2人目)ら大逆事件の関係者が並ぶ映画の一場面(映画「100年の谺」より)

 明治天皇暗殺を計画したとして幸徳秋水ら社会主義者が弾圧された大逆事件で、死刑となった岡山県井原市出身の社会運動家森近運平の名誉を回復しようと市民団体が奔走している。来年10月には「大逆事件サミット」が同市で開催される。「森近運平を語る会」の事務局長田中啓さん(68)は「地元の市民が率先して真実を語り継がなければ」と意気込んだ。(共同通信=北野貴史)

 岡山県職員だった森近は幸徳らと親交があり、日露戦争に対する非戦論を展開した。免官され帰郷した後は農業振興に携わっていたが、大逆罪で逮捕。地元の農民らは無実を訴えたが、1911年に処刑された。

 サミットは、事件当事者の名誉回復を目指す各地の団体が交流する場として、2011年に始まり、来年は6回目。これまでに神戸市や幸徳の出身地高知県四万十市などで開かれてきた。

 語る会では、田中さんが監督を務め12年に完成したドキュメンタリー映画「100年の谺(こだま)~大逆事件は生きている」の市内巡回上映を3月に開始。獄中での手記や遺族の証言から、思想弾圧を受けた森近らの考えや行動に迫る映画を通して、犠牲者の無念さと言論の自由の大切さを訴える。

 語る会は、森近の生涯を研究し、これまでにも勉強会や写真展に加え、毎年4月には市内で墓前祭を開いてきたが、会員は高齢者が多く、市内でも事件の記憶は薄れている。

 事件を風化させないために新しい映画の制作が各団体の有志らで検討されている。田中さんは「ほそぼそとでもいい。若い世代にも森近らの経験を発信することで、同様の『冤罪』を防ぎたい」と話した。上映会は無料で、次回は5月23日の予定。

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