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「気を遣いすぎる」のは、日本人の長所か欠点か? "なあなあ"の国・日本が「誇れるもの」もある

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 8時0分

孫:そうですよね。みんな言い出した人のせいにして、「自分は関係ないです」みたいな感じになりがちですよね。そうしたらみんな言わなくなりますよ。言うだけ損だから。

アメリカでは、要求しないと水は飲めない

つんく♂:たとえばアメリカ人だってみんながみんな積極的ではないですが、日本のような忖度はありませんよね。

孫:アメリカ人だって気を遣う人もたくさんいるけど、さすがに「それを言うとまずいんじゃないか」という雰囲気までにはならないんですよ。

つんく♂:僕が今住んでいるハワイは「多言語社会」でいろいろな民族がいるから、日本のように「のどが渇いたかも」と言っても飲み物は出てこないんです。ちゃんと「水が1杯ほしい」と言う必要があるわけですよね。

それは気を遣ってくれないわけじゃなくて、いろんな言語の人がいるから、要望があればわかりやすく英語に置き換えて伝える必要がある。日本人のようにニュアンスでは通じない。

孫:たしかにそうですね。

「業者もゆるい」のがハワイカルチャー

つんく♂:反面、ハワイで感じたのは「責任者って誰?」みたいな言葉が伝わらないことです。

ハワイでは「責任者、誰?」が伝わらない

つんく♂:たとえば家にトラブルがあって業者を呼んだとき「これって、どこに責任があるの?」と聞くと、「えっ? じゃあ直さないんですか?」と言われる。

「いや、直すけど、誰が責任をとるの?」「保険会社です」「いやいやお金を払うのは保険会社だけど、このトラブルの責任はどこにあるの?」「いやあ……」というやりとりになるんですよ。

孫:ハワイのカルチャーもあるかもしれませんね。僕もハワイで水道漏れの業者を呼んだら、直せないっていう。「あなたはプラマー(配管工)なのになぜ直せないのか」と聞けば「いや、部品が今ないから」って。

つんく♂:そういうの、めっちゃあります(笑)。

孫:「いつ直るの?」と聞いても「部品が来るまで直らないよね」と言われて、「いや、誰かちゃんと責任持ってよ」と言っても「いや、部品が来るまでは難しいよね」としか言われない(笑)。

孫:たとえばシリコンバレーだと、問題が起こる前に「ここ、ちょっとまずくない?」と言う人が出てきて、「たしかにここは事前に対策しておかないとまずいね」「じゃあ、俺が言い出したから俺がやるわ」という感じです。

つんく♂:その的確さがあるのもシリコンバレー特有な気もします。そうすることで評価されて、報酬もきちんと上がっていくわけですよね。

シリコンバレーで「足の引っ張り合い」が少ない理由

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