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1年生の「4番・捕手」は硬式でも軟式でも日本一、日本体育大が9大会ぶりの女子野球王座奪還

読売新聞 / 2026年10月8日 12時0分

9大会ぶりに大学生が王座を奪還、勝利を喜ぶ日体大の選手たち(4日、東京・江戸川区球場で)

 女子軟式野球の国内王座を決める「ジャパンカップ」が4日、東京都の江戸川区球場で行われ、日本体育大学が3-2で千葉マリンスターズ(千葉)を破って優勝した。主に「一般」カテゴリーのチームで競う全日本女子軟式野球選手権と、全日本大学女子選手権の優勝チームが対戦する同カップで、大学生チームが優勝したのは9大会ぶりとなった。(編集委員 千葉直樹)

 高校生から社会人までの選手が所属する千葉マリンスターズは8月の全日本女子軟式野球選手権(東京)で8度目の優勝を飾った。日体大は同月の全日本大学女子選手権(富山県魚津市)で最多の23回目の頂点に立っていた。ジャパンカップでは日体大が2015年に千葉マリンスターズに勝った後、大学勢は8連敗中(20、21年は大会中止)だった。

 「(連敗の)歴史を変えよう」(日体大・青山颯斗監督)と臨んだ今年の試合は三回まで緊迫の投手戦となった。四回表に日体大は一死一、三塁から4番山本詠(うた)さん(1年)の内野ゴロの間に1点を先制した。千葉はその裏、2ラン(ランニング本塁打)で逆転するが、日体大は六回に走者三塁からまたも山本さんの内野ゴロで同点とし、2-2で迎えた延長八回、日体大は一死二、三塁から山本さんの内野ゴロが相手守備の野選を誘って勝ち越し、これが決勝点となった。

「これぞ軟式野球」の3打点

 走者三塁でエンドランを仕掛け、跳ねやすいボールをたたきつけて転がして得点を狙う戦法は軟式野球の定石だが、千葉マリンスターズの好投手から多くの得点は取れないと考えたベンチの期待に、山本さんは三たびこたえてチームの全打点を挙げた。守っても、要の捕手として3年生の先輩投手をリードし、ジャパンカップの最優秀選手に選ばれた。

 1年生ながら「4番・捕手」。中学時代は東京都内の女子軟式クラブでプレーし、高校は硬式の強豪、神戸弘陵(兵庫)に進学した。3年生の時には主将として、決勝戦が東京ドームで行われた全国高校選抜大会で優勝も経験している。

 今春、大学に進学して選んだのは硬式ではなく軟式だ。「大学で硬式はあまり考えなかった。でも野球が好きなので、楽しく続けていきたいと思っています。きょうは(最後のシーズンの)4年生のためにもという気持ちで打席に立った。うれしいですね」。将来は女子野球の指導者になりたいという山本さんはチームメートと抱き合って喜んだ。

 少子化で国内の野球人口が減る中で女子の競技者は増加している。各統括団体の資料から推計した女子の競技者数(25年、硬式と軟式の計)は2万2000人余りで、この10年近くで約1・4倍に増えた。各連盟に登録していないチームも含めれば、数字はもっと上がると推定される。  

 ただ、大学の女子軟式野球チーム数は減っており、毎年夏に富山県魚津市で開かれている全日本大学女子選手権大会の事務局によると、1999年に30だった参加チーム数が今年は12チームだった。日体大は所属する関東地区の連盟のリーグ戦以外にも実戦の機会を求めて、中学生から一般まで世代を超えたカテゴリーのチームが交流する大会などにも積極的に参戦して腕を磨いてきた。

 学生監督を務めてきた青山さんは4年生で、これが最後の采配試合だった。大学勢が9大会ぶりにつかんだ王座に「ここで勝つためにやってきたので本当にうれしい」と選手の輪の中でとびきりの笑顔を見せた。

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