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物流業界で外国人運転手の採用拡大、「特定技能1号」認定契機…「日本の交通ルールへの十分な理解必要」

読売新聞 / 2026年10月11日 15時0分

福山通運は外国人ドライバーの採用を強化している(9月、東京都江東区で)

 物流業界で外国人ドライバーを採用する動きが広がっている。在留資格の「特定技能1号」に運送業が認められたことが契機となった。トラック運転手の残業規制が強化された「2024年問題」以降、深刻化する人手不足への対応策として期待される一方、安全確保に向けた環境づくりが課題となる。(大塚健太郎)

3割目標

 福山通運では今年、インドネシアからの約30人が社員として来日した。同社は外国人でも運転しやすいよう、普通免許でも運転できるいすゞ自動車の小型トラック「エルフミオ」を36台導入。10月から順次運転業務を始めている。

 インドネシア人ドライバーの男性(43)は「早く日本の道に慣れたい」と意欲をみせる。福山通運の桑本聡常務は「特定技能で働ける期間は限られる。即戦力として働いてほしい」と期待する。

 SBSホールディングス(HD)も25年、外国人ドライバーの採用を本格化した。今後10年で運転手全体の約3割にあたる1800人の外国人を確保することを目指す。

接客不要

 農業や介護などの分野と違い、運送業はもともと技能実習制度などの外国人就労資格の対象ではなかったため、これまでは日本人と結婚してビザを取得した人などになり手がれていた。だが24年から、トラックやバス、タクシーの「自動車運送業」でも特定技能1号の人材の雇用が可能になった。

 認定されれば最大5年間働くことができる。28年度末までの受け入れ人数の上限は2万2100人で、26年8月末時点で約7500人が試験に合格。タクシーやバスの運転手に比べ、乗客に日本語で接客する必要がないトラック運転手が合格者の8割超を占める。

 今後、物流倉庫で作業を行う人材についても特定技能1号の受け入れが始まり、業界全体で外国人が働く機会が拡大する見込みだ。

 外国人ドライバーの受け入れが進む背景には、慢性的な運転手不足がある。高齢化や人口減といった構造的な要因に加え、24年4月に年間の残業時間で960時間の上限が設けられたことで人手不足に拍車がかかった。トラック運転手の有効求人倍率は23年度の2・18倍から、25年度は2・49倍に上昇。繁忙期には宅配便の遅延といった悪影響も生じ始めている。

教育に1年半

 こうした中、外国人の活用は企業にとって「渡りに船」(運送会社)といえる状況だが、リスクを指摘する声もある。船井総研サプライチェーンコンサルティングの梶原拓馬氏は「東南アジアと同じ感覚で車間距離を詰めたり、追い越したりすると事故のリスクが大きい。運転技能だけではなく、日本の交通ルールを十分に理解してもらう必要がある」と指摘する。

 企業側も外国人ドライバーが安全に運転するための体制づくりを進める。ヤマト運輸は27年に採用予定のベトナム人について、入社前から1年半かけて教育を行っている。まずは現地の日本語学校に通ってもらい、来日後も運転技術や日本文化を学ぶ機会を設ける予定だ。SBSHDも28年にインドネシアで教習所を始めることにしている。

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