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MVNOが成長するのに“足りていないこと” 「格安スマホ」激動の10年を振り返りながら議論

ITmedia Mobile / 2024年4月19日 6時5分

 フルMVNOについて佐々木氏は、初期に携わった担当者として誇らしいと述べつつも、「通信事業者としてあるべき正常進化」と語っている。

 「膨大な投資が伴うものである以上、回収する方法を表裏一体で考えなくてはいけない。2018年時点、フルMVNOで音声サービスは提供できなかったので、データSIMをどう売るか考え、当初からIoTにターゲットを定めた。現状、日本のフルMVNOはいずれもIoTに強いというバックグラウンドを持っている」(佐々木氏)

 欧州などではフルMVNOが普通に一般ユーザー向けのサービスを提供している。日本のフルMVNOはIoTが中心という、やや特殊な環境との認識だ。

●料金値下げ、楽天モバイル、ahamo、irumo……激動の2019年~2023年

 2019年から2023年はいくつもの大きな動きが起こる。

 2019年、ドコモが値ごろ感のある新プラン「ギガホ」「ギガライト」を発表。楽天モバイルがプレサービスとして「無料サポータープログラム」を開始した。特に大きかったのが、電気通信事業法の改正で分離プランが義務化され、解約金も事実上撤廃になったこと。細かいところではXiaomiが日本に正式に参入したのもこの年だ。

 井原氏は、通信と端末が分離されたことで、MNOの代理店でもあるイオンは「キャリアの端末(とイオンモバイルのSIM)を一緒に売れることに期待した」という。一方で、既にMNPの踏み台にされることが非常に多く、割引の2万円上限についても期待したが、いったんは収まったものの「1年後はよりひどく」なってしまった。

 石川氏は、「海外と比べて確かに日本は4割高いかもしれないが、海外のネットワーク品質は低い。日本は高いネットワーク品質のまま4割値下げするのか」といった内容の記事をよく書いていたという。「大丈夫かと心配していたら、一部のキャリアは品質まで下がった」と指摘した。

●ahamoよりもY!mobileやUQ mobileの値下げの方が衝撃的だった

 2020年は5Gがスタートし、楽天モバイルがMMOとしてサービスを開始する。KDDIがUQ mobileを統合し、2020年後半は政府の料金の値下げ圧力が高まった。当時の武田総務大臣が、サブブランドが値下げを行っても「羊頭狗肉」と批判したり、メインブランドからサブブランドへの移行がしにくいと指摘したりするなど、ユーザーにとってプラス面もあったが、キャリアにとっては政府からの強い圧力だった。その流れを受ける形でドコモがahamoを12月に発表。ユーザーの注目度も非常に高かった。

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