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近鉄大阪線の「ザ・ターミナル」大阪上本町の貫禄 本社・百貨店・ホテルが集中、バス乗り場を改良

東洋経済オンライン / 2024年5月2日 7時30分

近畿日本鉄道・大阪上本町駅の地上ホーム。北側(画面左端)の改良工事でバス乗り場とのアクセスを改善させる(記者撮影)

近畿日本鉄道は日本一の路線長を持つ私鉄として知られる。なかでも大阪と名古屋・伊勢志摩方面を結ぶ特急が走る大阪線は長さ108.9kmに及ぶ大動脈。その路線の起点となるのが大阪上本町駅だ。

【写真60枚で見る】今から110年前、開業当初の「上本町停留場」の貴重な写真。普段は入れない、駅長室から眺めた地上ホームの様子も。

2024年で開業110年

大阪上本町駅は2024年4月30日に開業110周年を迎えた。百貨店のビルと一体となった駅で、頭端式の地上ホームはいかにも私鉄のターミナルの雰囲気が漂う。

所在地は「大阪市天王寺区上本町六丁目」。略して「上六(うえろく)」という呼び名も周辺のビルや店舗の名称に見ることができる。平坦な地形が多い大阪中心部では珍しい坂道のあるエリアにある。高校が多く学習塾が目立つのも上本町の特徴だ。

上本町駅は1914年、近鉄の前身の大阪電気軌道(大軌)が奈良と最短距離で結ぶ生駒トンネルの難工事の末、現在の奈良線を開業させたときに誕生した。近鉄創業の地ともいえる重要拠点だ。

【写真】現在の大阪上本町駅の様子。普段は入れない、駅長室から眺めた地上ホームの様子も(60枚)

その後、大軌は途中駅の布施から南へ分岐する路線を桜井方面へ延ばしていく。1931年までに系列の参宮急行電鉄(参急)によって桜井―宇治山田間が開通、大阪と伊勢が直通列車で結ばれるようになった。1941年の大軌と参急の合併により、上本町―伊勢中川間が大阪線と名付けられた。

大阪万博開催の1970年に難波線(当時の駅名は上本町―近鉄難波間)が開業、同線と一体的に運用する奈良線の電車や、名阪間などの特急列車は地下ホームに発着するようになった。

さらに2009年の阪神なんば線の開業で、近鉄奈良―神戸三宮間直通の快速急行が運行開始。駅名も現在の大阪上本町に変更した。名阪特急「ひのとり」や「アーバンライナー」などに乗って遠方から訪れた人にとって大阪上本町は地下駅というイメージが強いかもしれない。

近鉄グループの本拠地

現在の地上ホームは、日中は高安行きの普通から五十鈴川行きの急行まで、行き先と種別のバリエーションに富んだ大阪線の一般用車両が中心となる。特急の発着は朝夕の一部のみだが、「伊勢志摩ライナー」のほか、土休日は2階建ての「ビスタカー」も入線する。団体専用臨時列車の乗り降りに使われることもある。

大阪上本町駅の水本安彦駅長は1981年の入社。2020年のひのとりの運行開始時には大阪難波駅長として出発式で合図をした。大阪上本町駅には2023年11月に着任。「大阪の中心部にありながら、学校が多い文教地区でもあり、どっしりと落ち着いた雰囲気がある」と話す。「地上ホームの各線が電車で埋まったときは壮観」というターミナルならではの光景もある。

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