特集2017年11月14日更新

2017秋ドラマ“中間採点”勝ち組はどのドラマ?

幅広いジャンルとラインナップになった今クールのドラマの数々。今日は初回放送後の人気度、視聴者の反応をまとめました。途中からでも観たくなるドラマが見つかるかもしれませんね。

目次

シーズン前から話題になっていたドラマ

先月、秋クールに始まるドラマを特集しました。

初回放送を迎えた10月中旬頃に行われた「初回を観る予定の秋クールドラマ」についてのアンケートでは、下記のランキングになっていました。

■第5位:奥様は、取り扱い注意(12.5%)
■第4位:科捜研の女 SEASON17(12.8%)
■第3位:コウノドリ(16.0%)
■第2位:相棒season16(20.4%)
■第1位:ドクターX~外科医・大門未知子~(25.5%)

各ドラマも開始からそろそろ1カ月。予想通りだったり、思ったほどでもなかったり、期待を上回る面白さだったり、様々だと思います。秋ドラマの話題作の現時点での評判をみてみましょう。

奥様は、取り扱い注意
(日本テレビ系 水曜日 22:00 ~ )

演出や台詞にさまざまな反響が

視聴者からはアクションシーンや一部の演出、台詞に疑問を持つ反応もあるようです。

「倉科はおなかに包丁が突き刺さったままの状態で救急搬送されたのですが、次の場面はいきなり10日後に飛び、入院中の倉科を綾瀬が見舞うシーンに。ここで倉科は『包丁持ったまま転んだって(言いました)。疑われましたけど、そう言い張るしかなかった』と語ったのです。これでは明らかな傷害罪ですら妻の証言次第で隠ぺいできることになってしまう。DV撲滅の世論に完全に逆行している演出には、もはや呆れるしかありません」
本来であれば女の子を救出した綾瀬が警察に通報し、警察官の到着まで女の子を保護しておくべき。だがドラマのストーリーに従うと、綾瀬は自分が事件解決に関わったことを隠すために、悪者と女の子を残したままアジトから離れたことになる。さすがにこの描写には無理があり過ぎるというのである。
理沙の立場で考えたら、菜美の発言はどれも「イジメを相談した相手から言われたくない言葉」ではないだろうか。人の痛みは本人にしかわからないものだけれど、さすがに周囲が「大したことない」とか「些細な嫌がらせ程度のこと」だなんて言うのは無神経すぎる。菜美は特殊な生い立ちなので、その辺に鈍感なのかもしれないが、ドラマの主人公からは聞きたくないセリフだった。

科捜研の女 SEASON17
(テレビ朝日系 木曜日 20:00 ~ )

17シーズンを迎え、安定した人気ぶり

1999年のシリーズ開始から18年!根強いファンに支えられて、視聴率もキープし続けています。ゲスト出演した中川大志の白衣姿にも注目が集まりました。

9日に放送された女優・沢口靖子(52)主演のテレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」(木曜・後8時)の第4話の平均視聴率が12・3%だったことが10日、分かった。
俳優の中川大志(19)が、19日に放送されたドラマ「科捜研の女」にゲスト出演するや、ファンから「スーツも白衣も似合ってる!かっこいい~」「中川大志の白衣姿カッコ良すぎだろ」「中川大志のカッコよさ」と猛反響。

コウノドリ
(TBS系 金曜日 22:00 ~ )

褒められる機会の少ない子育て中のママから大反響

ドラマ放送開始後、「産後うつ」についてSNSにも多数のコメントや賞賛の声が寄せられています。また、秋ドラマ“初回満足度”ランキングではトップに輝きました。

とくに産後うつについては、放送直後からSNS上に共感の声が殺到。さまざまな思いを抱えながら、日々育児に奮闘する母親たちの叫びを「これでもか!」と詰め込んだ至極の物語だった。
もちろん、そんな四宮の言葉には感銘を受けたが、筆者が大きくうなづいたのはメディカルソーシャルワーカー・向井祥子(江口のりこ)の「私もこんな仕事していますけど、子どもを窓から投げ出したいと思ったこと何度もありますよ。みんな子育てを美化しすぎです。髪振り乱して必死にやってるんです」という言葉。
夫の言葉で麗子は自分の思い込みに気づき、予定通りに無痛分娩で出産。夫もつきっきりで麗子を応援し、出産は何ごともなく成功した。麗子を思う夫のセリフには、「よく言ってくれた! の連続だった」「うちの旦那が喜矢武さんの言葉に泣きそうになっててうれしかった」「軽そうに見えてしっかりしてる父親役の演技が最高だった」と絶賛を集めた。

相棒 Season16
(テレビ朝日系 水曜日 21:00 ~ )

コアなファン層が多い人気シリーズ

2000年のシリーズ誕生以来、根強い人気と注目を集め続けている人気のシリーズドラマ。高い視聴率もキープしています。初回放送の前に、ドラマのSNSアカウントで、主演の水谷豊と反町隆史のスペシャルライブが配信されたことも話題になりました。

30分拡大で放送された初回は15・9%を獲得し、前シリーズ「相棒season15」の初回15・5%(2016年10月12日)を上回る好スタートを切った。第2話で16・6%とさらに数字を上げ、第3話も日本シリーズと放送時間が重複しながらも好調をキープした。
SNS上では、「なんだかんだでシーズン16も見てしまうのである。秋だね。」「いつまでシリーズが続くかっていう不安、特に冠城くんも三期目に入って、次はどうなるんだ、っていう視聴者の不安に重ねて、特命係の存続自体を揺るがしかねないテーマを初回にぶっこんでくるのは上手いなーと思う」「いまさら違法捜査で騒がれても、よく今まで放置されてたな」などと、長年連れ添ってきた感のあるコメントが目についた。

ドクターX ~外科医・大門未知子~
(テレビ朝日系 木曜日 21:00 ~ )

シリーズ人気が定着

視聴率も依然好調です。「私、失敗しないので」でおなじみの米倉涼子演じる大門未知子が着こなすゴージャスな私服にも注目が集まっています。

9日に放送された女優・米倉涼子(42)主演のテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜・後9時)の第5話の平均視聴率が20・8%だったことが10日、分かった。
この週も「大門未知子の服やメイクや髪型とても好き」「未知子みたいな服を買い揃えようかな」と好評を博していたのですが、ドラマ中盤で未知子が白衣の下に着ていた黒いシャツは、特にかっこよく決まっていましたね。こちらは「BARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク)」の「ボウタイシルクシャツ」のよう。

上記2つの「相棒 Season16」と「ドクターX ~外科医・大門未知子~」は視聴習慣の高い主婦やシニア世代によって、再放送も高視聴率なんだそうです。

その他の話題のドラマ

民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~
(フジテレビ系 月曜日 21:00 ~ )

安定の篠原涼子の演技、高橋一生の二面性のあるキャラ設定にも注目

『民衆の敵』はノンフィクションや実在の政治家や政党をモデルにしたようなストーリーではないものの、実際の衆院選の時期を鑑みてフジテレビの上層部が16日初回放送を23日スタートに変更したそうです。もし予定通り16日に放送を開始していたら、実際の選挙の投票率が上がった可能性もあったかもしれません。

篠原涼子演じる40歳の子持ち主婦・佐藤智子がお金欲しさに市議会議員に立候補するという、政治を題材にしたドラマなのだが、前評判は「いかにもフジ的な荒唐無稽ストーリー、安易すぎる」「政治ネタなんて誰もドラマで見たがらない、大コケ必至」と散々だった。
でも、23日に放送された第1話を見てみると、これが予想外におもしろかったのである。たしかに、ストーリーは荒唐無稽ではあるのだが、ディテールがリアリティを感じさせるし、何より現在の日本社会が抱える問題点や、政治と市民の意識の乖離など、本質を突くような描写がいくつも盛り込まれていたのだ。

陸王
(TBS系 日曜日 21:00 ~ )

今もっとも勢いのある、竹内涼真と山崎賢人が出演

原作は『半沢直樹』や『下町ロケット』を生み出した作家、池井戸潤による企業小説です。ドラマスタッフも再結集しています。老舗の足袋メーカーが他社と対峙する姿を描いた物語です。本格的にドラマデビューした阿川佐和子の演技も話題を呼んでいます。

SNS上では、「陸王最高すぎる」「役所さんの圧巻の演技にやられた」といったコメントが多く寄せられた。山崎については「役所さんとの親子の演技も自然で。物語と共にこれから彼がどう化けていくのか楽しみだな」、ランナー役のため8kgの減量と肉体改造を行ったという竹内涼真には「ほんとに選手を見てるみたいだった!」など、称賛の声が見られた。
「阿川が演じる正岡あけみ役は、平均年齢60歳の老舗足袋業者『こはぜ屋』の縫製課を束ねる元気なリーダー役。本人も『天下の池井戸ドラマから出演依頼を受けるとは、まさに青天の霹靂』と驚きを隠せなかったそうです」(番組関係者)
ところが、そんな阿川の初回の演技を見た視聴者から「阿川佐和子さんが長ゼリフを物ともせず、大熱演!」「肝っ玉な阿川佐和子さんもステキ」といった声がネットでも上がっている。

明日の約束
(フジテレビ系 火曜日 21:00 ~ )

生徒・親・学校の闇を描いた学園ヒューマンドラマ

井上真央演じる高校のスクールカウンセラーが不登校の男子生徒の不可解な死の原因を究明していくストーリーです。怖すぎる演技に脱落する人も。

「主人公・藍沢日向(井上)の母親(手塚理美)と、自死した男子高校生の母親・吉岡真紀子(仲間)は、いわゆる“毒母”なんですが、この2人がとにかく怖い。視聴者の中には、2人のような毒母を持つ人も少なからずいるようで『自分の子供時代を思い出して、辛すぎる』といった思いから、脱落した人もいたようです」
井上真央(30)が主演を務める『明日の約束』(フジテレビ系)第3回が10月31日に放送され、平均視聴率5.4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)だったことがわかった。前回よりも0.8ポイントもダウンし、次回は5.0%を切るのではないかとはやくも懸念されている。

今からあなたを脅迫します
(日本テレビ系 日曜日 22:30 ~ )

ディーン・フジオカと武井咲のW主演

人を脅迫することで警察や探偵が解決できない依頼を解決する“脅迫屋”と、お嬢様大学生が事件に巻き込まれるクライムミステリーです。

ディーン・フジオカと武井咲によるW主演ドラマ「今からあなたを脅迫します」(日本テレビ系)が苦戦している。平均視聴率8.0%からスタートし、第2話は5.7%に落ち込んでしまった。日曜夜10時30分からの放送とはいえ、痛い数字だろう。

キャストの動きに合わせたカメラワークが話題になりましたが、それを「不要なブレ」や「手ブレ」とする人も多く、ネット上でも話題になりました。

また、作品にはアクションシーンもあるため、ネットでは妊婦の武井咲をを心配する声も。

おそらく万全の体制で撮影しているとは思うが、ネットには「やっぱり妊娠中だから心配」「つわり大丈夫かな……」「武井咲のお腹が気になってしまう」と武井を心配する声が多い。また、「アップになるとかなり疲れが見える」「咲ちゃんの目のクマ酷すぎ」とも。

監獄のお姫さま
(TBS系 火曜日 22:00 ~ )

小泉今日子主演、“おばちゃん犯罪エンターテインメント”ドラマ

女子刑務所の5人の女性たちを描いた作品。殺人未遂の罪で、生まれて初めて刑務所生活を経験する主人公の馬場カヨ役を、小泉今日子が演じています。オープニングは、同局の情報番組『サンデー・ジャポン』(毎週日曜あさ10時)に生出演している場面のパロディでスタートしました。

本物のスタジオ、本物のMC、とあまりにも忠実すぎるパロディにネット上では「サンジャポ録画されてるかと思った!」「びっくりしたー」「何が起こったの!?」「焦って番組表確認したよね」「めちゃくちゃ戸惑った」「本物の爆笑問題はすげえ」と混乱した視聴者が続出。

元刑務官役の満島ひかりが「かっこいい」と話題になっています。

カヨたちに号令をかけ、あっという間に吾郎を縛り上げ事態を収束したタフでクールな若井にハマり役の満島に、「最高に先生かっこよかったです!!」「ひかりちゃんかっこよかった~~」「先生に号令かけられたい笑」「警棒で引っ叩かれたい」と痺れる視聴者が多数。そのほか、意識を取り戻し暴れようとする吾郎に「しゃべるな、クズ!」とスタンガンを押し付ける様子に「鳥肌立った」と魅了される声や、“先生”の正体を最後まで引っ張るストーリーの妙に満足する声も多くみられた。

放送後の視聴者の感想は賛否両論になりました。

「最後に話が収束していく様子が宮藤官九郎らしくて最高だった」と絶賛する人が多い一方で、「つまらない」「何がやりたかったのか不明」との酷評も少なくない。
小泉が連発する「なんかワチャワチャしちゃうのよ」や「オバサンって言うな」など、“おばちゃん”ワードは早くも話題になっている。

先に生まれただけの僕
(日本テレビ系 土曜日 22:00 ~ )

櫻井翔主演、型破りな校長役

商社マンだった主人公が校長となって私立高校の立て直しに挑むストーリー。若者たちの貧困や教育現場の厳しさがリアルに描かれています。ドラマでの台詞に反応する声も。

11日に放送された「嵐」の櫻井翔(35)主演の日本テレビ系ドラマ「先に生まれただけの僕」(土曜・後10時)第5話の平均視聴率が8・1%だったことが13日、分かった。前回の7・7%から0・4ポイント上昇した。
「ドラマでは普段の姿とは異なる姿を演じることで、役柄を引き立たせるもの。ところが櫻井の場合、一般視聴者に最もおなじみなのはアイドルとしての姿ではなく『NEWS ZERO』(日本テレビ系)でのキャスター姿になっているのが現実です。そのためスーツ姿には何の新鮮味もなく、商社マンや校長として小難しいセリフを口にする場面もまるで『NEWS ZERO』でのロケを観ているかのよう。

刑事ゆがみ
(フジテレビ系 木曜日 22:00 ~ )

フジなのにつまらなくない!

原作は漫画家・井浦秀夫氏の同タイトルの作品です。犯罪者の心が読める主人公と、正義感と腹黒さを持ち合わせた相棒のコンビが難事件に挑むストーリーです。

10月26日に放送された第3話の平均視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と芳しくないが、ネット上では「今期一番面白い!」と高評価なようだ。

フジテレビの最近の視聴率低迷などの影響もあり、『フジだから見ない』という人もいたかもしれませんが、内容もキャスティングも人気があり、ネットでも話題になっています。

こうした、プロットからシナリオを立ち上げる際の具体的なエピソードの作り込みが、実に丁寧に行われているのも、『刑事ゆがみ』の特徴だと思います。複数の脚本家を使っていますが、かなり強いディレクションというか、統率が入っているという印象です。クオリティコントロールが行き届いているし、時間をかけて脚本を練っていることがよくわかります。要するに、マジメに頑張って作っているドラマだということです。

ブラックリベンジ
(日本テレビ系 木曜日 23:59 ~ )

予告動画があの動画にそっくりと話題に

スキャンダルによって夫を失った沙織(木村多江)が、週刊誌の契約ライターになり、夫を陥れた人々をスキャンダルで次々と追い詰めて復讐していくストーリーです。

日本テレビ系10月5日スタートの木曜深夜ドラマ『ブラックリベンジ』の予告動画が、今年の夏に世間を騒がせたあの動画にそっくりだと話題になっている。主演の木村多江が無表情で「絶対に許さない」と話しているが、本家にも劣らない凄みを感じる。

話題になった予告動画はこちらからどうぞ。

ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~
(テレビ東京系 金曜日 20:00 ~ )

弱小広告会社に勤めるコピーライターの活躍を描いた

原作は、直木賞受賞作家・荻原浩さんの「花のさくら通り」。広告の会社に勤めていた頃のことを書いた小説で、ビジネスパーソンにとっても仕事や人生のヒントになりそうです。キャストがNHKの前期朝ドラ『ひよっこ』の出演者中心のため、ファンの間では『朝ドラが金曜夜に引っ越した』と話題になっています。

10日に放送された俳優・沢村一樹(50)主演のテレビ東京系ドラマ「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~」(金曜・後8時)の第4話の平均視聴率が3・8%だったことが13日、分かった。前回の4・1%から0・3ポイントのダウンとなった。

2017秋ドラマの傾向は

主演俳優に“高齢化の波”

今クールのドラマの傾向として、主演している俳優・女優の“高齢化”を挙げている記事がいくつかありました。プライムタイム(19~23時)で放送されている計14本の主演俳優の平均年齢を計算すると…。

主演の年齢は、60代の水谷豊さん(65歳)、役所広司さん(61歳)。50代の沢口靖子さん(52歳)、小泉今日子さん(51歳)、沢村一樹さん(50歳)。40代の竹野内豊さん(46歳)、篠原涼子さん(44歳)、浅野忠信さん(43歳)、米倉涼子さん(42歳)。30代のディーン・フジオカさん(37歳)、綾野剛さん(35歳)、櫻井翔さん(35歳)、綾瀬はるかさん(32歳)、井上真央さん(30歳)。
そして20代は……誰もいません。計14人の平均年齢は44.5歳と、ドラマ史上まれに見る高齢だったのです。

その結果、現場ではこんな会話が(笑)

「小泉さん、坂井真紀さん、森下愛子さんは女子刑務所の囚人役です。みんな“おばちゃん”キャラで現場でも中年特有の悩み話に花が咲いていますよ。森下さんと坂井さんが“なんだかひざが痛くって~”“私は腰が痛いんです~”“わかるわ~”と、まずは不健康トークから始まります(笑)。菅野美穂さんと夏帆さんは、“あなたたちはまだまだこちら側ではないわよ”と、若い人扱いされていますね」(別のTBS関係者)

若手にスターがいない、というわけではないと思います。当時28歳だった新垣結衣主演の「逃げ恥」が大ヒットしたのは、昨年の話です。理由のひとつに、秋ドラマの扱っている各番組の「テーマの重さ」が挙げられるのではないでしょうか。

『民衆の敵』は政治家と政治問題、『明日の約束』は母子関係と学校問題、『奥様は、取り扱い注意』は主婦の闇と主婦を傷つける悪者、『刑事ゆがみ』は女性絡みの犯罪、『ブラックリベンジ』(日本テレビ系)は週刊誌報道とえん罪、『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)はシャッター商店街、『コウノドリ』は妊娠・出産をめぐる医療問題、『先に生まれただけの僕』は教育現場における教師と生徒それぞれの問題、『さくらの親子丼』(フジテレビ系)は社会に居場所のない人々の苦境、『陸王』は老舗と斜陽産業の現実を描いている。

今クールだけに限った話ではありませんが、最近のドラマは人気シリーズ物の続編が強い傾向にあります。例えば今クールだと「ドクターX」や「相棒」「科捜研の女」など。いずれも中高年層の好む医療・刑事もので、そのため、制作陣の目線がどうしてもそういった層の好む方へと向けられているかも、と推測する記事もありました。

若年層を中心に、テレビよりもネットのほうがいろいろ見られて楽しいという意見や、動画共有サービスの中高年層への広がり等によって、テレビそのものが下火になっているような兆候がありますが、テレビ業界にもV字回復する可能性は残っています。

ただ、危険な兆候があるとはいえ、テレビ業界や各局には底力がありますし、V字回復する可能性を秘めています。その最たるところは制作力であり、社内に蓄積されたノウハウ。これを「中高年層に向けてのみではなく、若年層を虜にするようなコンテンツ作りに使っていけるか」が鍵を握っているのです。

秋ドラマ“初回満足度”ランキング

「テレビウォッチャー」というテレビ番組の視聴アンケートによる、10月期ドラマの中で視聴者がどの作品に“満足しているのか”というアンケートが発表されました。

「コウノドリ」が半沢直樹以来の高い数値でトップに立ちました。

秋ドラマ初回満足度ランキングでトップだったのがTBSのテレビドラマ『コウノドリ』で4.05(5段階評価)。これは2012年4月期から取得しているテレビウォッチャーの民放ドラマ(ゴールデン・プライム帯)の初回満足度ランキング第2位というハイスコア(1位は、2013年『半沢直樹』の4.16)。

また、放映前の「期待値」に比べて初回満足度の差に差があった、つまり期待していたよりも満足度が高かった“上昇数”のランキングでは、ちょっとした違いが見られます。

期待値と初回満足度の差=“上昇数”という点で健闘したのが、視聴率では一桁台と苦戦を強いられている『刑事ゆがみ』である。民放連ドラ初主演となる浅野忠信と、2年ぶりの連ドラレギュラーとなった神木隆之介という未知数のキャスティングだった為か、期待値ランキングでは11作品中9位と低い位置だったのだが、初回満足度は3.62と高満足度の基準3.7に迫る数値を獲得した。

好調をひた走るドラマから、視聴者の心を揺らぎながらもつかみかけているドラマなど、放送前にあったネガティブな話題を覆しそうな今クールのドラマ。 これから、ドラマがより盛り上がりそうな展開が期待されます。 この秋、演者の演技とドラマのストーリーに心打たれてみませんか。